第百四十五回国会衆議院
行政改革に関する特別委員会議録

平成11年5月31日(月曜日)

○福島委員 さまざまな形で取り組みをしていただいておるようでございますが、思いつきのような発言で大変恐縮でございますけれども、一度、それぞれの自治体がいろいろ取り組んでおります政策評価のレポートをファイリングしまして、そういう報告書のようなものも検討していただいたらどうかというふうに提言させていただきたいと思います。

 最後に、自治体の合併につきまして、これも本法案に盛り込まれている非常に大切な点であるというふうに思います。合併を促進するためのさまざまな特例措置というものが拡充をされたという意味で評価をするものでございますし、そしてまた、自治体の合併には幾つかの波がありましたけれども、今もまたそういう時期に恐らく当たっているんだろうというふうに私自身は思います。効率的な地方政府を確立するため、合併というものを促進していかなければならないというふうに思います。

 時間も限られておりますので、まず大臣に。

 三百自治体ということをかつて主張しておられた、今も主張しておられると思いますが、今回の法改正で果たしてそこまでいくのかという話になりますと、なかなかそこまでは難しいなというふうに私は率直に思いますけれども、現時点でも、三百自治体というようなかなり絞り込んだ形の合併を実現すべきであるというふうにお考えなのかどうか、その点についての御見解をお聞きしたいと思います。

○野田(毅)国務大臣 自由党、これは前の新進党においてもそうなんですが、基本的に、より強い地方分権の姿、地方主権と言ってもいいかもしれません、そういった形をきちんと整備するべきである。そのためには、今まで以上に権限なり財源なり、そういったことをきちんとした形で位置づけなきゃいけない。それにはそれを担うだけのきちんとした能力というものが、あわせて受け皿としての体制が整わなければいけない。できれば、国、県、市町村という三層構造というものを、より基礎的な自治体が責任を担っていくような形をとっていこう。そういうことであれば、三百というのは一つの考え方だ。

 そういうことを一つの目標にして、トータルとしての国、地方を通ずる行政というものを考え直していいのではないかという問題意識から、そういう提言をいたしておるわけです。

 実際、自治大臣として、ではそこまで今一気にいけるのかということになりますと、率直に言って、今直ちにそこにいくには随分とまだまだ現実との間にギャップがあるということは、これは現実の課題だと思っています。

 特に、横浜市は既に人口が三百万を超えているわけですし、中には二百人程度の村もあるわけです。これを同じ市町村ということで、ここに権限移譲を同じような発想で議論してもなかなか始まらない。そういったこともあって、あるいは中核市であったり、今回は特例市という制度を入れて、できるだけ市町村の合併ということだけではない、特例市などとか、ある程度、自治体の能力と言うとちょっと語弊があるかもしれませんが、組織力なりそういったことに応じた分権ということを実際に進めたいという発想もあるわけです。

 そこで、市町村の合併は、まず三百ということは、将来のことは意識はしながらも、当面、そこへいくよりもより現実的に、戦後約一万ぐらいありました市町村が二十年代後半からの一連の合併の動きの中で約三千三百という形に集約されたわけで、今回、それも一つの参考になるのかもしれません。

 これはもちろん、住民の協力を得て、住民の自主的な発議によって行われるのが一番望ましいことでありますが、いつまでも放置するわけにいきませんが、そういった中で、自治体の受け皿を強化するという意味において、より積極的な市町村合併のための支援措置を講じていきたい。

 初めに数ありきということだと、誤解を生ずるかもしれませんが、今言いました約三分の一というのは、二十年代の後半から今日まで、これは一つのステップとしての参考にはなるのではないかと考えております。

○福島委員 無理やりこうするということはなかなかできない、私はそう思います。

 最後に一言提案ですが、介護保険が来年からスタートする、これは実は非常に大きなチャンスなんだと思うんですね。広域で取り組むことろがある程度出てきておりますけれども、まだ十分ではないと私は思っております。介護保険のスタートに当たって、さまざまな懸念が呈されているということも事実でしょうし、この夏に向けて、自治大臣も自治体の行政を担うということから、どうやって来年からするのかということについて最後の知恵を出さなきゃいかぬという話になると思うんですね。

 いろいろな発言がいろいろなところから聞こえてきます。ぜひともここを一つのチャンスとして、事実上の共同で行政を行うという範囲を、三百になるかどうかわかりませんけれども、築き上げていく、そこのところが実は三百自治体というようなところに向かっての一つの大きな突破口になるんではないかというふうに私は思っております。時間も限られておりますけれども、政府の中でその点についてはよくよく御検討していただいて、国民だれにとっても安心のできる体制づくりをしていただきたい、そのように最後に要望しまして、私の質問を終わります。

 どうもありがとうございました。

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