資料9 ITSによるCO2排出削減量の試算



 最先端の情報通信技術等を活用し、渋滞の削減や効率的な道路交通の確保等を図
るITSについては、高度情報通信社会における他の分野との連携や情報通信イン
フラの整備等を図りつつ、21世紀初頭の概成を目指して推進し、二酸化炭素排出
量の削減に貢献する。

 1)ナビゲーションの高度化
   リアルタイムな道路交通情報をナビゲーションシステムに提供し、ドライ 
   バーに最適な行動の選択を可能とするVICS(道路交通情報通信システム)
   について、21世紀初頭までに全国展開を図り、渋滞を緩和する。

 2)自動料金収受システム
   料金所で一旦停止することなく自動的に料金の支払いを可能とする自動料金
  収受システム(ETC)について、21世紀初頭までに全国展開し、有料道路
  の料金所での渋滞を解消する。

 3)交通管理の最適化
   管制センターの高度化及び信号機の集中制御化を実施することにより、交通
  量に応じた信号制御を行い、渋滞の緩和等円滑な交通の確保を図る。


試算の考え方
  平成9年(1997年)の「地球環境問題への国内対策に関する関係審議会合同
 会議」に対して、ITSの推進に関係する5省庁(警察庁、通商産業省、運輸
 省、郵政省、建設省)により行われた試算に基づく。
  ITSは、現在の推進計画に沿って、高度情報通信社会における他の分野との
 連携や、情報通信インフラの整備が図られ、21世紀初頭に概成していることを
 前提とした。

                       
                       
  CO2排出削減量   
     (万t−C)   
ナビゲーションの高度化(VICSの普及)   
      59     
自動料金収受システムの普及          
       2     
交通管理の最適化(交通管制センターの高度化等)
      46     
     ITSによる削減効果の合計     
     107     

(注)・ナビゲーションの高度化について、2010年までにVICSが全車両の
    2割の車に普及し、渋滞回避効果により車両の平均走行速度が2〜6%向
    上すると想定した。
   ・自動料金収受システムの普及について、2010年までに有料道路の料金
    所のレーン当たりの処理能力が4倍に向上し、料金所の容量不足による渋
    滞が解消されるものと想定した。
   ・交通管理の最適化について、管制センターの高度化等により、2010年
    までに全国平均で信号機1基当たり16秒/(台・基)の旅行時間短縮効果が
    得られると想定した。


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