Telecommunications and Digital Regulatory Authority
Tel. | +971 4 7774049 |
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URL | https://tdra.gov.ae/ |
所在地 | P.O.Box: 26662, Abu Dhabi, UNITED ARAB EMIRATES |
幹部 | Hamad Obaid Al Mansoori(Director General/総裁) |
「2003年第3号令による連邦法(Federal Law by Decree No.3 of 2003)」に基づき2004年に規制機関として電気通信規制局(Telecommunications Regulatory Authority:TRA)が設置され、2021年に電気通信・デジタル規制局(Telecommunications and Digital Regulatory Authority:TDRA)に改称した。市場競争の確保、国内電気通信基盤への平等なアクセス、資源の最適利用のための規制監督を行う。
2003年第3号令による連邦法(Federal Law by Decree No.3 of 2003)
規制機関の設置、免許、電気通信網、機器、番号、周波数管理等について規定している。
免許の交付については、規制機関が審査を行うが、UAEの最高評議会の電気通信部門(Supreme Committee for the Supervision of the Telecommunications Sector:SCSTS)が決定権限を有している。「免許付与のフレームワークに関する2008年の決議6号(Resolution No.(6)of 2008 regarding the Licensing Framework)」によれば、電気通信免許は電波・番号等の希少資源を扱う「個別免許」とそれ以外の電気通信サービスにかかわる「クラス免許」に区分されており、ともに有効期間は10年である。
外国資本による株式所有は2015年9月から可能となり、上限は20%と定められた。しかし、Emirates Integrated Telecommunications Company(EITC、ブランド名:Du)とEtisalatは2021年1月に外資制限緩和計画を発表し、法改正を経て、EITCは2月に、Etisalatは9月に上限を49%に引き上げた。
「2003年第3号令による連邦法」第5章第1部「ネットワークの相互接続と機器の共有(38~41条)」で規定されており、TDRAが規制・紛争処理の権限を持つ。Etisalatとその子会社は、すべての免許事業者に対する接続義務を負う。
EtisalatとEITCによる固定通信網共有の完全実施と商用サービスは2015年10月に開始したが、当時の両社の相互接続契約には有料放送サービスは含まれていなかった。同サービスが契約に含まれるようになったのは2018年2月以降である。
TRA(現TDRA)は2012年11月にMVNO制度を導入する予定がないことを明言しており、2021年9月現在、状況に変わりはない。2017年9月には英国を拠点とするヴァージン・モバイル(Virgin Mobile)ブランドでの移動体通信サービスが開始されているが、これは移動体通信事業者(MNO)であるEITCが、メインブランドのDuとは別に、サブブランドとして展開しているサービスであるため、MVNOサービスには該当しない。
移動電話の番号ポータビリティ(Mobile Number Portability:MNP)導入計画は2009年10月にTRA(現TDRA)によって承認された。実際の導入は技術的問題を理由に度々見送られてきたが、最終的に、EtisalatとEITCの間で2013年12月に開始された。
ドバイ・メディア・シティ(Dubai Media City:DMC)やドバイ・スタジオ・シティ(Dubai Studio City:DSC)といったフリーゾーンが存在している。フリーゾーンでは100%外資企業の受入れ、50年間の法人税・所得税の免除、関税の免除、シティで働く外国人労働者のビザ要件緩和等の利便が与えられるため、世界的な電気通信事業者や放送事業者が拠点を構える、中東地域における産業集積地となっている。なお、2020年11月に「営利会社に関する2015年連邦法第2号(Federal Law No.2 of 2015 on Commercial Companies)」が改正され、2021年3月からフリーゾーン外でも多くの事業分野で外国資本による100%出資が認められるようになったが、電気通信サービスと視聴覚サービスはその限りではなく、従来どおり外資規制の対象となっている。
都市部と条件不利地域で同じ品質の電気通信サービスが提供されていない懸念があるとして、TRA(現TDRA)は2017年12月に「UAEにおける電気通信サービスの普遍的提供の促進 1.0(Promoting the Universal Provision of Telecommunications Services in the UAE Version 1.0)」と題した政策文書を発表し、ユニバーサル・サービス政策の導入と実施のためのビジョンや理論的根拠、政策枠組、今後の課題について明らかにした。
ユニバーサル・サービスに含まれるのは、緊急通報を含む音声サービス、テレビ放送サービス、10Mbps以上の高速データ通信サービスの三つで、全国均一価格で提供されなければならない。ユニバーサル・サービス提供事業者は、既存電気通信事業者のネットワークやカバレッジ地域を考慮して、今後選定される。また、ユニバーサル・サービスの財源も今後検討される予定だが、現時点においては、ユニバーサル・サービス提供事業者による負担、電気通信業界全体での負担、政府交付金での負担という三つの選択肢が挙がっている。
2021年9月現在、進展は確認されていない。
UAEにおける5G実現に向けたイニシアチブ「UAE 5G運営委員会(UAE 5G Steering Committee)」がTRA(現TDRA)によって2016年に立ち上がった。同委員会は、商用5Gサービスの実現によって世界銀行のオンライン・サービス・インデックス(OSI)で世界第1位になることや、世界経済フォーラムのネットワーク準備指標(NRI)で上位10位に入ることを目標として掲げ、5G展開に向けた取組みを実施している。2019年には、2020年から2025年にかけての「UAE 5G及び5G以降の戦略(UAE Strategy for 5G and beyond)」が策定された。同戦略では、5G技術の展開分野、使用周波数帯、5G対応デバイスの仕様等が示されている。また、2021年3月には、国立研究所を開設し、国内で使用されるすべての5G通信機器を対象に国際規格への準拠性と国内電気通信網との互換性を確認することが発表された。
「UAE 人工知能(AI)戦略(UAE Strategy for Artificial Intelligence)」が2017年10月に発表された。同戦略は、建国100周年に向けて発表された政府長期計画「UAE100周年プラン2071(UAE Centennial Plan 2071)」で掲げられた目標を達成するための最初の大規模投資事業で、以下の分野においてAIを活用していく計画である。
全体戦略として2021年3月に「UAE政府サービス戦略(UAE Strategy for Government Services)」が発表され、2022年までに公共サービスの90%を提供する単一デジタル・プラットフォームを構築することや、2023年までに同プラットフォームにいつでもどこでもアクセス可能とすることが目標として提示された。2025年までの具体的なロードマップとしては、全国DX委員会(National Digital Transformation Committee)の「UAEデジタル政府戦略2025(UAE Digital Government Strategy 2025」がある。
政府公式ポータルサイトは2011年5月に創設され、2019年7月には新ドメイン「u.ae」が採用された。1文字(u)の政府ポータルサイトのドメイン名は世界初となる。ポータルサイトでは、市民、居住者、訪問者、投資家向けに経済・政治動向、法律、政策に関する情報や行政サービスが提供されているほか、助言プラットフォームやライブチャットをはじめとするコミュニケーション・ツールも利用することができる。2020年には新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関連するコンテンツが数多く追加された。ポータルサイトのユーザ数は2021年に1,700万人を突破し、2020年と比較して45.7%増加した。
国際連合経済社会理事会(United Nations Economic and Social Council:ECOSOC)の地域組織の一つである西アジア経済社会委員会(Economic and Social Commission for Western Asia:ESCWA)は、2021年2月に発表した年次報告書において、UAEの電子・モバイル政府サービス(Government Electronic and Mobile Services:GEMS)はアラブ地域において最も成熟していると評価している。
TRA(現TDRA)が2019年6月に「UAE国家サイバーセキュリティ戦略(UAE National Cybersecurity Strategy)」を発表した。戦略は5項目に分類された60のイニシアチブから構成されており、中小企業の技術を保護するサイバーセキュリティ分野の法規制を充実することや、政府調達に対するサイバーセキュリティ認証を義務付け、中小企業がこの認証を利用可能とするためのワンストップ・ポータルを構築すること等を目指している。また、2020年1月には、同戦略の一環として、サイバーリスクに対応できる人材を育成するための「国家サイバーセキュリティ能力構築プログラム(National Cybersecurity Capacity Building Program)」が開始された。
TDRAはCOVID-19の流行に対応し、医療や教育、ビジネス等の分野を支援するために、電気通信事業者と協力しながら20以上のイニシアチブを実施している。具体的には、オンライン学習やテレワークを促進するためにインターネット接続やデバイスを無料提供したり、移動電話から医療アプリや医療プラットフォームにアクセスする際のデータ通信料を無料化したりしている。
COVID-19関連アプリについては、アブダビ首長国の保健省(Department of Health)が4月に、濃厚接触者を確認するための「TraceCovid」と感染者が隔離規則を順守しているかを確認するための「Stay Home」の提供を開始した。しかし、その後すぐに、この二つのアプリの機能を組み合わせた「ALHOSN UAE」が開発・提供された。同アプリは、アブダビ首長国の保健局(Abu Dhabi Health Authority)、ドバイ首長国の保健局(Dubai Health Authority)、UAEの保健予防省(Ministry of Health and Prevention)による共同イニシアチブである。
「2003年第3号令による連邦法」第42条に基づき、UAE国内で使用される無線及び電気通信機器にはTDRAによる型式認定(Type Approval)が必要とされる。認証は試験機関による試験結果と適合宣言書(Declaration of Conformity)を基礎としている。なお、基準認証制度は欧州連合(European Union:EU)の制度に準じている。
1976年以来、Etisalatが市場を独占していたが、2007年7月に財閥系のEITCがサービスを開始し、競争市場となった。しかし依然として、Etisalatが市場シェアの大半を占めている。
VoIPについては、TRA(現TDRA)が2013年4月にEtisalatとEITCによる提供を許可した。両社が第三者と契約してサービスを提供する場合には、技術的及び法的要件を満たしたうえでTDRAの事前承認を得なければならない。
1994年にEtisalatがサービスを開始し、2007年2月にEITCが市場に参入した。2021年6月現在の加入数シェアはEtisalatが約6割、EITCが約4割で、EITCは外国人労働者を中心に加入者を集めている。両社はいずれも2G、3G、LTE、5Gサービスを提供しており、5G固定無線サービスはEtisalatが2018年から、スマートフォン向け5Gサービスは両社ともに2019年から開始している。Etisalatは2021年にミリ波帯を利用した5Gサービスも開始した。TDRAは2022年までに2Gサービスを終了し、2Gに割り当てていた周波数を5G向けに再利用する計画である。
なお、COVID-19の影響で2020年には移動電話加入数が大幅に減少した。Etisalatはプリペイド加入者数の減少が著しかったことを明らかにしている。
2021年6月現在の加入数シェアは、Etisalatが8割以上を占め、次点にEITCが付く。2009年にEtisalatがFTTHサービスの提供を開始してからは高速化が急速に進み、現在では光ファイバ/LANが主流となっている。
IPTVサービスはEtisalatの「eLife」とEITCの「Du TV」が提供されている。
Tel. | +971 2 6283333 |
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URL | https://www.etisalat.ae/en/index.jsp |
所在地 | Intersection of Zayed The 1st Street and Sheikh Rashid Bin Saeed Al Maktoum Street, P.O. Box: 3838, Abu Dhabi, UNITED ARAB EMIRATES |
幹部 | Hatem Dowidar(CEO/最高経営責任者) |
1976年に設立された当時は市場規制機関としての機能を担っていたが、「1991年連邦法(Federal Act No.1 of 1991)」により公共電気通信の管理・運営・開発を排他的に担うことが規定され、EITCが事業を開始する2007年2月までは独占的電気通信事業者であった。
現在、UAE連邦政府直轄のエミレーツ投資庁(Emirates Investment Authority:EIA)が60%の株式を所有している。また、純利益の50%をロイヤリティとして財務省に支払っていたが、ロイヤリティの引下げを政府に訴え、2017年以降は純利益の30%と収益の15%のロイヤリティを支払っている。2015年9月に外資規制に関する新規則が承認され、外国資本による株式所有が可能となった。上限は20%に設定されていたが、2021年9月に49%に引き上げられた。
Tel. | +971 4 3600000 |
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URL | https://www.du.ae/personal |
所在地 | Al-Salam Tower, Dubai Media City, Dubai, UNITED ARAB EMIRATES |
幹部 | Fahad Al Hassawi(CEO/最高経営責任者) |
ブランド名はDu。2005年に設立を発表したUAE第2の電気通信事業者である。2006年に有効期限20年の電気通信関連事業免許(固定、無線、国際サービス)が与えられ、2007年2月に移動体通信事業、同年7月に固定通信事業を開始した。近年は外国人労働者やフリーゾーンを中心に加入数を増加させている。
外国資本による投資は上限20%に設定されていたが、2021年2月に49%に引き上げられた。2021年9月現在、株式の50.12%をEIA、19.70%をエミレーツ国際電気通信会社(Emirates International Telecommunications Company)、10.06%をマムーラ・ダイバーシファイド・グローバル・ホールディング(Mamoura Diversified Global Holding、前ムバダラ開発公社)、20.12%を一般株主が所有している。
新規事業者としてロイヤリティの支払いを免除されていたが、2017年から2021年にかけては純利益の30%と収益の15%をロイヤリティとして支払うことが決定された。
Ministry of Culture and Youth
Tel. | +971 80 0552255 |
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URL | https://new.mcy.gov.ae/ar/ |
所在地 | P.O. Box: 17, Abu Dhabi, UNITED ARAB EMIRATES |
幹部 | Noura bint Mohammed Al Kaabi(Minister/大臣) |
2020年に国家メディア評議会(National Media Council:NMC)と連邦青少年庁(Ministry of State for Youth Affairs)と文化・知識開発省(Ministry of Culture and Knowledge Development)が統合し、青年文化省(Ministry of Culture and Youth:MCY)となった。NMCの管轄下にあったメディア関連の権限と責任はすべてMCYに委譲された。ただし、技術面の監督はTDRAが担当する。
1980年代に制定されたが、表現の自由や人権保護における問題から見直しが検討され、2007年から新メディア法の法案が審議された。新メディア法案は2009年1月に連邦評議会で可決され、大統領の署名により発行できる状態にあるが、罰金が巨額で反対が強く、新技術に対応できない部分も出てきたため、棚上げされたままとなっている。
憲法30条で言論・表現の自由を保障しているが、法律の範囲内としており、王族批判や宗教、性的な表現等については規制がかけられている。
デジタル放送への切替えは2014年7月末に完了した。放送規格はDVB-T2方式である。
公共放送のガバナンスや受信料制度は首長国によって異なる。アブダビ首長国の場合、政府系公社であるアブダビ・メディア(Abu Dhabi Media:ADM)が政府補助金や広告収入、番組著作権を財源としながらラジオ放送とテレビ放送を行っている。ADM株式の51%を政府が所有している。
すべての首長国でラジオ放送サービスが提供されている。各国の代表的な放送局としては、アブダビ首長国のADMのラジオ部門、ドバイ首長国のドバイ・メディア(Dubai Media Incorporated:DMI)のラジオ部門、シャルジャ首長国のシャルジャ・メディア(Sharjah Media Corporation)のラジオ部門、アジュマン首長国のChannel 4 Radio Network、ラアス・アルハイマ首長国のRas Al Khaima Broadcasting Station、フジャイラ首長国のFujairah Media Group、ウンム・アルカイワイン首長国のUmm Al Quwain Broadcasting Stationがある。また、UAEでは人口の80%がインドやパキスタン、アフリカ等からの労働者であるため、そうした外国人向けの放送も盛んである。
地上放送は四つの首長国で実施されている。代表的な放送局として、アブダビ首長国ではADM傘下のアブダビTV(Abu Dhabi TV)、ドバイ首長国ではDMIのテレビ部門ドバイ・チャンネル・ネットワーク(Dubai Channels Network:DCN)傘下のドバイTV(Dubai TV)、シャルジャ首長国ではシャルジャ・メディア傘下のシャルジャTV(Sharjah TV)、アジュマン首長国ではアジュマンTV(Ajman TV)がある。
ウンム・アルカイワイン首長国を除く六つの首長国が衛星放送を実施しているほか、商業放送局も存在する。代表的な汎アラブ商業放送局には、1991年に開局した中東初の本格的衛星放送局でサウジアラビア資本の中東放送センター(Middle East Broadcasting Center:MBC)、英国スカイ(Sky)とアブダビ首長国の投資会社との共同事業体であるスカイ・ニュース・アラビア(Sky News Arabia)、米国CNBCのアラビア語経済チャンネルとして開局したCNBCアラビア(CNBC Arabia)等がある。
Abu Dhabi Media
Tel. | +971 2 4455555 |
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URL | https://www.admedia.ae/ar/ |
所在地 | P.O.Box: 63, Abu Dhabi, UNITED ARAB EMIRATES |
幹部 | Sultan Ahmed Al Jaber(Chairman/会長) |
2007年に設立されたアブダビ首長国政府出資のメディア・グループ。ラジオ、テレビ、出版、デジタル・メディア等、18のメディア・ブランドを有する。ラジオ部門の主なチャンネルは、Abu Dhabi FM(アラビア語)、Emarat FM(アラビア語)、Holy Quran Radio(アラビア語)、Classic FM(英語)で、テレビ部門ではアブダビTVのほか、国内向け、ドラマ専門、スポーツ専門等の複数のチャンネルがある。
Dubai Media Incorporated
Tel. | +971 4 3077000 |
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URL | https://www.dmi.gov.ae/content/corporate/ar-ae/home.html |
所在地 | P.O.Box: 835, Dubai, UNITED ARAB EMIRATES |
幹部 | Maktoum bin Mohammed bin Rashid Al Maktoum(Chairman/会長) |
2003 年に設立された国営放送事業者で、ラジオ放送、テレビ放送、出版を手がける。ラジオ部門はNoor Dubai(アラビア語)とDubai Radio(アラビア語)を放送している。テレビ部門であるDCNの傘下には、娯楽番組中心のドバイTVのほか、Dubai One(英語)、Sama Dubai(文化)、スポーツ専門チャンネル、競馬専門チャンネルがある。
(通信/Ⅰの項参照)
電波監理業務を所管し、周波数分配案の策定、割当て、周波数利用許可、技術基準の策定、基準認証、電波利用料の設定、電波監視、国際的な周波数調整等を実施する。
Ministry of Industry and Advanced Technology
Tel. | +971 6 00565554 |
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URL | https://www.moiat.gov.ae/ |
所在地 | P.O.Box: 48666, Business Avenue Building, Sheikh Rashid Rd, Dubai, UNITED ARAB EMIRATES |
幹部 | Sultan bin Ahmed Al Jaber(大臣/Minister) |
2020年に首長国規格・計量協会(Emirates Authority for Standardization and Metrology:ESMA)、先端技術担当国務大臣室(Office of the Minister of State for Advanced Technology)、エネルギー・インフラ省(Ministry of Energy and Infrastructure)の産業担当部局が統合し、産業・先端技術省(Ministry of Industry and Advanced Technology:MoIAT)が新設された。国家標準規格の策定・維持、認証機関の認定、消費者啓蒙活動の実施等、ESMAの権限と責任はすべてMoIATに委譲された。
「2003年第3号令による連邦法」第48条は、TDRAが周波数の配分、分配、停止を所管し、周波数の分配に際しては国家周波数計画(National Frequency Plan:NFP)に従うことを規定している。また、同法46条は、NFPが調整委員会(Coordinate Committee)によって、国際的な周波数配分を考慮して立案され、電気通信分野の最高評議会で承認されることを定めている。NFPは放送用周波数の分配を含む。
2019年9月に公表された「無線通信政策 2.0(Radiocommunications Policy Version 2.0)」第5条でTDRAの電波管理業務が規定されている。
TDRAはNFPに対する修正及び追加の意見を調整委員会に提出することができる。また、TDRAはNFPに従って、詳細な分配計画を立案し、周波数の割当てを行う。
TRA(現TDRA)は2020年2月、2020年から2025年までの周波数政策ロードマップである「UAE Spectrum Outlook(2020-2025)」を発表した。周波数需要や技術動向、国際動向の把握や予測に基づいて、移動体通信、固定無線、衛星、放送、超広帯域無線、航空無線、海上無線、無人航空機、アマチュア無線等の周波数計画を策定している。
5Gについては、2017年12月に1.4-1.5GHz、3.3-3.8GHz、24.25-27.5GHzの3帯域を割り当てる計画が発表され、同年11月に3.3-3.8GHzがEtisalatとEITCに割り当てられた。24.25-27.5GHzの割当ては段階的に実施する方針で、2020年9月に第1段階として26.25-27.5GHzが両社に割り当てられた。第2段階(25.5-27.5GHz)の割当ては2021年第3四半期に実施される予定であったが、2021年11月現在、割当てが実施されたという発表は確認されていない。なお、「UAE Spectrum Outlook(2020-2025)」では、この他の周波数帯を5G用に転用することも検討されている。
UAEの無線局免許には、「個別免許」と「クラス免許」の二つがある。前者は周波数の稀少性や管理の必要性が高い場合に適用され、その他の場合には後者が付与される。
個別免許の対象となる無線局種類は以下のとおりである。
規制当局の審査を経て付与された免許の期間は10年間であるが、無線局の運用に当たっては、免許以外に1年間有効な周波数利用許可をTDRAに申請して取得しなければならない。その周波数が4か月以上利用されない場合にはTDRAは利用許可を取り消すことができる。
クラス免許の対象には、短距離無線機器(Short Range Device:SRD)や低出力無線機器のほか、産業・科学・医療(ISM)帯を使うデバイス等がある。その他、Wi-Fi、Bluetooth等もクラス免許の対象である。免許の期間は10年間である。
室内でのWi-Fi機器(2.4及び5GHz帯)は免許不要で利用できる。ただし、屋外でのWi-Fi機器の利用にはTDRAの周波数利用許可が必要とされる。
電磁界へのばく露に関する人体への制限値はTDRAの所管である。2010年に発表された「電気通信網に関する非電離放射線制限(Non-Ionizing Radiation Limits for Telecommunication Networks)」は、国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)の「時間変化する電界、磁界及び電磁界によるばく露を制限するためのガイドライン(300GHzまで)(Guideline for Limiting Exposure to Time-varying Electric, Magnetic, and Electromagnetic Fields(up to 300GHz))」に準拠している。
2019年12月に発表された「周波数スペクトル料金4.0(Frequency Spectrum Fees Version 4.0)」にて2021年1月からの電波利用料が規定されている。それによれば、TDRAが発行する周波数利用許可の有効期間は1年間で、新規申請及び更新時に100AEDの申請手数料と電波利用料をTDRAに支払わなければならない。利用料額はサービスの種別に応じて計算式が定められている。
「国家周波数分配表2020(National Frequency Allocation Chart 2020)」が策定されており、これに基づいて周波数分配を決定している。