第百四十五回国会衆議院
地方行政委員会議録

平成11年2月4日(木曜日)

○古賀(一)委員 それでは、関連して次の質問に移りたいのですが、私は、新進党当時も、いわゆる地方分権、地方の時代、抽象論を幾ら言ってもやはりだめだ、最大の問題は、基礎的公共団体である市町村の規模をしっかりと大きくすることだ、私はそう思うのですね。私の地元の状況を見てもそうです。この委員会で何度も申し上げましたけれども、半径四、五キロで円をかいて、市役所、町役場がもう五つも六つもあるのです、私の地元は。そういう地方議会あるいは役場、市役所のモラルの問題、今経済社会で起こっている事柄というのは、国際化、いろいろなあらしの中に内政があるという状況でもある。

 そうして見ますと、私は、もう市町村の合併促進というのはスタートの問題だろうという意識が非常に強くして、歴代大臣にこの点は一貫して申し上げてきて、当初は大変冷とうございましたが、今回、市町村合併については手だてを政府としても講じようという流れになってきた、それは非常にいいと思うのです。

 ただ、前国会でも、次期通常国会でどうだとお聞きしましたところ、どうも法案がまだ固まっていないわけですから詳しくは申し上げられないのでしょう、余り今までと変わらぬじゃないかと。我々がこの委員会で言ってきた、昭和28年から31年にかけての昭和の大合併のときの、あの自治省がやった仕掛け、取り組み、情熱、こういうものが今ないじゃないか、こう言って、私は、ちょっと生ぬる過ぎると。

 この地方財政の破綻を前に、介護保険の問題もあります。市町村で今悲鳴を上げつつあります。そうしたときに、今度の国会で大臣が所信表明でも申し上げられましたけれども、地方分権推進計画実施のための五百本前後の法律が出る、その中で市町村合併の特例の仕組みも盛り込むということのようですが、ぜひとも、一気に三百市町村というわけにはいかないかもしれません、しかし少なくもあと数年後には五、六百とか例えば千とか、千なんか私は簡単だと思うのです。

 やはり自治大臣、この政策をひっ提げての入閣でございますから、この間の政策合意になっていなくても構わないし、追加的政策合意でもいいし、自治大臣に野田先生がなられたということの意義づけをするためにも、ぜひこれは、三百とは言わないけれども、自由党の一つの哲学、理念、そしてこの委員会でも一致してその方向を申し上げてきたこの点について、大臣のリーダーシップを発揮する最大の好機じゃないかと私は思うわけです。

 その点、市町村合併の大促進に向けて、大臣としてのリーダーシップを発揮することについての御決意を私はぜひお聞きしたいと思うのですが、よろしくお願いします。

○野田(毅)国務大臣 意気込みのほどは、古賀先生にも劣らぬ意気込みはしております。

 現実問題として、市町村の合併問題は、まず、住民自身の理解とみずからの意思というものが非常に大事であることは言うをまちません。しかし、それをずっと待っていたら、いつまでたっても何にも動かないじゃないかという焦りを感じておることも事実でございます。そういう中で、殊さらに古賀先生に合併の意義を強調することは、ここでは屋上屋になると思いますから避けますけれども、そこへ持っていく過程の中で、言うなら、合併を促進するためのどういう手だてを講じていくかということは非常に大事なことであります。

 そういう点で、やはり都道府県の協力ということが当然前提になるわけでありますし、そういう意味で、合併を行おうという現在の自治体自身の住民の努力、意識と同時に、都道府県の協力をどういうふうに促進、推進をしていくか、そのためのいろいろな財政上その他の支援等の仕組みをどういうふうに組み合わせていくか、このことを実はいろいろ勉強しておる最中でもございます。

 当面、お話しのとおり昨年地方分権推進計画という形で取りまとめをした、それの法案化をして、この国会でぜひ御審議をお願いしようと考えております。その法案の中に、市町村合併促進についての部分も盛り込むつもりでおります。しかし、それだけで完結するかというと、私は、それだけではなくて、さらなる推進のための方策を現在さらに勉強しておるということを申し上げておきます。

○古賀(一)委員 私は、自由党の日本再生へのシナリオ、あるいは小沢党首みずから代表質問で申し上げられた言葉の中で、変わらずに残るためには変わらねばならない、非常にいいキャッチコピーだなと思います。まさにこの市町村の規模の問題にぴったりなのですよね。市町村が今までどおり豊かで今までどおりそこそこの住民ニーズにこたえるには、もう変わらねば、変わらずにおることはできませんよ。まさにこのキャッチフレーズそのものだと思うのですね。

 私は、再度申し上げますけれども、この自自連立のある面で、歴史が移ろって、あれは大したものであった、よかったというのはこの点じゃないかと思うのですね。政府委員は余り関係ないと私は思うのです。国民にとっては、どうぞ永田町と霞が関のルールの問題ですから。

 私は、そういう面で、これについてはぜひとも強いリーダーシップを、引き続き、自由党のレゾンデートルをかけてというか、あるいは自自連立のレゾンデートルをかけて取り組んでいただきたいし、きょう政府委員といいますかお役所の方も来ておられますけれども、役所の限界は、これまでの一種のトレンドの中でしか政策はつくれないと思うのです。やはり、ガラガラポンというかニューパラダイムでひとつつくり直してみようというのが政治であるし、政治が言えば、役所も実は本音としてはそうなんだと思っている向きも、いろいろな政策面でたくさんあると私は思うのですね。

 私は、その点について、再度お願いでありますけれども、ぜひとも市町村の合併促進についての大臣の取り組みを、これは要望ですが、お願い申し上げます。

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