資料33 バンコク首都圏における情報通信による業務交通代替率の試算



   [電気通信による途上国の環境改善支援に関する調査研究((財)未来工学研究
   所、1994)による]

 
 試算の前提等
 (a)対象移動行動の比率 → (通勤 + 業務外出) / 全移動行動 
    通勤(職場と家庭の往復) 全ての移動行動の37.7% 
    業務外出(会合、銀行等) 全ての移動行動の13.0% 
 (b)ホワイトカラー比率 → 低位: 20%、中位: 35%、高位: 50%と
    推定
 (c)潜在的代替願望 → アンケート調査(回答数266)の結果より設定
    通勤:   67.0%(管理職) 85.4%(一般)
    業務外出: 40.0%(管理職) 81.5%(一般)
     業務外出の内の徒歩比率: 20%
     テレワーク実施比率の想定:低位: 20%、中位: 40%、高位: 60%
 (d)管理職と一般従業員の人口比率の推定 → 0.05:0.95
 (e)代替に寄与する情報通信の比率→ アンケート調査結果より設定
    テレワークに肯定的回答をしたアンケート回答者の内、情報通信を条件と
    してあげた人の比率で、37.7%(管理職)、56.6%(一般)


 
 試算結果
   (a) 情報通信による業務交通代替比率
     
     
通 勤
   
業務外出
    
 計 
   
高位ケース
5.3 % 
2.3 %  
7.6 %
中位ケース
2.5 % 
1.6 %  
4.1 %
低位ケース
0.7 % 
0.9 %  
1.6 %
 注)数値は全移動行動に占める割合


  (b) 交通代替率の評価
    
    
トリップ数 (1989)
  1000トリップ/日 
トリップ数 (2006)
  1000トリップ/日 
トリップ増に対する 
交通代替削減効果
通勤  
   4,890   
   9,438   
 1.5〜11.0 %  
業務外出
   1,616   
   3,021   
 1.9〜4.9 %  
注)トリップ数は徒歩、自転車によるものは除く(JICA資料)。
  代替削減効果は、1989年〜2006年への増加トリップに対      
  する削減寄与率。



  (c) 交通代替による環境改善効果
                              単位(:t)
  
  
  
タイ全土の  
自動車からの 
全排出量*1 
バンコク地域の 
自動車からの 
全排出量*2 
バンコク地域の 
乗用車からの 
全排出量*3 
バンコク地域の      
乗用車の通信代替による
排出削減量*4     
Sox
  
  
  57,000  
       
       
  13,098  
       
       
  11,970  
       
       
   高位: 909   
   中位  490   
   低位  192   
Nox
  
  
 177,000  
       
       
  43,188  
       
       
  37,170  
       
       
   高位 2,825   
   中位 1,524   
   低位  595   
CO2
  
  
 5,404,000 
       
       
 3,318,576 
       
       
 1,134,84,0 
       
       
   高位 86,248   
   中位 46,528   
   低位 1,815   

注)*1:「アジア地域におけるエネルギー利用と地球環境」(科学技術庁、19
      92)
  *2:バンコク地域に登録されている自動車登録台数の対全国比率(24.4
     %)より算出
  *3:バンコク地域に登録されている乗用車登録台数の対全国比率(21.0
     %)より算出
  *4:通信による代替率を高位 7.6%、中位 4.1%、低位 1.6%と仮
     定した場合


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