【参考資料2】

        米国における番号ポータビリティについて


1.導入経緯等

[経緯]
○1993年5月:フリーフォンサービス[800番サービス]の番号ポータビ
         リティを開始した。
○1995年7月:連邦通信委員会(FCC;Federal Communication Commission)
         は、固定電話の番号ポータビリティに関する意見招請(NPRM;
         Notice of Proposed Rulemaking)を行った。
○1996年2月:米国電気通信法が改正され、全ての地域系事業者に番号ポー
         タビリティが義務づけられた。
○1996年6月:NPRMに対する指令(Order)がFCCから発出され、
         全米100大都市において本格的なデータベース方式を導入
         していくこと等が示された。ただし、FCCは、具体的な実
         現方式は規定せず、番号ポータビリティに求められる機能条
         件のみを規定した。

[参考]米国電気通信法(1996年)における番号ポータビリティの定義
電気通信サービスを受けているユーザが、ある電気通信事業者から他の電気通信
事業者に切り替える際に、品質、信頼性及び利便性を損なうことなく、既存の電
話番号を同一場所で保持することができること。
・The term ’number portability’ means the ability of users of
 telecommunications services toretain, at the same location,
 existing telecommunications numbers without impairment of
 quality, reliability, or convenience when switching from one
 telecommunications carri er to another.


2. 機能条件

(1)既存ネットワークサービス、機能、能力を従来どおり提供すること
(2)番号の効率的利用を図ること
(3)ユーザの番号を変更しないこと
(4)番号ポータビリティの提供に際して、サービス品質及びネットワークの信
  頼性について不合理な低下をきたさないこと
(5)提供事業者を変更したときにユーザにとってサービス品質、ネットワーク
  の信頼性について不合理な差が生じないこと
(6)サービス提供者が特別な利益をもたらすことにならないこと
(7)将来、ロケーションポータビリティやサービスポータビリティ実現のため
  に便利であること
(8)番号ポータビリティを導入していないエリアに悪影響を及ぼさないこと


3. 番号管理

[番号計画]
基本番号体系 1−NPA−NXX−XXXX
(1=国内プレフィクス、NPA=日本の市外局番に相当)

特殊サービスには、NPA部分に特別の番号を割り当てている
500:      地理に依存しない番号(PSCサービス等)
800、888:  フリーフォン
900:      プライムレート
固定電話番号、フリーフォン番号(1993年5月に実施ずみ)が番号ポータビ
リティの対象


[番号管理機関及び番号管理方策]

◆1996の通信法改正により、FCCが番号管理機関を命ずることができる旨
が明確化された

◆FCCは固定電話番号の番号管理機関(市外局番まで)としては今後ロッキー
ドマーチンIMS社が行なうことを決定。(1998年2月23日:これまでは
ベルコアがその任にあたっていた)。
→ロッキードマーチンIMS社はフリーフォンサービス他の番号管理を既に行な
 っている。

◆固定電話の番号については、ポータビリティの実施に伴い、全米7つの地域毎
に地域番号ポータビリティ管理センタ(NPAC:市内局番以下の番号を管理)
を設置することとなり、ロッキードマーチンIMS社とペローシステム社が選択
された。
→ロッキードマーチンIMS社(4地域)
  ・・Mid−west、Mid−Atrantic、North−east、
    South−West
 ペローシステム社(3地域)
  ・・South−east、West−coast、West


4. 固定電話ポータビリティの実現方式

<IN方式 (N−1事業者がDB参照)>
IN方式の図
 [1]発信事業者はユーザがダイヤルした番号に基づきルーチングする。
 [2]着信事業者の一つ前位の事業者(N−1事業者)がSCPにアクセス、
   ルーチング番号(LRN;Location Routing Number
   −交換機毎に空加入者番号が付与されてる)に変換する。(上図では中継
   事業者がN−1事業者)
 [3]ルーチング番号に基づきルーチングする。

2事業者接続の場合はN−1事業者は発信事業者となる。



5.全米100大都市での固定電話番号ポータビリティ導入スケジュール
全米100大都市での固定電話番号ポータビリティ導入スケジュールの表


6. 固定電話番号ポータビリティ時の事業者間の情報フロー
固定電話番号ポータビリティ時の事業者間の情報フロー図


7. フリーフォン番号ポータビリティの実現方式
フリーフォン番号ポータビリティの実現方式の図
 [1]番号が番号管理者によって一元管理されており、空いていればユーザが
   好きなものを得ることが可能
 [2]番号申請責任機関(RespOrg)がフリーフォン番号を番号管理機
   関にリクエスト
 [3]番号管理機関は各地域系事業者のSCP(全米で20組)にダウンロー
   ド(15分毎)
 [4]発信事業者は中継事業者を選択してルーチング
 [5]中継事業者が付加サービスを行なう場合は再度中継事業者内でSCPア
   クセス




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