国会衆議院 総務委員会議録

平成13年11月22日(木曜日)

○高木 陽介君
  今回の改正案、法律案はですね、幅広い改正ということで、例えば直接請求の要件緩和、または議会制度の充実、今、滝議員の方からお話のありました住民監査請求の制度及び住民訴訟制度の体制充実ですね、その他、中核市の指定要件の緩和、合併協議会の設置に関わる直接請求制度の拡充及び住民投票制度、本当に幅広い改正案ですけど、一つの法律それなりに理念があると思うんですけど、今回の法改正全体に通じる目的、これについてまず大臣の方からお答えいただきたいと思います。  

○片山総務大臣
  今回の法改正は先ほどもいいましたように、第26次地方制度調査会の答申や地方分権推進委員会の意見に則ったものでございますが、基本的な理念は住民自治の拡充なんですね、地方議会の活性化と住民参加の積極的関わりなんですね。それが今の住民投票制度や住民訴訟制度になってると思いますし、さらに21世紀の地方自治を担う市町村の規模能力強化のための市町村合併の促進もですよ、その中の視野に入れていると、そういうことが基本的な理念ではなかろうかと思ってます。

(中略)

○高木 陽介君
  続きまして、市町村合併特例法の改正について伺いたいと思いますが、市町村合併、これは従来から大臣も主張されておりまして、昨年12月に閣議決定した行革大綱、また与党において市町村合併後の自治体数を1000を目標にすると、公明党の方でも党大会で政策決定をいたしまして、3223ある市町村、これを1000程度にすべきだと、こういうふうに主張しているわけでございますけれど、今回この改正において、市町村合併について住民投票を導入した理由についてお聞かせ願いたいと思います。  

○片山総務大臣
  平成7年の改正でですね、住民発議制度というのを導入いたしまして、合併協議会を住民の発議によって作ることができると、こういう仕組みを作りましたけれど、なかなかね、関係の議会がノーと言って、否決してしまうんですね、合併協議会設置の議案を。住民発議の合併協議会設置の議案を否決してしまうんですね。こういう例が多々見受けられますので、住民発議を完成するためには、さらに合併協議会を置くか、置かないかを決めたらどうだろうかと、こういう発想に立ったわけでございまして、これもいろんな議論がございますけれども、ここまでは住民投票制度を導入するのが差し支えないんではなかろうかと、こういう判断をいたしたわけでございます。

○高木 陽介君
  今、合併協議会の設置について、住民投票の導入ということを言われましたけれども、合併協議会の設置について、議会というものは、住民の意思が乖離した場合ですね、住民意思を議会の意思に優先させるという、こういう考え方ですが、合併協議会の設置ではなく、合併そのものについて、住民投票制度を導入するべきだと、こういう意見もあると思うんですけど、この総務省の見解を伺いたいと思います。  

○片山総務大臣
  例の26次の地方制度調査会の答申の中にも、今、高木議員が言われたような、合併そのものを住民投票にかけたらどうだと、こういう御提言もあったわけでございますけれど、そこまでやりますとね、間接民主主義、議会制民主主義を今の地方自治はとっておりますけどね、議会の意思を完全に否定するというとこまでいくのはいかがかなと、これは市長会、町村会やそういうところとの関係団体の御意見も聞きまして、まあ合併協議会の設置くらいはと、こういうことになったわけでございまして、この点を両方の意見があると思いますね。

○高木 陽介君
  大臣の方から両方の意見があるという意見がございました。そのとおりだと思いますね。ただ、議会制民主主義というこの形を大切に、また育てていかなければいけないし、先ほどから何度も出てました代表民主制という形をこれこそ活性化させていくことが、本当に住民自治、地方自治を活かしていくという点かなと私も考えております。その上で今回の法改正で合併が進めば良いわけですけれど、進んでもらわなければ困るんですが、今回の改正でどれくらい市町村合併が進むと考えられるか、これを最後にお伺いしたいと思います。  

○片山総務大臣
  今の合併の特例法の期限が平成17年3月までですからあまり時間がございませんので、大きなうねり、流れ、雰囲気が、私は出てこなければならないと私は思っております。現在、合併協議会や複数の町村で研究会を設置して合併を具体的に検討している市町村は、1657市町村でございましてね、5割をこえてるわけです。ただ、これが合併につながるかどうか、これからのやりかた、これからの勝負だと、思っておりまして、これで住民発議制度がこれに変わるわけ、住民投票制度が拡充されるわけでございますから、私はかなりの促進材料になるんではなかろうかと思っておりますが、それではどれだけどうかと、こういうお尋ねいただきましても、どのくらいと、こういうお答えはなかなかしづろうございますけれど、雰囲気的にはこの自治法の改正を大きな拠り所にいたしたいと、こう思っておりまして、そういう意味での効果は大変大きいものと考えております。

○高木 陽介君
  数的にはなかなか言えないと思いますが、ここらへんのところはどんと1000にしたいとそういう思いをしっかり持っていただいた上で、地方分権がさらにこれから重要になってくる、押し進めなければいけない、そのうえで、受け皿である地方公共団体がですね、しっかりした財政力を含めた体力を持っていかなければいけない、その上での合併論議だと思うんです。このうえで、やはり今後少子高齢化、さまざまな環境問題だとか、情報化、スピードが増してくる、こういう中で住民と密着している地方公共団体がしっかりした住民のニーズというものを受け止めてやっていくことが重要である、その上での今回の合併であり、合併を進めていく地方自治法の改正でもあると思うんです。そういった意味では、法改正して、法律を作って、大切なのは魂を入れることでございますから、やはり総務省あげて、私たち国会の方も議会として、地方分権、受け皿造りというものに対して、力を入れていくとそういうふうに思いまして、質問を終わりたいと思います。  


もどる