【参考資料1】

        英国における番号ポータビリティについて


1.固定網における番号ポータビリティについて


[経緯]

・1991年3月:英国貿易産業大臣から議会に提出された白書「競争と選択:
         1990年代の電気通信政策」において、番号ポータビリテ
         ィが競争促進上有効であることが示された。

・1991年7月:電気通信省(OFTEL)は、BTの免許条件を改定し、O
         FTEL長官がBTに対して技術的に提供可能でかつ便益が
         コストを上回ると思われるエリアで固定電話の番号ポータビ
         リティを要求できることとした。

・1994年1月:OFTELは番号ポータビリティの実現方式を示し、そのう
         ちの全面的なIN方式を採用した場合を除く5つの方式で便
         益が費用を上回るとの結論を出した。

・1996年5月:番号ポータビリティにかかるBTの免許条件の変更に先立ち、
         ナイネックスとBTがナンバーポータビリティ提供に関する
         協定を締結、サービス開始。

・1996年7月:OFTELは番号ポータビリティにかかるBTの免許条件を
         変更し、BTに対し番号ポータビリティ(固定電話)を義務
         づけた。

・1997年1月:OFTELは固定電話の番号ポータビリティのコスト・標準
         料金を決定した。

・1997年12月:OFTELはBTを含むすべての固定網通信事業者に番号ポ
         ータビリティ(固定電話+フリーフォン等)を義務付ける一
         斉免許条件の変更を決定した。


[実現方式]
 1996年5月より、トロンボーニング方式でサービス提供中。1997年1
0月以降、コールドロップバック方式に順次移行される。
 
<トロンボーニング方式>
 ポータビリティの対象となった電話番号が従来収容されていた事業者のLSが、
再び上位の中継交換機に通話回線を設定し、そこから他の事業者に接続する。事
業者および着ユーザ収容交換機の識別として‘5XXXXX’のプレフィクスが
前置される。
トロンボーニング方式の図

<コールドロップバック方式>
 移転元中継交換機において、移転元の加入者線交換機に加入者情報を問い合わ
せ、その情報をもとに呼を移転先加入者線交換機まで、通話回線を保留しないで
転送する方式。
コールドロップバック方式の図


2.フリーフォンの番号ポータビリティ

[経緯]

・1997年12月:OFTELはBTを含むすべての固定網通信事業者に番号ポ
         ータビリティ(固定電話+フリーフォン等)を義務付ける一
         斉免許条件の変更を決定。
         特別料金サービス(フリーフォン等)を対象とする機能設定
         書(Functional Specification)
         を改訂し、技術的な実現方式を規定。

・1998年3月:OFTELは特別料金サービス(フリーフォン等)の番号ポ
         ータビリティのコスト・標準料金を決定した。


[実現方式]
 上記1998年3月の決定を受けて、フリーフォンの番号ポータビリティの提
供が開始された。機能設定書で規定された実現方式は、以下のとおり。
 ・OFTELは、フリーフォン等のNon−Geographic番号ポータ
  ビリティにおいて、移転先事業者識別用のルーチングプレフィックスとして、
  “504000“〜“505999“の範囲を指定。ただし、”5049“
  は、Non−Geographic番号ポータビリティにかかる事業者網内
  使用に限定し、事業者間で相互接続点を越えた転送は不可。
 ・移転元事業者は、ルーティングプレフィックスを前置して、呼をルーチング。


[参考]
 1998年3月の特別料金サービス(フリーフォン等)の番号ポータビリティ
のコスト・標準料金に関する決定文書(“N0N−GEOGRAPHIC 
NUMBER PORTABILITY COSTS AND CHARGES−
Determination”)において、BTで想定されるフリーフォンの番
号ポータビリティの実現方式について以下のとおり言及されている。
 ・INプラットフォームにおいてルーチングプレフィックスの付与を行い、中
  継交換機(DMSU)に切り戻し、呼のルーチングを行う。
参考図



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