ツバル(Tuvalu)
通信
Ⅰ 監督機関等
運輸・エネルギー・通信・イノベーション省
Ministry of Transport, Energy, Communication and Innovation
| Tel. | + 688 20055 |
|---|---|
| URL | https://ict.gov.tv/ |
| 所在地 | Vaiaku side Fongafale, TUVALU |
| 幹部 | Simon Kofe(大臣/Minister) |
所掌事務
ツバルの通信行政は、運輸・エネルギー・通信・イノベーション省傘下の情報通信技術部(Department of Information Communication and Technology)が所掌している。国営の独占事業者であるツバル電気通信公社(Tuvalu Telecommunications Corporation:TTC)の事業を、設立根拠法に基づき監視することが主な業務である。
Ⅱ 法令
ツバル電気通信公社法(Tuvalu Telecommunications Corporations Act)
1994年2月に施行、2022年に改正されている。国営独占事業者TTCの設立根拠法であり、また、相互接続、周波数免許、電話番号付与、基準認証、サービス品質監視等について規定されている。2008年より、補完法令として「電話規制(Telephone Regulations)」「電気通信(無線)規制(Telecommunications (Radio) Regulations)」が存在する。
Ⅲ 政策動向
1 免許制度
「ツバル電気通信公社法」第6条1項には、同法に基づきTTCがツバル国内で電気通信システムを構築しサービスを提供する権限を有すると規定されている。よって、TTC自体は法定事業者であり、免許事業者ではない。
2 競争促進政策
市場自由化
2012年の改正で「ツバル電気通信公社法」に追加された第6条2項では、大臣がTTC以外の事業者に対して免許を交付することができると規定され、電気通信市場への競争事業者の参入が可能となった。
3 ICT政策
(1)国際支援
2016年4月、世界銀行からの総額1,000万USDの資金援助により、電気通信及びICTサービスへのアクセス改善を目指す「持続可能な開発のための国家戦略―2016~2020年(National Strategy for Sustainable Development-2016 to 2020、通称TK III)が開始された。
更に、2019年1月には「ツバル電気通信ICT開発プロジェクト(Tuvalu Telecommunications and ICT Development Project)」として、ツバルと世界銀行の新たな協力が開始された。この新たなプロジェクトでは、官民パートナーシップ(PPP)モデルを活用し、世界銀行から2,900万USDの資金援助が提供され、接続性の向上とサービスの信頼性強化が図られる。また、同プロジェクトでは、将来的により高速で低コストのインターネット帯域幅を提供するための国際光ファイバ海底ケーブルへの投資が推進されることとなる。
(2)海底ケーブルプロジェクト
TTCは2024年12月、オーストラリア政府の「太平洋諸島地域のためのオーストラリア・インフラ融資ファシリティ(AIFFP)」と共同で「ツバル・ヴァカ海底ケーブル(TVC)プロジェクト」の陸揚げを完了、2025年10月に運用を開始した。
本プロジェクトの総額は5,600万USDで、ツバル政府、TTC、グーグル(Google)が参画し、オーストラリア、日本、ニュージーランド、台湾、米国の各政府が資金支援を行っている。
海底ケーブルの敷設により、ツバル国内の人々や企業は、高速で信頼性の高いインターネット接続を利用可能となり、教育、医療、公共サービスや経済活動における活用が期待されている。
Ⅳ 関連技術の動向
基準認証制度
「ツバル電気通信公社法」第38条2項(g)が、運輸・エネルギー・通信・イノベーション省は「本法の下で認可された任意の電気通信システムに接続するための無線通信局及び機器に関する承認の発行、変更及び取消し」に関する規制を制定することができると定めている。
Ⅴ 事業の現状
1 固定電話
TTCが国内唯一の固定電話提供事業者である。「ツバル電気通信公社法」の2012年改正により、TTC以外の事業者が市場に参入することが、法令上は可能となったが、ツバルではこれまでTTC以外の固定電話事業者が存在したことはない。
PSTN回線による通話が大部分ではあるが、2022年以降、IP電話への移行が見られるようになった。
2 移動体通信
TTCが国内唯一の移動体通信事業者である。「ツバル電気通信公社法」の2012年改正により、TTC以外の事業者が市場に参入することが、法令上は可能となったが、ツバルではこれまでTTC以外の移動体通信事業者が存在したことはない。
TTCは2024年9月現在、3G(900MHz帯)及び4Gサービス(1.8GHz帯)を提供している。2Gサービスは2009年11月に終了している。
3 インターネット
TTCが国内唯一の固定ブロードバンド提供事業者である。「ツバル電気通信公社法」の2012年改正により、TTC以外の事業者が市場に参入することが、法令上は可能となったが、ツバルではこれまでTTC以外の電気通信事業者が存在したことがなかった。しかし、2025年1月に米国のスターリンク(Starlink)が自社の低軌道衛星による固定ブロードバンドの提供を開始、TTC以外の初の通信事業者となった。
なお、TTCはDSL、固定無線アクセス(LTEを使用)、衛星接続の3種類のサービスを提供している。衛星接続の提供元として、2014年6月にKacific、2015年4月にABS、2022年5月にユーテルサット(Eutelsat)との提携を開始している。
Ⅵ 運営体
ツバル電気通信公社(TTC)
Tuvalu Telecommunications Corporation
| Tel. | +688 20005 |
|---|---|
| URL | https://www.tuvalutelecom.tv/ |
| 所在地 | Vaiaku, Funafuti, TUVALU |
| 幹部 | Tenanoia Simona(最高経営責任者/CEO) |
概要
1993年に国営の法定独占事業者として設立された。「ツバル電気通信公社法」の2012年改正により法令上は独占が解消されたが、2024年末まで国内唯一の電気通信事業者であった。固定電話、移動体通信の独占事業者であり、ツバル国内の島間通信は主としてTTCの衛星通信アンテナを経由している。
放送
Ⅰ 監督機関等
運輸・エネルギー・通信・イノベーション省
(通信/Ⅰの項参照)
Ⅱ 法令
1 公共放送法(Public Broadcasting Act)
2015年1月に施行。公共放送であるツバル放送公社(Tuvalu Broadcasting Corporation:TVBC)の設立根拠法であり、同社の事業内容、組織形態、資金調達等に関して規定している。
2 テレビジョン免許規制(Television Licence Regulations)
「ツバル電気通信公社法」の補完規制令として発行した。テレビ放送免許について規定している。
Ⅲ 政策動向
免許制度
「ツバル電気通信公社法」においては「電気通信システム」が、銅線や光ファイバ、衛星等の伝送の手段を問わず、「音声・音楽等の音源」や「視覚的イメージ」を伝送するシステムにも該当し、放送サービスも電気通信サービスに含まれる。免許権限は、「ツバル電気通信公社法」の補完規制令である「テレビジョン免許規制」に基づきTTCに与えられている。
「テレビジョン免許規制」第4条では「商用免許(Commercial Licence)」「非商用免許(Non Commercial Licence)」「一時仮免許(Temporary Provisional Licence)」の3種類が定義されている。免許期間は各年1月1日から12月31日までの1年間である。
「公共放送法」第17条は、TVBCに対して、最低でも五つの国際無料地上テレビ放送のチャンネルと二つの無料地上公共ラジオ放送のチャンネルを放送すると規定しているが、これらは法定事業であって免許事業ではない。ただし、TVBCがこれら以外のチャンネルで(商用、非商用問わず)放送を実施する場合には、上記の「テレビジョン免許規則」に従い免許を取得することが必要となる。
Ⅳ 事業の現状
1 ラジオ
TVBCが英語及びツバル語で2系統のFMラジオ放送を実施している。
2 テレビ
ツバルには地上テレビ放送は存在していない。
3 衛星放送
フィジーの電気通信事業者ディジセル(Digicel)の衛星放送子会社スカイ・パシフィック(Sky Pacific)の各チャンネルが直接受信で視聴可能となっている。スカイ・パシフィックの契約窓口及び衛星アンテナ等の機器販売はTTCが実施している。
Ⅴ 運営体
ツバル放送公社(TVBC)
Tuvalu Broadcasting Corporation
| 所在地 | Vaiaku, Funafuti, Tuvalu |
|---|
概要
2015年の「公共放送法」の施行とともに設立された公共放送事業者である。公共放送として「放送実践規範(Code of Broadcasting Practice)」に従った放送を実施し、議会に対する説明責任を有する事業体である。財源は主に政府補助金と広告収入である。
電波
Ⅰ 監督機関等
運輸・エネルギー・通信・イノベーション省
(通信/Ⅰの項参照)
Ⅱ 電波監理政策の動向
電波監理政策の概要
「ツバル電気通信公社法」の補完規制令「電気通信(無線)規制」第3条が、以下の無線局免許を指定している。免許期間は総じて1年間である。
- 航空無線局免許(Aircraft Station Licence)
- 船舶無線局免許(Ship Station Licence)
- アマチュア無線局免許(Amateur Station Licence)
- 市民無線局免許(Citizen Station Licence(国内において個人的な目的かつ無償で使用する無線局))
- 緊急無線局免許(Emergency Station Licence)
- その他無線局免許(Miscellaneous Station Licence)
また、同規則第7条は、すべての無線局は、国際的に承認された技術標準及び周波数割当に従ってのみ、運用されると規定している。