第三章

     番号ポータビリティの実現方式に関連する事項


第三章 番号ポータビリティの実現方式に関連する事項


1 着信課金サービスの契約者の着信先が一般加入電話・ISDNの番号ポータ
  ビリティにより移転している場合の回線設定の方法
 着信課金サービスの契約者が着信先としている一般加入電話・ISDNが番号
ポータビリティにより移転されている場合の回線設定の方法としては、次の2種
類が考えられる。

(1)移転元事業者を介して番号ポータビリティの処理を行う場合
 着信課金サービスの提供事業者が一般加入電話・ISDNの番号ポータビリテ
ィについて関与することなく、次のとおり回線設定を行うことが可能である。

 [1]利用者が0120番号をダイヤルする。
 [2]交換機がダイヤルされた0120番号により特定される着信課金サービ
   スの提供事業者のSCPに問い合わせを行い、一般加入電話・ISDNの
   番号を取得する。
 [3][2]において取得した番号により一般加入電話・ISDNの移転元事
   業者の交換機へ回線を設定する。
 [4]移転元事業者の交換機において、この番号の加入者(着信課金サービス
   の契約者)が番号ポータビリティにより他の事業者へ移転していることを
   確認し、移転先事業者へ回線を設定する。
 [5]移転先事業者において着信課金サービスの契約者へ回線を設定する。
図3−1 移転元事業者を介して番号ポータビリティの処理を行う場合の回線設定方法
図3−1 移転元事業者を介して番号ポータビリティの処理を行う場合の回線設
     定方法

 14 この番号には、中継事業者識別番号00XYが付加されている場合がある。
(2)移転元事業者を介さずに番号ポータビリティの処理を行う場合  一般加入電話・ISDNの移転先事業者と着信課金サービスの提供事業者が連 携し移転先を示す情報の通知を行う場合は、次のとおり効率的な回線設定を行う ことが可能となる。  [1]利用者が0120番号をダイヤルする。  [2]交換機がダイヤルされた0120番号により特定される着信課金サービ    スの提供事業者のSCPに問い合わせを行い、予め一般加入電話・ISD    Nの移転元事業者から通知されSCPに格納されている一般加入電話・I    SDNの移転先を示す情報を取得する。  [3][2]において取得した情報により一般加入電話・ISDNの移転先事    業者へ回線を設定する。  [4]移転先事業者において着信課金サービスの契約者へ回線を設定する。
図3−2 移転元事業者を介さずに一般化入電話・ISDNの番号ポータビリティの処理を行う場合の回線設定の方法
図3−2 移転元事業者を介さずに一般化入電話・ISDNの番号ポータビリテ
     ィの処理を行う場合の回線設定の方法


 第一章において検討したように、一般加入電話・ISDNの番号ポータビリテ
ィの方式として【案1−2】(関係事業者間で合意が得られる場合は【案1−3】)
を採用することが適当であり、(1)は着信課金サービスの契約者の着信先が一
般加入電話・ISDNの番号ポータビリティにより移転されている場合の回線設
定の方法として適当である。
 一方、(2)は、第一章において【案1−2】(又は【案1−3】)が実現さ
れている状態において特定の事業者により実現されたとしても問題は生じないと
した【案1−5】又は【案1−6】を実現することに類似するものであり、事業
者間の協議によりこの方法によることとしても問題は生じない。

 15 この情報には、中継事業者識別番号00XYと同じ内容・形式を持つ情    報が付加されている場合がある。
2 番号ポータビリティの導入のために事業者間で検討を行うことが必要となる   事項  第一章及び第二章において検討した、一般加入電話・ISDNの番号ポータビ リティ及び着信課金サービスの番号ポータビリティの実現方式に基づいて番号ポ ータビリティを導入するためには、実現方式に基づく信号方式の標準化、利用者 からの申込みへの対応、障害時の対応等の運用上の処理等について事業者間で検 討(事業者の参加による標準化機関での検討を含む。)を行う必要があるものと 考えられる。  これら事業者間で検討を行うべき主要な事項は表3−1のとおりである。 表3−1 番号ポータビリティの導入のために事業者間で検討を行うべき主要な      事項
検討事項
具体的な検討内容
1 信号方式の標準化

番号ポータビリティの実現方式に基づく信号方式の標準
化(事業者間精算用データの信号方式を含む。)
2 利用者からの番号
ポータビリティの申込
みに対する処理


・ 利用者の申込みからサービス提供開始までの処理手
 順
・ 移転する利用者の番号及び利用者の移転先を示す情
 報の移転先事業者から移転元事業者への伝達手順(ネ
 ットワーク改修工事の実施期間の設定を含む。)
3 運用上の処理
・ 利用者からの故障申告に対する処理手順
・ 利用者が番号ポータビリティにより複数回契約を変
 更した場合の事業者間での処理
 これらの事項については、番号ポータビリティの早期導入のために早期に検討
が行われることが期待される。



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