3 情報通信のトレンド 「ネット化」、「モバイル化」、「ネットのモバイル化」  インターネット及びモバイル通信は、我が国の情報通信分野において急速にその重要性を増してきている。  11年度におけるパソコンの国内出荷台数は、対前年度比31.9%増の994.1万台であった。一方、カラーテレビの国内出荷台数は、近年減少傾向にあり、11年度の国内出荷台数は対前年度比0.3%減の1014.6万台となっている(図表1))。両者の差は徐々に縮まる傾向にあり、逆転も視野に入っている状況である。パソコンユーザーの約9割が、パソコンをインターネットに接続しているか、接続する意向を持っている(1-序-2参照)ことを踏まえると、カラーテレビの普及率が飽和に達しているとはいえ、未だマスメディアの中心的な存在であるカラーテレビの出荷台数に接近していることは、「ネット化」の流れを示す象徴的な現象とみることができる。  次に指摘できるのが、「モバイル化」の流れである。ここ数年間、東西NTT加入電話契約数は減少を続けており、11年度末には、5,545万契約となった。他方、モバイル通信(携帯・自動車電話及びPHS)契約数の合計は増加を続け、11年度末には5,685万契約となり、両者の数値は12年中に逆転した(図表2))。いわば「電話は携帯」の時代が到来することとなる。  さらに、11年から開始された、携帯電話端末単体でのインターネットアクセスサービスは、インターネットへのアクセスを身近なものとし、例えば、NTTドコモグループのiモードは、サービス開始のおよそ1年後の12年2月末現在で447万契約に達した。これによりNTTドコモグループは、我が国の主要ISPと比較して、最も契約数の多いISPとなっていることがわかる(図表3))。今やインターネット接続サービスですらモバイル通信が大きなウエイトを占めており、「ネットのモバイル化」の流れが始まっている。