第3章 情報通信の不適正利用の態様と取組

1 はじめに

  第1章において示されたとおり、情報通信の不適正利用は態様・程度とも非常
 に多岐にわたっている。以下においては、情報通信の不適正利用の態様・程度を
 分類し、それぞれの性格、1)不適正利用の抑止、被害の予防、2)不適正利用の被
 害拡大の防止等の対応を考察し、今後の課題と取組について検討する。

2 情報通信の不適正利用の態様・程度の分類

 (1) 権利利益の侵害の態様
  ア まず、通信内容そのものによる侵害が中心であるか、それ以外の作用、例
   えば執拗な電話の呼出しや早朝・深夜の電話の呼出しが中心であるかに着目
   して不適正利用の態様を分類する。
    通信内容そのものによる侵害としては、誹謗中傷、名誉毀損、差別発言、
   善良な風俗に反する内容(わいせつ等)、プライバシー侵害などが例として
   あげられる。これらは、1対1通信あるいは公然性を有する通信など通信手
   段の性質によらずなされるものであるが、電気通信事業者側でどのような対
   応を講ずるべきかについては、通信手段の性質や侵害の態様によって異なる
   ため、それぞれに応じた具体的な考察が必要である。
    通信内容以外による侵害が中心になるものとしては、1)執拗な電話の呼出
   し、早朝・深夜の電話の呼出し、電子掲示板への無意味な書き込み等の物理
   的、心理的作用によるものと、2)メール爆弾、ウィルス付メール、電子掲示
   板への破壊攻撃のような電気通信設備の機能を害するものに分けられる。1)
   に属するものについて、一般的にはその通信内容が問題というわけではない
   が、反復継続的に行われるか、または深夜や早朝に行われることにより相当
   程度権利利益を侵害するものである。したがって、対策としても、迷惑電話
   防止サービスとしてすでに行われている各種サービスをはじめとする特定の
   発信元から通信が反復継続して行われることを防止する技術的手段等が有効
   であると考えられる。2)に属するものは、電子メールや電子掲示板特有の問
   題であり、これらは1回の侵害行為でも相当程度権利利益を侵害すると考え
   られる。
    なお、通信利用を契機とした不適正行為として、ボイスメールサービス、
   電子掲示板、勧誘電話等を通じて、実際に会った後に犯罪行為(強盗、援助
   交際、脅迫等)に及ぶ場合等があるが、この場合、利用者の意図が隠されて
   おり、通信そのものの問題ではない。

  イ 次に、公然性を有する通信による侵害か、1対1の通信による侵害かに着
   目して不適正利用の態様を分類する。
    いわゆる「公然性を有する通信」については、厳密に定義することは困難
   であるが、ここでは、不適正利用に対する電気通信事業者(注)の対応の観
   点から、インターネット上のホームページや電子掲示板のように、不特定又
   は多数の者が同一のコンテントにアクセスすることができる通信であり、か
   つ電気通信事業者も一般の利用者と同様の立場において情報にアクセスが可
   能で、その情報の削除又は表示停止等の措置が可能な通信とする。これに対
   して「1対1通信」は特定者間の通信であり、通信当事者の許諾を得た者以
   外の者が内容にアクセスすることが許されない電話、FAX、電子メールと
   する。

   (注)ここでいう「電気通信事業者」は、プロバイダー(インターネット接
     続サービス又はパソコン通信サービスを提供する第二種電気通信事業
     者)を指し、基本的には回線設備を提供する第一種電気通信事業者を含
     まないが、プロバイダーと同種のサービスを提供する第一種電気通信事
     業者については、プロバイダーとは条件は異なるものの警告等の措置が
     可能であり、その限りにおいて含まれると考えられる。
 
 (2) 違法性を有するか否か
   侵害される権利利益の程度による不適正利用の態様の分類として、法令に違
  反するか、その程度まで至らないものかに着目して分類する。

 (3) 侵害される権利利益の性質
   侵害される権利利益の性質による不適正利用の分類として、個人的な権利
  利益が侵害されるのか、社会的な利益が侵害されるのか、言い換えると、特定
  の被害者を生じるものか、そうでないものかに着目して分類する。

3 不適正利用の抑止・被害の予防、被害拡大の防止
 
 (1) 不適正利用の抑止・被害の予防
  ア 不適正利用の禁止
    ある情報の出版、広告、陳列又は伝達等が禁止されており、これらが情報
   通信を用いて行われた場合にも違法となるものや他人の情報通信機器を毀損
   する利用のように特定の行為が違法となり得る場合は多数あると考えられ、
   このような法の存在は不適正利用の抑止として働いている。
    今後、不適正利用を禁止、科罰する新たな法的規制の導入の検討に当たっ
   ては、対象となる行為の当罰性の評価を行い、その導入によって保護される
   利益(青少年保護、社会秩序の維持等)と失われる利益(表現の自由等)の
   均衡に配慮しつつ、社会的コンセンサスを得ながら進めることが必要である。
  イ 社会的なルールの周知、利用者の自己防衛についての啓発
    情報通信の不適正利用を起こさないようにする方策としては、ネチケット
   といわれるネットワーク上でのエチケット等の情報発信に対する社会的な
   ルールの周知・遵守が図られるように努めることが重要である。
    また、情報通信の不適正利用の被害を受けないよう、被害防止サービス、
   対応技術、その他利用に関する注意等、自己防衛についての情報の周知に努
   めることも重要である。
  ウ 被害防止技術・サービス
   1) 公然性を有する通信においては、例えば、ホームページ上での他人の誹
    謗・中傷のように掲示された情報内容に問題があり、かつその掲示の停止
    又は削除については発信者が自ら対応するか又は発信者側の電気通信事業
    者等が対応する以外はできないことから、受信者自らかかる情報の掲示を
    防止する手段はとれない。
   2) 1対1通信の場合においては、電気通信事業者側で通信内容に着目した
    対応を原則としてとるべきでないため、技術的対応においても繰り返し防
    止技術が中心となる。
     電話に関しては、すでにナンバーディスプレイ、迷惑電話おことわり
    サービス、二重番号サービス等が提供されており、また被害者からの申出
    に応じ電話番号を変えるなどの対応がなされている。
     電子メールに関しては、利用者の側で迷惑メールを自動的に削除するソ
    フトや迷惑メール対応機能が付いたメールソフトが製品として現れている。
    これに加えて、受信側サーバにおいて、特定の発信ドメイン、アドレス等
    のものを拒絶すること等も技術的に可能であるが、そのような対策は現時
    点で一般的なサービスになっているわけではない。このような対策も発信
    側が発信元の情報部分を虚偽のものと次々と置き換える場合に対しては効
    果がない。
     また、不当に大きなサイズの電子メールやウィルス付電子メール等につ
    いても、受信側サーバにおいて検知・削除するとともに、受信者に対して
    注意喚起を自動的に行う等の措置も考えられるが、このような対抗措置も
    現時点では徹底されているわけではない。

 (2) 被害拡大の防止
  ア 公然性を有する通信
    公然性を有する通信においては、約款に基づき不適正な利用があったと認
   める場合、発信者への警告後、一定時間経過後に電気通信事業者による削除
   又は表示停止、あるいは電気通信事業者による即刻削除(又は表示停止)、
   利用停止、契約解除等の措置が考えられる。 
    すでに述べたように、ある情報の出版、広告、陳列又は伝達等が情報通信
   を用いて行われた場合にも違法となり得るものは多数あると考えられる。こ
   のような現行法令の情報通信への適用を前提として、公然性を有する通信に
   おいて、法令に明白に違反するものについては、警告なしに電気通信事業者
   側において即刻削除(又は表示停止)する対応が考えられる。
    特定の被害者が存在する以外の場合で法令に明白に違反する場合以外につ
   いては、迅速な対応の必要性が弱いと考えられるので、表現の自由を考慮し、
   警告の後一定時間経過後に削除又は表示停止するという処置が考えられる。
    これに対して、特定の被害者が存在する場合において、放置しておくと実
   質的な害悪が大きいと判断される場合、苦情受付の段階で表示を一時停止し、
   その後発信者への警告等の措置を行うことになると考えられる。また、法令
   に明白に違反するという程度まで至らないもの又は法令で禁止されていない
   ものに対して、具体的に苦情が来ていなくても放置しておくと実質的害悪が
   大きいと考えられる場合、例えば、他人の電話番号を無断で公表しているよ
   うな場合でその人に迷惑電話の被害を生じる可能性が高い場合には同様の処
   理が考えられる。
    以上にあげた以外の場合については、具体的な程度に応じた対応となると
   考えられる。
  イ 1対1通信
    1対1通信においては、仲介者である電気通信事業者において通信内容へ
   の関与は許されないことから、通信内容に着目した即刻削除(又は表示停
   止)、利用停止、契約解除等の措置を行うことは原則としてできない。
    ただ、当該発信者が当該電気通信事業者の顧客であり、被害者からの被害
   の申出において、発信者の連絡先が明示されている場合、そのような苦情が
   ある旨を当該電気通信事業者から直接発信者に通知し注意喚起を図ることや、
   他の電気通信事業者の顧客等であっても同様の対応をその電気通信事業者に
   依頼することは許される場合もあると考えられる。また、被害者からの被害
   の申出において、発信者の連絡先が明示されていない場合で再度の侵害の蓋
   然性が高い場合には、明らかに他人の権利利益の著しい侵害に該当する行為
   をした者に対しては、正当防衛又は緊急避難等として発信者を探索した上で、
   注意喚起を発したり、又は利用を一時停止する等の措置を取ることが許され
   る場合があると考えられる。

 (3) 不適正利用への対応に関する課題と取組

   (1)(2)における不適正利用への対応に関する課題と取組は表3.1のように
  まとめられる。以下、それぞれを分説する。
   なお、検討に当たっては、企業・大学等も電気通信事業者とは別にメール
  サーバ等を設置し、電気通信事業者と同様の役割を果たしていることがあるか
  ら、それらを含めて検討を行う。
 ア ホームページ、電子掲示板等の公然性を有する通信について
  a.被害拡大の防止
   1)電気通信事業者が違法・有害情報に対して対応せず放置してしまう場合が
    ある。
     ホームページ、電子掲示板等の公然性を有する通信おいて、利用者が違
    法又は有害情報を発信している場合における電気通信事業者の責任の問題
    は、主として「電気通信サービスにおける情報流通ルールに関する研究
    会」で検討されたところである。
     法令に違反したコンテントの掲載を苦情・通報等を受けて確認後も放置
    した場合、電気通信事業者としての責任も生じ得るため、電気通信事業者
    には対応を講ずる直接的な動機がある。しかし、コンテントが法令違反の
    程度まで至らない場合、あるいは法令違反かどうか判別がつかない場合は、
    電気通信事業者としては、苦情・通報等を受けたとしても、自己の顧客で
    ある発信者に対して、警告、掲載情報の削除(又は表示停止)、契約解除
    等の措置をとることに関して消極的な方向に流れやすく、放置してしまう
    ことがある。
     このような課題に対しては、削除等の電気通信事業者の対応を促進する
    仕組み、あるいは警告等の措置を電気通信事業者に代わって行う仕組みの
    創設が有効であると考えられる。
   2)電気通信事業者による削除等の判断が困難な場合がある。
     違法・有害情報の掲載に関して、警告・削除・契約解除等の措置は掲載
    内容の判断を行った上でとられることとなるが、明白な法令違反の場合以
    外については判断が困難な場合が多く、個々の事例毎に微妙な判断が求め
    られる場合が多い。
     このような課題に対しては、判断基準が可及的に明確化されることが望
    ましく、電気通信事業者の自主的対応に関するガイドラインの充実や不適
    正利用があった場合の対応に関するモデル約款の作成が的確な対応に役立
    つと考えられる。また、不適正利用の今後の態様の変化にも柔軟に対応す
    るため、事例が集積・分析され、対応マニュアルとして電気通信事業者に
    フィードバックされる仕組みや電気通信事業者が被害者から苦情を受け、
    発信者を特定して警告・削除・契約解除等の一連の措置をとる場合、これ
    らの判断の助言を得られる仕組みを作ることが有効であると考えられる。
   3)違法・有害情報の常時モニタリングは困難である。
     電気通信事業者が自らの管理するサーバへアップロードされる違法・有
    害情報を常時モニタリングすることは困難であることから、これを補完す
    る仕組みが必要である。
     このような仕組みの一例として、一般から違法・有害情報についての苦
    情を受け付け、電気通信事業者等に通知する苦情対応ホットラインの創設
    が考えられる。このような取組は第2章において紹介したように、すでに
    欧州諸国において精力的に取り組まれており、これらの国の間で連携が進
    みつつあるものである。
     また、電気通信事業者の対応を技術的に支援する方策として、不適正な
    利用に係る情報をキーワード検索や配色パターン認識等で検知し、自らが
    管理するサーバへそのような情報がアップロードされたことを電気通信事
    業者に対して効率よく注意喚起するツールが考えられるが、今後の開発が
    期待されるところである。
   4)契約関係等の利害関係のない者の判断でないと発信者が納得しない場合が
    ある。
     違法・有害情報の掲載に関して、電気通信事業者が約款に基づいた警
    告・削除・契約解除を行ったとしても、契約当事者でない者の中立的な判
    断でなければ、発信者がこのような措置を受けたことについて、一方的な
    措置であるとして納得しない場合がある。
     このような課題に対しては、課題1)と同様、契約等の利害関係のない者
    による苦情対応の仕組みの創設が有効であると考えられる。
   5)電気通信事業者間をまたがると対応が曖昧になる。
     被害者が自分の契約している電気通信事業者に苦情を申し立てても、発
    信者が異なる電気通信事業者の顧客である場合には、電気通信事業者間等
    の連携関係が未成熟であることにより、対応が誠実に行われない場合があ
    る。
     このような課題に対しては、電気通信事業者間等の連携のルール作りや
    これらの円滑な連携を仲介する仕組みの創設が有効であると考えられる。
  b.その他
   6)発信者が不明だと被害者が謝罪及び損害賠償の請求等の手段に訴えられな
    い。
     例えば、ある者の誹謗中傷情報がホームページ上に掲載されている場合、
    そのような誹謗中傷を受けた者が電気通信事業者に発信者が誰か照会して
    も、「通信の秘密」として保護されている等の理由から発信者情報の開示
    を拒否される現状がある。
     このような課題に対しては、情報通信の不適正な利用がなされている一
    定の場合に、発信者の探索を行い発信者情報を被害者に開示する制度の創
    設が有効であると考えられる。

 イ 1対1の電子メールについて
    1対1の電子メールにおいては、電気通信事業者等において通信内容に関
   与することが許されないため、これに着眼した措置に関する課題1)〜4)は基
   本的には無関係である。ただ、課題2)において、事例が集積・分析され、対
   応マニュアルとして電気通信事業者にフィードバックされる、あるいは電気
   通信事業者が判断の助言を得られる仕組みを作ることは電子メールの対応に
   おいても有効であると考えられる。
    課題5)については、インターネットにおいて電子メールの発信者と受信
   者が異なる電気通信事業者等のサーバに属している場合、発信者に対して注
   意喚起等の対応を行う発信者側の電気通信事業者等は受信者と直接の関係が
   なく、電気通信事業者間等の連携関係が未成熟であることにより、対応が誠
   実に行われない場合があり、公然性を有する通信同様に課題となる。
    また、課題6)についても、発信者が自らの氏名や連絡先を明示して発信し
   ているのでないかぎり発信者は不明のままであり、公然性を有する通信同様
   に課題となる。
    これらのほか、1対1の電子メールについて特有の課題としては、以下の 
   ようなものがあげられる。

  (不適正利用の抑止、予防)
   7)被害防止のための技術・サービス開発が進んでいない。
      電子メールにおいては、電気通信事業者が内容に着目した対応は原則
     としてとるべきでないことから、技術的な対応を中心とした対応が考え
     られる。しかし、この被害防止のための技術・サービス開発は進んでい
     ないのが現状である。
      これに対しては、国等による技術開発・導入に向けた普及活動や電気
     通信事業者によるサービス開発・導入に関する努力が有効であると考え
     られる。

 ウ 電話・FAXについて
   電話・FAXについても、1対1の電子メールについての課題2)5)6)につい
  ての対応は妥当するものと考えられる。

4 小括
  本章において示された対応を集約すると、以下の1)〜6)のようになる。
 1)情報発信に対する社会的なルール、自己防衛についての情報の周知。
 2)国及び電気通信事業者による被害予防、不適正利用対応のための技術開発・導
  入。
 3)情報通信の不適正利用がなされている一定の場合に、加害者である発信者の氏
  名等の情報を被害者に開示する制度の創設。
 4)情報通信の不適正利用に関して、電気通信事業者による警告・削除等の対応
  (公然性を有する通信の場合)への助言や不適正利用の事例を収集・分析する
  など、電気通信事業者の取組を支援・補完する仕組みの創設。
 5)苦情対応に関係する電気通信事業者間の連携のルール作りや複数の電気通信事
  業者の円滑な連携を仲介する仕組みの創設。

  このうち、1)については、そもそも発生からの対応として、不適正利用の全て
 の類型に係るものである(ただし、「公然性を有する通信」においては、被害の
 自己防衛は困難なことが多いことから除いて考えている)。
  3)の発信者情報開示については、発信者情報の開示機関の創設も含めて、「高
 度情報通信社会に向けた環境整備に関する研究会」及び「電気通信サービスにお
 ける情報流通ルールに関する研究会」などの研究会で引き続き検討すべき課題と
 して指摘されていたところであり、その検討については第4章において行う。
  4)、5)は主として情報通信の不適正利用の苦情対応に関するものである。これ
 らは一括して実現されなければならないものではなく、可能なものから順次実現
 していくことが必要である。このため、現在、(社)テレコムサービス協会のガ
 イドラインの提示、モデル約款の検討及び苦情対応事例の収集のように民間で自
 主的に行われている取組の一層の促進が図られることが望まれる。
  情報通信における不適正利用への対応を十全ならしめるために、近年、その意
 義が大きくクローズアップされるようになってきた裁判外紛争処理(ADR;
 Alternative Dispute Resolution)を行っている機関で、以下の点において工夫
 を図っているものがあり、参考にすべきであろう。
 ア パンフレットや広告などにおいて、その苦情対応・紛争処理の仕組み・機関
  の存在を広く周知する。
 イ 法曹関係者、専門家等による諮問委員会の設置を行い、専門的見地からの助
  言・判断を得る。
 ウ 情報通信の不適正利用に関する苦情対応に対して、研修等により一定の資格
  を付与する制度整備を検討し、苦情対応にあたる職員に資格該当者を充て、人
  的な面でのレベルアップを図る。
 エ 外部の苦情対応機関、関係省庁、弁護士会仲裁センター等との緊密なネット
  ワークを形成する。
 オ 事例や対応の計算機処理・検索などが容易になるようなデータベース構築方
  法を採用する。また、統計データの作成、苦情対応・紛争処理に係る定期的な
  レポートを作成する。

         表3.1 不適正利用に関する課題と取組

    不適正利用の例
          課題          
          取組          
 
 
 
社
会
的
法
益
侵
害
 
 
公然性を
有する通
信   
    
    
    
    
    
    
    
    
    
○わいせつ情報を 
 ホームページに 
 掲載      

○ねずみ講をホー 
 ムページで勧誘 

○毒物・薬物をホーム
 ページで販売勧誘
         
         
         
         
         
○事業者が自らの顧客に対して対応が消極的  
                      
                      
○電気通信事業者の削除等の対応を促進する仕 
 組み、あるいは警告等の措置を電気通信事業 
 者に代わって行う仕組みの創設       
○事業者等による削除等の判断が困難     
                      
○事業者が不適正利用の削除等の対応を行うに 
 際して助言等を行う仕組みの創設      
○違法・有害情報の常時モニタリングは困難  
                      
                      
○事業者の対応を支援する仕組みの創設(苦情 
 対応ホットライン)、対応支援技術の開発  
                      
○事業者間をまたがる対応が曖昧になる    
                      
                      
○事業者間の連携のルール作りや複数の電気通 
 信事業者の円滑な連携を仲介する仕組みの創 
 設                    
          −           
○情報発信に対する社会的なルールの周知   
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
個
人
的
法
益
侵
害
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
    
    
    
    
    
    
    
    
○他人の誹謗中傷 
 を掲示板に書き 
 込み      
○他人の著作物を 
 無断で掲載   
○他人の個人情報 
 を無断で公開  
         
(上記に加えて)              
○「通信の秘密」のために発信者を開示できな 
 いと被害者は賠償請求できない       
                      
                      
                      
                      
                      
(上記に加えて)              
○発信者情報を被害者に開示する制度の創設  
                      
                      
                      
                      
                      
                      
1対1の
通信  
(電子 
メール)
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
○広告・勧誘等受 
 信者にとって不 
 要・不快なメール
         
○メール爆弾   
         
         
         
         
         
         
         
         
         
○被害防止のための技術・サービス開発が進ん 
 でいない。                
                      
                      
○技術・サービス開発・導入         
                      
                      
                      
○事業者間をまたがると対応が曖昧になる   
                      
                      
○事業者間の連携のルール作りや複数の電気通 
 信事業者の円滑な連携を仲介する仕組みの創 
 設                    
○「通信の秘密」のために発信者を開示できな 
 いと被害者は賠償請求できない       
                      
                      
                      
○発信者情報を被害者に開示する制度の創設  
                      
                      
                      
                      
          −           
                      
○情報発信に対する社会的なルール、自己防衛 
 についての情報の周知           
1対1の
通信  
(電話・
FAX)
    
    
    
    
    
    
○迷惑電話、   
 迷惑FAX   
         
         
         
         
         
         
         
         
○事業者間をまたがると対応が曖昧になる   
                      
                      
○事業者間の連携のルール作りや複数の電気通 
 信事業者の円滑な連携を仲介する仕組みの創 
 設                    
○「通信の秘密」のために発信者を開示できな 
 いと被害者は賠償請求できない       
                      
                      
                      
○発信者情報を被害者に開示する制度の創設  
                      
                      
                      
                      
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○情報発信に対する社会的なルール、自己防衛 
 についての情報の周知           


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