Federal Office of Communications
Tel | +41 32 327 55 11 |
---|---|
URL | https://www.bakom.admin.ch/ |
所在地 | Zukunftstrasse 44, 2501 Biel, SWITZERLAND |
幹部 | Bernard Maissen(局長/Director General) |
1992年、通信市場の自由化に伴う競争促進と事業者規制の枠組みの整備を目的として設立された。2012年から郵便市場の政策策定機関の役割を兼ねる。
また、通信事業者規制機関ComCom(2の項参照)の助言機関として、同委員会による規制実行に関する文書を起草するほか、共同で事業者規制を実施、以下の政策策定、規制活動を所掌する。
Federal Communications Commission
Tel. | +41 58 463 52 90 |
---|---|
URL | https://www.comcom.admin.ch/ |
所在地 | Christoffelgasse 5, CH-3003 Bern, SWITZERLAND |
幹部 | Christian Martin(委員長/President) |
「電気通信法」(Ⅱの項参照)に基づき1998年に設置された、電気通信事業者規制を目的とする独立規制機関であり、OFCOMが徴収する免許手数料等の各種手数料によって運営されている。組織は、連邦内閣の任命する7名の委員及び事務局から構成される。
1998年1月1日から施行。通信分野における基本法令であり、相互接続、ユニバーサル・サービス、無線通信、電気通信機器及び電気通信基盤整備条件、番号計画等を規定している。
2003年末、周辺のEU加盟国と同調して「2002年電気通信規制パッケージ」を反映した改正案が提案され、2007年4月1日に施行、国営事業者スイスコム(Swisscom)のラストワンマイルが開放された。
なお、電気通信法第22~27条では電波利用に関する一般的規定を定めているが、周波数管理、利用及び免許等の個別的項目については、「周波数の管理及び無線通信免許に関する1997年10月6日の政令(Government Decree of 6/10/1997 concerning Frequency Management and Radiocommunication Licenses(SR 784.102.1))」が補足している。
また、2014年11月の連邦議会による電気通信報告を受け、2020年11月に電気通信法に係る政令7本の改正が連邦議会により承認され、2021年1月に施行された。
電気通信事業者は、OFCOMへの事前の届出により、技術的にサービスが可能であること、「労働法」に照らして適法であることについて承認・登録を受けてサービスを実施することとされる。2023年10月末時点での登録事業者数は516である。
ただし、周波数利用に際しては、免許制度が適用される。なお、電気通信事業への外国籍の事業者の参入は、相互主義によってのみ認められる。
OFCOMにより、市場において顕著な支配力を有する(Significant Market Power:SMP)と判断される事業者は、他事業者に対し、透明・非差別的条件かつコストベースの料金で、フルアンバンドル回線接続、ビットストリーム・アクセス(4年間)、相互接続(光ファイバ回線におけるサブローカル・ループ含む)、専用線、ケーブル管路接続等を提供する義務を有する。
2008年に旧独占事業者スイスコムがSMP事業者として回線の開放を開始し、ComComによる年ごとの料金規制が開始された。料金は回線ごとに月額で定められ、OFCOMによるコスト分析に従って適宜改正される。ComComは2013年までにこの額を18.18CHFから15.20CHFまで段階的に引き下げた。なお、開放義務規制は銅線ネットワークにのみ適用されている。
固定電話、移動電話及びIP電話で2000年から番号ポータビリティ利用が可能である。
ユニバーサル・サービス提供事業者の選定は、公開入札で行われる。選定基準は、①必要な技術的設備の保有、②提供期間における投資・サービス継続能力、③法令順守の保証、④労働法規及び労働条件の順守である。対象サービスは以下のとおりである。
2023年、連邦議会は新たに「国家サイバー戦略(National Cyberstrategy:NCS))」を承認した。今回策定されたNCSは最初の2つの「サイバーリスクからスイスを守るための国家戦略」に基づいている。NCSでは17つの対策を定めているが、それぞれの対策は5つの戦略目的「権限付与(Empowerment)」「安全なデジタルサービス及びインフラストラクチャー(Secure digital services and infrastructures)」「サイバー攻撃の効果的な特定、予防、管理、防御(Effective identification, precvention, management and defence against cyberincidents)」「サイバー犯罪の効果的な対策、訴追(Effective combating and prosecution of cybercrime)」「国際協力における主導的な役割(Leading role in international cooperation)」に資するものとなっている。
NCSは、連邦政府機関、州、民間部門、大学等の専門家と協力して策定された。今回のNCSは戦略機関を定めたものではなく、環境の変化や政治的な枠組みに変化があった場合に更新されることとなっている。加えて、国家サイバーセキュリティ・センター(The National Cyversecurity Center :NCSC)」が5年ごとに基本的な見直しを実施することで、NCSが正しい目的と対策を定めているか、修正が必要かの判断をすることとしている。
政府は2020年4月、「連邦ICT戦略2020~2023」とその実施のための「2020マスタープラン」を承認した。ICT戦略は、連邦情報技術を可能な限り最善の方法でビジネスニーズに合わせ、デジタル・トランスフォーメーション(DX)で管理ビジネスをサポートすることに重点を置いている。
「連邦ICT戦略2020~2023」では、連邦政府のDXのための連邦評議会の計画に基づき、連邦政府の情報技術をビジネスニーズに合わせて最善の方法で調整することに重点を置いている。
この戦略では、四つの戦略的推進項目について、行動分野と方向性の目標を策定している。
スイスでは、欧州連合(EU)の「R&TTE指令(1999/5/EC)」を受け、2008年5月、「2002年電気通信機器に関する政令(Government Decree of 14/06/2002: Ordinance on Telecommunications Equipment(FAV, R 784.101.2))」を改正し、国内法制化を実施している。技術的必須要件(Essential requirements)は、欧州基準に基づき、OFCOMが官報で公示する。なお、EUでは、2014年5月にR&TTE指令に代わる新たな無線機器指令(Radio Equipment Directive:RE Directive(2014/53/EU))が公示されており、EU加盟国は2016年6月13日までに国内法制化することが規定されており、スイスでも、2015年11月のFAV改正を経て、R&TTE指令からRE指令へ移行した。
総回線数は1995年頃から、主に移動電話及びVoIPの普及によって減少傾向にある。2013年のスイスコムのIP化開始とともに大幅に減少し、VoIPの加入者数は2016年度に初めてPSTN方式の加入数を上回り、2022年末時点で、VoIP加入者数が99.9%とほぼVoIP方式となっている。
1998年の電気通信市場の自由化以降も、スイスコムを中心とする市場の寡占傾向は続いている。2022年末の市場シェアはスイスコムが56.9%、サンライズ(Sunrise)が43.1%である。
移動電話の普及率は2007年に100%を超え、年々増加している。スイスコムのほか、リバティ・グローバル(Liberty Global)傘下のケーブル最大手UPCと合併したサンライズ、仏Iliad子会社ソルト(Salt.)の3社が一般向けのサービスを展開している。MVNOはM-Bodget(シェア30.2%)、Coop Mobile(シェア21.7%)、yallo(シェア18.9%)ほか30社以上が参入し、2017年6月のEUのRoaming Like Home(RLH)政策の影響もあり、2023年6月現在の市場シェアは12.3%である。
2019年2月には5G向け周波数オークションが実施され、既存3社が700MHz、1400MHz及び3500MHzを落札した。スイスコム及びサンライズは2019年4月、ソルトは2020年8月にサービスを開始した。
スイスコムは5G展開を促進し、2021年5月現在、スイスの人口の96%に5Gカバレッジを提供し、密集した都市のホットスポット、遠隔地の高山地域、主な輸送ルート全体で5Gを提供している。Saltは5G単独ではカバレッジを開示していないが、4G+以上であれば、750Mps、5G+であれば、1.7Gbpsが出るとしている。サンライズは2022年12月末時点で、1,132の自治体で5Gが利用可能としている。
事業者 | 事業開始年 | システム | 加入者シェア |
スイスコム | 1993年 | 3G、4G、5G | 56.0% |
サンライズ | 1998年 | 3G、4G、5G | 26.6% |
ソルト | 1999年 | 3G、4G、5G | 17.3% |
スイスのブロードバンド市場は移動電話と同様に安定しており、事業者間のシェアの変動も少ない。最大手であるスイスコムが市場自由化後も最大の市場シェア(2023年6月現在、スイスコム47.2%)を確保している。
スイスコムは2008年からFTTH網の構築に関して複数の公共企業体と契約を結び、2021年末現在、ブロードバンド契約のうち、24.4%がFTTHである。
スイスコムとサンライズがDSL網上でIPTVサービスを実施している。どちらも250チャンネル以上のIPTVパッケージを提供、VODサービスも実施している。
Swisscom
Tel. | +41 31 342 11 11 |
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URL | https://www.swisscom.ch/ |
幹部 | Christoph Aeschlimann (最高経営責任者/CEO) |
旧独占事業者スイス・テレコムが、「電気通信の企業に関する1997年4月30日の法律(RS784.11)」により株式会社化し、1998年1月1日に設立された。政府が51.2%の株式を所有している。2022年のグループ連結総売上高は、前年比0.6%減の約111億CHFであった。子会社にイタリアの固定通信事業者Fastwebがある。
固定・移動双方の市場で国内最大のシェアを有し、2023年12月末の加入者数は、固定電話(PSTNは廃止しVoIPのみ)約123万、移動電話約620万、ブロードバンド約200万であった。なお、2021年4月にGSMを停止し、2025年には3Gの運用停止予定である。
主要事業分野 | 事業者 | URL |
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移動体通信 | ソルト | https://www.salt.ch/ |
サンライズ | https://www.sunrise.ch/ | |
ケーブルテレビ | UPC (サンライズに吸収合併) |
https://www.upc.ch |
(通信/Ⅰ-1の項参照)
放送分野においては、放送事業免許付与、事業者の規制監督等を所掌している。また、民間ラジオ/テレビ局及び公共放送事業者のスイス放送協会(SRG SSR)に対し、免許発行手続及び免許付与条件で定められている義務の適用等において助言を提供する。
Independent Complaints Authority for Radio and Television
Tel. | +41 58 462 55 38 | URL | https://www.ubi.admin.ch/ |
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所在地 | Christoffelgasse 5, 3003 Bern, SWITZERLAND |
幹部 | Mascha Santschi Kallay(委員長/President) |
2002年設立。国立の独立審議機関として、国内の放送事業者によるテレビ及びラジオの放送番組内容や受信条件に関する苦情の審理を行う。
連邦による放送の所管、放送事業の使命及び放送の自主自律の保障等を定める。
1992年4月に施行。商業放送の導入及び広告放送規制を主として規定している。2006年3月に公共放送と商業放送の役割の違いを明確化し、商業広告放送の自由度を高める主旨の改正案が議会で可決され、2007年4月に施行された。
商業放送事業者にはOFCOMの付与する事業免許の取得が義務付けられている。また年間免許料をOFCOMに支払うこととされている。料金額は広告及びスポンサー収入の合計の最大1%に設定されている。料金は連邦議会が決定権を有する。徴収された免許料は、テレビ・ラジオ分野の研究事業、記録保存及び新技術の促進等の目的で使用される。
免許事業者は放送範囲の広さにより、言語圏/地方・ローカルに二分される。2022年末現在、SRG SSRが地上FMラジオ放送で11チャンネル、DAB+方式のデジタル放送(同時送信を含む)で17チャンネル(2023年1月までに完全移行予定)を放送している。このほか、FMラジオ放送を行っている商業局又は非営利局は全国で約40局ある。DAB+方式の商業ラジオは86チャンネルがあり、そのほかに、16都市で小規模DAB+方式の非営利・独立系ラジオが運営されている。FM放送は2024年末までに全国で修了し、DAB+方式に完全移行する計画である。
外資の参入は相互主義によってのみ認められる。
SRG SSRには、免許条件として、各言語圏全域(ドイツ語、フランス語、イタリア語番組は全国放送)での番組放送が義務付けられており、ローカル放送は禁じられている。SRG SSRは、主な収入源を受信料とすると定められているが、広告放送の実施は許可されている。
ラジオ及びテレビに関する受信機器を所有するスイス国籍の世帯又は法人はすべて、OFCOMに対して所有する受信機器を申告、その利用に対する税を支払う義務を有する。テレビ受像機を所有しない法人の場合、ブロードバンドに接続しテレビ番組の視聴が可能なPCがあれば、受信機器を所有しているとみなされる。
2014年9月、国民議会は受信料の徴収単位をテレビ・ラジオ受信機器から世帯・事業所とする改正案を採択、2019年1月に受信機の有無にかかわらず全世帯からの受信料を徴収する新制度(年額86CHFに減額)に移行した。新制度への移行までに経営合理化で1億CHFの経費削減したSRG SSRは、受け取った受信料の半分以上を報道番組の制作に使用し、娯楽番組の商業放送との差別化、若者向けコンテンツの作成、2年に一度の市民と討論会開催等が義務付けられている。なお、受信料は2021年1月に年額30CHFへ減額された。
宗教及び政治的見解の宣伝、アルコール飲料及びたばこの広告は禁止されている。医薬品の広告も「医薬品及び医療製品に関する法律」第31条及び第32条に規定された条件を満たすものだけが許可されている。広告放送の時間は番組放送時間の15%、1時間当たり12分を超えてはならないとされている。SRG SSRのラジオ事業における広告放送は禁じられている。プロダクト・プレースメントについては、番組の前後にスポンサー名と共にプロダクト・プレースメントの存在を通知することとされている。
スイスでは、文化政策の観点から、多様性を促進することを目的とした改正映画法、いわゆるネットフリックス法が2022年5月の国民投票で可決され、2024年1月から施行されている。同法の適用対象となる事業者は、既に同様の規制が課されているテレビ放送事業者に加え、スイス国内に拠点を置くか、海外に拠点を置くかに関わらず、スイス国内においてサービス提供を行うオンライン動画配信事業者のうち、長編映画作品を年間 12 本以上配信し、スイス国内の年間売上高が 250 万CHF(約4億円)を超える事業者が新たに規制の対象となる。
ネットフリックス法の主な内容は、スイス国内で提供されるオンライン動画配信サービスのコンテンツのうち30%以上を欧州(スイス製を含む)で製作されたものとするようクオータ制を義務づける「欧州作品義務」(映画法24条a)、これに加えて、当該事業者がスイス国内で得た収入の4%以上をスイスの映像産業に投資することを義務づける「4%投資義務」(同法24条b)によって構成されている。これにより、スイスの映像産業に、年間1,800万スイスフランの収入が見込まれている。
これらを内容とするネットフリックス法は、新たに制定される「欧州映画の割当とスイス映画製作への投資に関する施行規則」(以下「新たな施行規則」という。)によって規定されている。従来、同様の規制が「ラジオ・テレビに関する連邦法」(以下「放送法」という。)によってテレビ放送に課されてきたが、ネットフリックス法の施行後は、テレビ放送についても、放送法ではなく、ネットフリックス法において規定されることになる。
ネットフリックス法の適用対象となる作品は、テレビ放送については、これまで放送法に規定されてきたように、「製作者によって、ストーリーで構成され、ドキュメンタリー映画、長編映画、アニメーション映画等に分類されるもの」が対象となり、「生放送、録画、娯楽番組、トークショー等」は除外される(新たな施行規則第2条)。
一方、オンライン動画配信については、テレビ放送類似のリニア配信(配信事業者側の番組表に従って配信される視聴方法)と、オンデマンドでのノンリニア配信(視聴者が見たい時に視聴できる視聴方法)に分けて規定されている(新たな施行規則第3条)。リニア配信については、テレビ放送とともに、新たな施行規則において「テレビジョンサービス」として定義され、新たに規制が課されることになる(新たな施行規則第3条b項)。
また、ノンリニア配信については、ネットフリックスのように映画カタログを提供して配信するサービスを「オンデマンド・サービス」として規制の対象とすることとしている。ただし、オンライン動画配信の中でも、第三者(コンテンツ製作者)にプラットフォームを提供するのみで、自らはプラットフォームに配置するコンテンツを取捨選択しないオンライン動画配信(例:YouTube)は、映画カタログを提供しないサービスとしてネットフリックス法から適用除外される(新たな施行規則第3条c項)。
「欧州作品義務」によるクオータ制のうち、「スイス原産」の該当要件は、新たな施行規則第9条において、「スイスの著作権」、「映画の過半数の株式と、それに対応する割合のスイス従業員を有するスイスの製作会社」又は「スイスの映画技術会社の参加」と規定されており、一定の要件のもとで、国際共同製作番組も「スイス原産」の対象となり得るとされている。
SRG SSRが2005年から地域ごとにDVB-T方式による地上デジタルテレビ放送を開始、2008年2月25日に全国でアナログ放送を終了し、デジタル放送へと完全移行した。商業放送については、2009年末までに14社が免許を得ている。
デジタルラジオについては、1999年からSRG SSRがDAB方式で実施してきた。2006年にはドイツ語地域、2010年にはロマンシュ語地域の商業放送事業者への周波数割当に関する入札も実施され、9社がサービスを実施している。2012年10月、SRG SSRはデジタルラジオをDAB方式からDAB+方式へ移行した。
公共放送は、SRG SSRに属する各言語圏の事業者が実施している。2021年末現在、ドイツ語圏はSRFが6系統、フランス語圏はRTSが4系統、イタリア語圏はRSIが3系統、ロマンシュ語圏はRTRが1系統(毎夕数十分のみ)を提供している。
商業放送は、ローカルFM放送が中心で、聴取者の多い事業者には、Radio TOP、Radio Bern1等がある。
なお、SRG SSRは、2016年11月にすべての番組のDAB+方式への転換を完了した。また、商業放送局を含め2024年までにすべてのラジオ放送局をDAB+方式に統一し、FM放送を終了する予定である。
言語圏 | SRG SSR | その他 |
---|---|---|
ドイツ語 | 59% | 41% |
フランス語 | 60% | 40% |
イタリア語 | 73% | 27% |
公共放送はSRG SSRに属する各事業者が言語圏ごとに実施している。また、SRG SSR は、視聴世帯が少ないことから、2019年6月に地上放送を終了した。
言語圏 | SRG SSR | 商業放送 | 隣国放送局・その他 |
---|---|---|---|
ドイツ語 | 32% | 9% | 58% |
フランス語 | 29% | 2% | 69% |
イタリア語 | 33% | 3% | 66% |
商業放送は、受信料配分を受けない商業テレビと受信料配分のある州域放送事業者13局がケーブルテレビとIPTVで配信しているが、市場シェアは非常に小さく、いずれの地域でも隣国放送局・その他の視聴シェアが過半数を占めている。
衛星放送受信世帯は全体の15%程度である。公共放送SGR SSRが7系統を国内難視聴地域向けに衛星Eutelsat Hot Bird 8/9で同時放送している。受信には申告が必要とされる。SGR SSRはまた、一般向けに2012年2月からHDTVチャンネルを衛星で配信しており、2016年2月までに衛星で配信する7チャンネルのすべてをHD化した。
ケーブルテレビの世帯普及率は41%と高い。ケーブルテレビ事業者には、公共放送SRG SSRによる七つの地上放送チャンネル及び隣国の公共放送チャンネル(ARD、ORF eins、F2、Rai 1等)の同時送信が義務付けられている。
リバティ・グローバル傘下のサンライズ(旧UPCを含む。2022年6月現在、加入者123万)や23地域のケーブルテレビ連合のQuickline(2022年6月現在、加入者35万)等が大手であるが、全国では300社以上がある。
スイスコム等が提供しており、世帯普及率は47%である。なお、動画配信サービスは、各放送事業者が同時配信と見逃し配信を行っている。
Swiss Broadcasting Corporation
Tel. | +41 31 350 91 11 |
---|---|
URL | https://www.srgssr.ch/ |
幹部 | Jean-Michel Cina会長/Chairman) |
1931年設立の公共放送機関で、四つの言語圏ごとに、それぞれの言語で「スイス・ラジオ・テレビ会社」を運営するほか、外国在住者向けのインターネット放送「Swiss Info」を実施している。
2022年の総収入は約15億4,878万CHFで、前年に続き赤字(154万CHF)であった。
主要事業分野 | 事業者 | URL |
---|---|---|
ケーブルテレビ | UPC(サンライズに吸収合併) | https://www.upc.ch |
Quickline | https://quickline.ch | |
IPTV | スイスコム | https://www.swisscom.ch/ |
サンライズ | https://www.sunrise.ch/ |
(通信/Ⅰ-1の項参照)
無線通信監督・免許部及び周波数管理部において周波数の計画、割当て、管理並びに無線通信事業者への免許業務を所掌する。放送分野においても、連邦内閣からの授権に基づき、放送用周波数の割当てを所掌する。
(通信/Ⅰ-2の項参照)
周波数を利用する事業者に対する免許の付与(ただし同権限は可能な限りOFCOMに委譲)、周波数割当計画の承認を所掌する。
Swiss Association for Standardization
Tel. | +41 52 224 54 54 |
---|---|
URL | https://www.snv.ch/ |
所在地 | Sulzerallee 70, CH-8404, Winterthur, SWITZERLAND |
幹部 | Adrian Altenburger(会長/Chairman) |
1994年設立。産業界からの要請に応じて国際標準の紹介、国内標準の作成及び販売を実施する。
「周波数の管理及び無線通信免許に関する政令(SR 784.102.1)」の第3条により、周波数帯域の使用に関する全体的な方針を定める周波数分配計画(National Frequency Allocation Plan)は、OFCOMが作成し、連邦内閣(Federal Council)が承認する。
ComComは2019年2月に5G向けマルチ周波数オークションで三つの周波数帯を既存3社に与え、落札総額の約3億8,000万CHFの収入を得た。なお、オークションはOFCOMにより実施され、収入は連邦財務省に帰属する。
オークションへの参加を申請したのは、Dense Air、ソルト、サンライズ、スイスコムの4社で、すべての応募者が承認され、オークションに参加した。Dense Airが最終的に周波数の購入を断念した一方で、既存3社はそれぞれ15年の新しい周波数免許を取得した。2600MHz帯域及び700及び1400MHz範囲の5MHzの五つの周波数ブロックは不落となった。
周波数帯 | ソルト | サンライズ | スイスコム | 落札なし |
---|---|---|---|---|
700MHz FDD | 20MHz | 10MHz | 30MHz | ― |
700MHz SDL | ― | 10MHz | ― | 15MHz |
1400MHz SDL | 10MHz | 15MHz | 50MHz | 15MHz |
2600MHz TDD | ― | ― | ― | ― |
3.5-3.8GHz TDD | 80MHz | 100MHz | 120MHz | ― |
落札額(CHF) | 94,500,625 | 89,238,101 | 195,554,002 | ― |
出所:ComCom資料(https://www.bakom.admin.ch/)
周波数利用に際しては、その適用分野を明示し、監督機関の定める技術的条件を満たしたうえで、個別免許を取得する必要がある。公衆電気通信サービスの分野で、複数の事業者が同一の帯域の利用を希望した場合は公開入札が実施される。
周波数免許を取得した事業者は、OFCOMに利用料を支払う。利用料の額は、割り当てられた帯域幅、カバーする地域の広さ及びサービスの提供期間の予定に応じ、OFCOMが免許付与時に決定する。
0-300GHzの公衆ばく露の電磁界規制として「非電離放射防護政令(Ordinance relating to Protection from Non-Ionising Radiation)」が2000年から施行されている。送電関係設備、移動電話基地局、放送局等の常設設備(移動電話端末、電子調理器、医療装置、軍事設備等を除く)が対象で、以下の二つが規定されている。
また、移動電話端末の比吸収率(SAR)について、国内の法的規定はないが、ICNIRPガイドラインに準拠している。
OFCOMによる周波数分配は、ITU及びCEPTの定める国際基準に基づいて無線規制(SR 784.403.1)に基づき、国内の事業者間はもとより、国際的な干渉の排除が最優先されている。
https://www.fedlex.admin.ch/filestore/fedlex.data.admin.ch/eli/fgae/2022/4/de/pdf-a/fedlex-data-admin-ch-eli-fgae-2022-4-de-pdf-a.pdf