国会参議院 総務委員会議録

平成13年11月20日(火曜日)

○松岡 満壽男君
  昨日、第27次地方制度調査会が発足ということになったようですけども、地方行財政の構造改革を諮問するということのようですが、中身は地方分権や市町村合併の進展を受けて、自治体の役割の見直しなどを審議すると、さらに道州制導入や県の合併など都道府県制度のあり方についても討議すると、そして先だっても議論いたしました地方への税源移譲、住民投票制度の拡充などもテーマとなるようなことであるわけですけども、この調査会に対する総務省の今後のかかわり方と大臣のお考え方を伺っておきたいと思います。  

○片山総務大臣
  今、お話の第27次地方制度調査会は、昨日の2時、首相官邸で第1回の会合を開いたわけでありますが、その際、総理から社会経済情勢の変化に対応した地方行財政制度の構造改革について、こういう諮問をいたしました。それについて、これから審議を始めていただくわけでありますが、一つは地方のことはできるだけ地方にやってもらうというのが総理の方針でありますから、地方分権の推進をさらに徹底していただくということが一つ、それに市町村合併についてその促進方をはかっておりますけども、そういうことを前提に今後の地方行政体制についての整備、その中に市町村が合併の見通しがたつということになりますと、府県制度というのが視野に入ると、こういうことでございますし、また、市町村も、今のような制度がいいのか、なんて言いますか、政令市というのがありますが、また、事実上、特例市や中核市というのもありますが、そういうものを市町村を一つの制度じゃなくて、もっと区別したそういう制度というものを考える必要があるのかという点と、それから三つ目は地方税財政の在り方、これについてのご審議をお願いいただければと、こういうことをお願い申し上げたわけであります。

○松岡 満壽男君
  国、地方が抱えている問題の議論をこれから本格的に取り組まれるということで、非常にそれはそれで大切なことだと思いますし、結構なことだというふうに思うんですが、結局このバブル以降ですね、130兆円以上の景気対策を打ってきて、結果的には巨大な税金を投入したけれども、日本の景気は回復しなかったという実験をやってしまったような状況になっているわけですね、それに地方が全部付き合わされているわけですよ。御存知のように42兆という地方債残高、18日の朝日をみますと公共事業はピークの7割だと、全639地区でですね、結局、公共事業で国の景気対策に付き合わされた地方が大変な状況に実はなってるってことなんですね。経常収支比率も80%越えるとだいたい財政硬直が進んでるということなんですが、10年前に比べて、すでに10年前は82市ですか、80%以上が、でも去年はとにかく524市区でしょ。市の4分の3がどうにもならんと、100%こえてるのが、もう16市あるという状況なんですよね、これ以上どうにもならんところに地方が追いつめられてると、そこにもってきて、ここでも議論しましたが、堺屋さんが東京、大阪だけでも頑張ろうという議論をされると、地方としてはこれからどうやって生き残ればいいんだという状況になってると思うんですよね。経済と政治っていうのはものすごく関連がありますから、経済が弱ってるってことは、政治が弱ってる。だから国の政治じゃなくて、地域の政治も非常にリーダーシップがとりにくい状況になってきてる。そうなると、大臣がいつも言っておられる、総理もそういうお答えでしたけれども、道州制の導入っていうより、地方の合併が先だっていう、言われますけれども、今の状況で地方の合併っていうのは難しいところに来てると思いますよね、民意を問うというかたちだけでは。かつての、明治、昭和の大合併には一つの推進力があった。今回の推進力は何かっていったら、やっぱり財政破綻ですよね。これをどう救うか、やっぱり合併問題について積極的な対応しないと時間が間に合わないんじゃないですかね。そういう点について大臣の考え方を伺っておきたいと思います。  

○片山総務大臣
  今、お話のように明治の大合併にはそれなりの一つのテーマがあったわけですよね。昭和の大合併もありました。平成の大合併というのは、なるほど、自主的な合併ということもありまして、特定のこういうことのためにというあれありませんからね、強いて言えば地方分権の受け皿としての強化であり、地方行財政の仕組みの効率化ということになるのでしょうか、そこで一生懸命、合併特例法作りまして、旗を振っておりますけど、地域によって温度差がありまして、相当進んだとこともありますし、そうでないところもありまして、一生懸命雰囲気作りをやっておりますが、既に答弁したような気もしますが、全国で半分以上の市町村が合併のための研究会や協議会を作っていただいておりまして、そういう意味では前よりだいぶ進んできたなと思っておりまして、今後とも市町村合併支援本部というのが内閣にありますので、そこを中心に、そこで作りました支援プランをよく説明して、啓蒙していただいて、ムードを作ってまいりたいとこういうふうに思っております。動き出せばかなりいけるのかなと思っておりますが、どういう契機で大きな流れになるかと、そこが一つのポイントではなかろうかと、相当胎動はあるんですね、それが大きな流れになるかどうか、そこが勝負ではなかろうかと思っておりまして、現在そういう意味での努力を重ねているところでございます。


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