アラブ首長国連邦(United Arab Emirates)

通信

Ⅰ 監督機関等

電気通信規制局(TRA)

Telecommunications Regulatory Authority

Tel. +971 4 7774049
Fax +971 2 777 2229
URL https://www.tra.gov.ae/
所在地 P.O.Box: 26662, Abu Dhabi, UNITED ARAB EMIRATES
幹部 Hamad Obaid Al Mansoori(Director General/局長)
所掌事務

「2003年第3号令による連邦法(Federal Law by Decree No.3 of 2003、通称:電気通信法)」により、規制機関である電気通信規制局(Telecommunications Regulatory Authority:TRA)が2004年に設置された。同法及び各種政令、電気通信政策に基づいて、市場競争の確保、国内通信基盤への平等なアクセス、資源の最適利用のための規制監督を行う。

Ⅱ 法令

2003年第3号令による連邦法(Federal Law by Decree No.3 of 2003

規制機関の設置、免許、通信網、機器、番号、周波数管理等について規定している。

Ⅲ 政策動向

1 免許制度

免許の交付については、規制機関が審査を行うが、UAEの最高評議会の電気通信部門(Supreme Committee for the Supervision of the Telecommunications Sector:SCSTS)が決定権限を有している。「免許付与のフレームワークに関する2008年の決議6号(Resolution No.(6)of 2008 regarding the Licensing Framework)」によれば、電気通信免許は電波・番号等の希少資源を扱う「個別免許」とそれ以外の電気通信サービスにかかわる「クラス免許」に区分されており、ともに有効期間は10年である。そのほかUAEでは、フリーゾーンを除き、電気通信事業に関する外資規制は49%に制限されている。

2 競争促進政策

(1)相互接続

電気通信法第5章第1部「ネットワークの相互接続と機器の共有(38~41条)」で規定されており、TRAが規制・紛争処理の権限を持っている。Etisalatとその子会社は、すべての免許事業者に対する接続義務を負う。

EtisalatとEITC(ブランド名:Du)による固定通信網共有の完全実施と商用サービスは2015年10月に開始したが、当時の両社の相互接続契約には有料テレビ放送サービスは含まれていなかった。同サービスが契約に含まれるようになったのは2018年2月以降である。

(2)卸売提供制度とMVNO促進政策

TRAは2012年11月にMVNO制度を導入する予定がないことを明言しており、2018年2月現在、状況に変わりはない 。2017年9月には英国を拠点とするVirgin Mobileブランドでの移動体通信サービスが開始されているが、これはMNOであるEITCが、メインブランドのDuとは別に、サブブランドとして展開している移動体通信サービスであるため、MVNOサービスには該当しない。

(3)番号ポータビリティ

移動電話の番号ポータビリティ(Mobile Number Portability:MNP)導入計画は2009年10月にTRAによって承認された。実際の導入は技術的問題を理由に度々見送られてきたが、最終的に、EtisalatとDuの間で2013年12月に開始された。

(4)フリーゾーン

ドバイ・メディア・シティ(Dubai Media City:DMC)やドバイ・スタジオ・シティ(Dubai Studio City:DSC)といったフリーゾーンが存在している。フリーゾーンでは100%外資企業の受入れ、50年間の法人税・所得税の免除、関税の免除、シティで働く外国人労働者のビザ要件緩和などの利便が与えられるため、世界的な電気通信事業者や放送局が拠点を構える、中東地域における主なメディア産業集積地となっている。

3 情報通信基盤整備政策

(1)ユニバーサル・サービス

都市部と条件不利地域との間で同じ品質の電気通信サービスが提供されていない懸念があるとして、TRAは2017年12月に「UAEにおける電気通信サービスの普遍的提供を促進するための規制政策(Regulatory Policy, Promoting the Universal Provision of telecommunications services in the UAE, Version 1.0)」を発表し、ユニバーサル・サービス政策の導入と実施のためのビジョンや理論的根拠、政策枠組、今後の課題について明らかにした。

ユニバーサル・サービスに含まれるのは、緊急通報を含む音声サービス、テレビ放送サービス、10Mbps以上の高速データ通信サービスの三つで、全国均一価格で提供されなければならない。ユニバーサル・サービス提供事業者は、既存電気通信事業者のネットワークやカバレッジ地域を考慮して、今後選定される。また、ユニバーサル・サービスの財源も今後検討される予定だが、現時点においては、ユニバーサル・サービス提供事業者による負担、電気通信業界全体での負担、政府交付金での負担という三つの選択肢が挙がっている。

(2)5G

UAEにおける5G実現に向けたイニシアチブ「UAE 5G運営委員会(UAE 5G Steering Committee)」がTRAによって2016年に立ち上がった。同運営委員会の下には、周波数委員会(Spectrum Committee)、特別委員会(Vertical Committee)、ネットワーク委員会(Networks Committee)という、電気通信事業者やメーカー、学者、ユーザ等によって構成される三つの下部組織があり、これらの委員会の連携を通して、5G展開に向けた取り組みが実施されている。最終的には、商用5Gサービスの実現によって、世界銀行のオンラインサービス・インデックス(OSI)で世界第1位になることや、世界経済フォーラムのネットワーク準備指標(NRI)で上位10位に入ることが目指されている。

4 ICT政策

(1)AI

「UAE 人工知能(AI)戦略(UAE Strategy for Artificial Intelligence)」が2017年10月に発表された。同戦略は、建国100周年に向けて発表された政府長期計画「UAE100周年プラン2071(UAE Centennial Plan 2071)」で掲げられた目標を達成するための最初の大規模投資事業で、以下の分野においてAIを活用していく計画である。

(2)電子政府

政府は2013年5月から市民に対してモバイル端末経由の公共サービスを24時間体制で提供する「モバイル政府イニシアチブ(Mobile Government initiative)」を実施している。TRAが行政機関を2年間で電子政府(eGovernment)からモバイル政府(mGovernment)へと転換させるためのガイドラインやロードマップを発表したこともあり、2015年5月時点で転換の96.3%が達成された。2015年から2017年にかけては、同イニシアチブをより一層発展させるための「モバイル政府イニシアチブのための国家支援計画(National Plan to Support Mobile Government Initiative)」 も実施された。イニシアチブと国家支援計画の内容はともに、2010年に発表された発展計画「UAE ビジョン2021(UAE Vision 2021)」に基づいて策定されたものである。

Ⅳ 関連技術の動向

基準認証制度

電気通信法である2003年第3号令の第42条に基づき、UAE国内で使用される無線及び電気通信機器にはTRAによる型式認定(Type Approval)が必要とされる。認証は試験機関による試験結果と文書による適合宣言(declaration of conformity)を基礎としている。なお、基準認証制度は欧州連合(European Union:EU)の制度に準じている。

Ⅴ 事業の現状

1 固定電話

1976年以来、Etisalatが市場を独占していたが、2007年7月に財閥系のDuがサービスを開始し、競争市場となった。しかし依然として、Etisalatが市場シェアの大半を占めている。

VoIPについては、TRAが2013年4月に、EtisalatとDuによる同サービスの提供を許可した。両社が第三者と契約してサービスを提供する場合には、TRAの技術的及び法的要件を満たしたうえでTRAの事前承認を得なければならない。

2 移動体通信

1994年にEtisalatがサービスを開始し、2007年2月にDuが市場に参入した。

LTEサービスは、Etisalatが2011年12月に、Duが2012年6月に商用サービスを開始した。LTE-Advancedのサービスは、Etisalatが2014年10月に、Duが2015年3月に開始した。また、2016年7月には、EtisalatがVoLTEサービスを開始している。2018年6月現在のLTE加入数は、Etisalatが約340万、Duが約210万である。

Etisalat及びDuは2016年10月から5G技術のトライアルを実施しており、2020年にドバイで開催される万博に向けて商用サービスの開始を目指している。

3 インターネット

固定通信網の共有開始まで、Etisalatが国家全域を対象に、Duがドバイのフリーゾーンを中心にサービスを提供してきた。2009年にEtisalatがFTTHサービスの提供を開始してからは高速化が急速に進み、現在ではFTTxがDSLの加入数を大きく上回っている。

4 IPTVサービス

IPTVサービスはEtisalatとDuの双方が提供している。2018年10月現在、Etisalatの「eLife」では、約1,000チャンネルが視聴可能で、130のHDチャンネルがあるほか、ビデオ・オン・デマンド(VOD)も利用できる。Duは200チャンネル以上が視聴可能な「Du TV」を提供している。

Ⅵ 運営体

1 Etisalat

Tel. +971 2 628 3333
Fax +971 2 631 7000
URL https://www.etisalat.ae/
所在地 Intersection of Zayed The 1st Street and Sheikh Rashid Bin Saeed Al Maktoum Street, Abu Dhabi, UNITED ARAB EMIRATES
幹部 Saleh Al Abdooli(CEO/最高経営責任者)
概要

1976年に設立され、当時は市場規制機関としての機能も担っていたが、「1991年連邦法(Federal Act No.1 of 1991)」により公共電気通信の管理・運営・開発を排他的に担うことが規定され、EITCが事業を開始する2007年2月までは独占的電気通信事業者であった。

現在、UAEが60%の株式を所有している。また、純利益の50%をロイヤリティとして財務省に支払っていたがロイヤリティの引下げを政府に訴え、2017年は純利益の30%と収益の15%のロイヤリティを支払っている。2015年9月に外資規制に関する新規則が承認され、外国資本による株式所有が可能となった。上限は20%に設定されている。

2 Emirates Integrated Telecommunications Company(EITC)

Tel. +971 4 360 0000
URL https://www.du.ae/
所在地 Al Salam Tower, Dubai Media City, Dubai, UNITED ARAB EMIRATES
幹部 Osman Sultan(CEO/最高経営責任者)
概要

ブランド名はDu。2005年に設立を発表したUAE第2の電気通信事業者である。2006年に有効期限20年の電気通信関連事業免許(固定、無線、国際サービス)が与えられ、2007年2月に移動体通信事業、同年7月に固定通信事業を開始した。近年は外国人労働者やフリーゾーンを中心に加入者数を増加させている。

株式の39.5%は政府系ファンドが所有し、エミレーツ通信技術会社とムバダラ開発公社が19.5%ずつ所有している。新規事業者としてロイヤリティの支払いを免除されていたが、2017年は収益の29.59%をロイヤリティとして支払うことが決定された。

放送

Ⅰ 監督機関等

国家メディア評議会(NMC)

National Media Council

Tel. +971 2 445 0480
URL http://nmc.gov.ae/
所在地 Al Nahyan, Al Muroor Street, behind Abu Dhabi National Bank, Near Mubadala, Abu Dhabi, UNITED ARAB EMIRATES
幹部 Sultan Al Jaber (Chairman/会長)
所掌事務

情報文化省が2006年に廃止され、国家メディア評議会(National Media Council:NMC)が設置された。情報文化省の管轄下にあったメディア関連の権限と責任はすべてNMCに委譲された。

NMCとTRAは2013年7月以降、両機関に関連する分野において協力して業務に取り組んでいる。具体的には、ラジオ及びテレビ放送用ライセンス発行に関連する技術的及び法的な規則を策定し、調整枠組を設けているが、これは、TRAが所管する周波数を使用し、NMCの規制範囲に含まれるメディアのライセンス及びコンテンツに関連する領域を対象とする。

Ⅱ 法令

1980年メディア法

1980年代に制定されたが、表現の自由や人権保護における問題から見直しが検討され、2007年から新メディア法の法案が審議された。新メディア法案は2009年1月に連邦評議会で可決され、大統領の署名により発行できる状態にあるが、罰金が巨額で反対が強く、棚上げされている。

Ⅲ 政策動向

1 コンテンツ規制

憲法30条で言論・表現の自由を保障しているが、法律の範囲内としている。

2 デジタル放送

デジタル放送への切替えは2014年7月末に完了した。

Ⅳ 事業の現状

1 ラジオ

主な放送局として、DMCを拠点に九つのチャンネルで多言語放送を実施しているアラビアン・ラジオ・ネットワーク(Arabian Radio Network:ARN)、アブダビ政府出資のアブダビ・メディア会社(Abu Dhabi Media:ADM)によるアラビア語の総合FM放送であるアブダビ・ラジオ(Abu Dhabi Radio)、ドバイを拠点にヒンディー語、ウルドゥー語、英語で放送を行うHUM FM等がある。2014年には、中東初の子ども向けラジオ番組としてパールFM(Pearl FM)が開局した。UAEの人口の80%がインドやパキスタン、アフリカ等からの労働者であるため、そうした外国人向けの放送も盛んである。

2 テレビ

地上放送を行っている放送局としては、ADMの看板チャンネルであるアブダビTV(Abu Dhabi TV)、ドバイ・メディア公社(Dubai Media Incorporated:DMI)の看板チャンネルであるドバイTV(Dubai TV)、シャルジャ首長国のシャルジャTV(Sharjah TV)、アジュマン首長国のアジュマンTV(Ajman TV)が挙げられる。

3 衛星放送

各首長国政府が有するテレビ局が衛星でも放送を行っている。このほかに、1991年に開局した中東初の本格的衛星放送局でサウジアラビア資本のMiddle East Broadcasting Center(MBC)のほか、MBC傘下のニュース局であるアルアラビーヤ(Al-Arabiya)、英国スカイとアブダビの投資会社との共同事業体であるスカイ・ニュース・アラビア(Sky News Arabia)、米国CNBCのアラビア語経済チャンネルとして開局したCNBCアラビア(CNBC Arabia)等が汎アラブ衛星チャンネルとして放送を行っている。

Ⅴ 運営体

1 アブダビTV

Abu Dhabi TV

Tel. +971 2 414 4000
Fax +971 2 414 4001
URL https://www.abudhabitv.ae/
幹部 Abdul Rahman Awadh Al Harthi(Exectutive Director/局長)
概要

1969年に創業し、アブダビ政府出資のADMの傘下にある。総合放送のほか、スポーツ、アブダビ首長国内向け、ドラマ等のチャンネルもある。スポーツでは、イギリス・プレミアリーグやF1の放送権を有する。2016年には、ドラマ「母国への裏切り」が視聴シェア72%を記録し、国内トップとなった。

2 ドバイTV

Dubai TV

Tel. +971 4 336 9999
Fax +971 4 336 0060
URL http://www.dubaitv.ae/
幹部 Maktoum Bin Mohammed Bin Rashid Al Maktoum(Chairman/会長)
概要

1972年にエミレーツ・ドバイTV(Emirate Dubai TV)として開局し、2004年からはドバイ政府のDMI傘下のチャンネルとなった。衛星でも放送している。

電波

Ⅰ 監督機関等

1 電気通信規制局(TRA)

(通信/Ⅰの項参照)

所掌事務

TRAは、電波監理業務を所管し、周波数分配案の策定、割当て、周波数利用許可、技術基準の策定、基準認証、電波利用料の設定、電波監視、国際的な周波数調整等を実施する。

2 標準化機関

首長国規格・計量協会(ESMA)

Emirates Authority for Standardization and Metrology

Tel. +971 2 403 2700
Fax +971 2 671 5999
URL http://www.esma.gov.ae/
所在地 Business Avenue Building - Sheikh Rashid Rd - Dubai, UNITED ARAB EMIRATES
幹部 Abdullah Al Maeeni(理事長/Director-General)
所掌事務

2001年の「連邦法令28号」によって設立された。国家標準規格の策定と維持、及び認証機関の認定を行うとともに、消費者啓蒙活動も実施する。

Ⅱ 電波監理政策の動向

1 電波監理政策の概要

電気通信法である2003年第3号令の第48条は、TRAが無線周波数の配分、分配、停止を所管し、周波数の分配に際しては、国家周波数計画に従うことを規定している。また、同法46条は、国家周波数分配計画(National Frequency Plan:NFP)が、調整委員会(Coordinate Committee)によって、国際的な周波数配分を考慮して立案され、電気通信分野の最高評議会で承認されることを定めている。同委員会は内務省、国軍、治安維持機関、及びTRA等の代表者で構成される。NFPは放送用周波数の分配を含む。

なお、2008年に公表された「無線通信政策(Radiocommunications Policy)」第4項では、TRAの電波管理業務は、以下のとおり規定されている。

2 周波数政策

TRAはNFPに対する修正及び追加の意見を調整委員会に提出することができる。また、TRAはNFPに従って、詳細な分配計画を立案し、周波数の割当てを行う。

2009年12月にUAEはテレビ放送のデジタル転換の方針を決定した。これによって生じる跡地周波数の中で、移動体通信には790-862MHzを分配し、アナログテレビの全停波に先立ち、2012年中にこの周波数帯でのアナログ放送を中止すると決定した。

TRAは2013年5月に700MHz帯及び800MHz帯周波数の開放にかかわる方針「Channel Planning & Availability for Mobile Broadband in the UAE」を発表した。欧州・中東・アフリカ(EMEA)地域における800MHz周波数帯計画とアジア・太平洋電気通信共同体(Asia Pacific Telecommunity:APT)における700MHz帯の共通バンドAPT700のうち下位の帯域(30MHz×2)を組み合わせて開放することで、より充実したモバイル・ブロードバンド接続を確立すると発表した。TRAの計画によると、800MHz帯ではEMEA地域で使用されている帯域との調和を図り、700MHz帯ではAPTとの調和を図っていくとしている。このうち、700MHz帯についてはAPT700の帯域(703-748/758-803MHz)のうち、下位の30MHz(ペアド)をブロードバンドに割り当て、残りの帯域のうち10MHz(ペアド)を公安・災害復旧(Public Protection and Disaster Relief:PPDR)に活用することを検討している。更に、5MHzを割り当てることも検討されている。

TRAの周波数分配計画のおけるLTE用に割当可能な周波数帯域は下表のとおりである。

LTE用割当可能周波数
周波数帯 帯域 割当可能帯域幅
FDD用 TDD用
700MHz 694-791MHz 30MHz×2(及びPPD用:10MHz) 5MHz
800MHz 791-862MHz 30MHz×2
900MHz 880-960MHz 35MHz×2
1800MHz 1710-1880MHz 75MHz×2
2100MHz 1920-2170MHz 60MHz×2
2300MHz 2300-2400MHz 30MHz×2 40MHz
2.6GHz 2500-2690MHz 70MHz×2 50MHz
3.6GHz 3400-3600MHz 100MHz×2 200MHz

出所:Channel Planning & Availability for Mobile Broadband in the UAE

5Gには、3.3-3.8GHz帯からEtisalatとDuに100MHz幅ずつ割り当てられている。そのほか、1427-1518MHz 、24.25-27.5GHz、40GHz帯超を5Gに割り当てることを検討している。

3 無線局免許制度

UAEの無線局免許には、「個別免許」と「クラス免許」の二つがある。前者は周波数の稀少性や管理の必要性が高い場合に適用され、その他の場合には後者が付与される。

個別免許の対象となる無線局種類は以下のとおりである。

規制当局の審査を経て付与された免許の期間は10年間であるが、無線局の運用に当たっては、免許以外に1年間有効な周波数利用許可をTRAに申請して取得しなければならない。その周波数が4か月以上利用されない場合にはTRAは利用許可を取り消すことができる。

クラス免許の対象には、短距離無線機器(Short Range Device:SRD)や低出力無線機器のほか、産業・科学・医療(ISM)帯を使うデバイスなどがある。その他、Wi-Fi、Bluetooth等もクラス免許の対象である。免許の期間は10年間である。

4 免許不要局

室内でのWi-Fi機器(2.4及び5GHz帯)は免許不要で利用できる。ただし、屋外でのWi-Fi機器の利用にはTRAの周波数利用許可が必要とされる。

5 電波の安全性に関する基準

電磁界へのばく露に関する人体への制限値は、TRAの所管とされており、2010年に発表された「電気通信網に関する非電離放射線制限」(Non-Ionizing Radiation Limits for Telecommunication Networks)では、国際非電離放射線防護委員会(International Commission on Non-Ionizing Radiation Protection:ICNIRP)の「時間変化する電界、磁界及び電磁界によるばく露を制限するためのガイドライン(300GHzまで)」(Guideline for Limiting Exposure to Time-varying Electric, Magnetic, and Electromagnetic Fields(up to 300GHz))(1998年)に準拠している。

6 電波利用料

TRAが発行する周波数利用許可の有効期間は1年間であり、新規申請及び更新時に、500AEDの申請手数料に加えて電波利用料をTRAに支払わなければならない。利用料額はサービスの種別に応じて計算式が定められている。例えば、セルラーサービスの場合、同サービス用周波数に設定された基本価格に、帯域、割当幅、カバレッジを勘案した係数を乗じて料額を算定する。アマチュア無線や航空機無線端末など一部は定額である。また、出力100mW以下の短距離無線機器(SRD)や250mW以下のコードレスフォン等は電波利用料が免除される。

Ⅲ 周波数分配状況

2005年に国家周波数計画及び国家周波数分配表を策定しており、これらに基づいて周波数分配を決定している。