6 インターネット接続端末の多様化 携帯電話からのインターネット利用者は昨年の4倍に  携帯電話によるインターネット接続サービスの登場により、これまでパソコンが主流であったインターネット接続端末についても多様化が始まっている。またインターネット住宅や、エアコン等いわゆる「白物家電」をインターネットに接続する商品等も実用化されており、従来の情報機器の枠を超えたインターネットの活用が顕在化してきている。 1)インターネット接続可能な携帯電話・PHS端末の普及  平成12年末のインターネット利用者におけるパソコン及び携帯電話・PHS端末利用者の数をみると、携帯電話・PHS端末利用者は昨年の571万人から、2,364万人になり、およそ4倍の伸びとなっており、この増加がインターネットの普及を大きく推し進めていることが確認できる(図表1))。また、パソコンと携帯電話の両方を利用している人も1,548万人(全インターネット利用者の32.9%)と大幅に増えており、携帯電話・PHSの非常に高い携帯性から、場所と場面によって利用端末を使い分けているものと想定される。さらに、パソコンのキーボードの利用能力別にインターネットを利用している端末をみると、キーボードの利用が不得意な人は、パソコンよりも携帯電話・PHSを用いてインターネットにアクセスしていることが分かり(図表2))、携帯電話・PHSによるインターネットは、パソコンの利用が不得意な人にも、インターネット利用を促す効果を有していると考えられる。  各携帯電話事業者の公表によると、平成13年3月末の携帯電話事業者によるインターネット接続サービスであるiモード、EZweb(EZaccessを含む)、J-Skyサービスの加入者数は3,456万加入に達した。また、いずれの携帯電話インターネットサービスも、既に他の主要インターネット接続サービス事業者の契約数を上回っており、インターネット接続事業者としての比重も一層高まっている(図表3))。  また、平成12年11月には楽曲データをダウンロードし再生できる機能を持ったPHS端末が登場、将来的にはインターネットからのダウンロードも可能になることが想定され、インターネット端末として利用できるサービス・コンテンツの多様化も進んでいる。さらに、平成13年5月にはIMT-2000の試験サービスが開始され、同年10月には商用サービスが開始される予定であり、通信速度が大幅に向上するとともに、PDA等他の携帯情報端末に接続して利用することにより、移動時にも在宅時と遜色ないインターネット利用の実現が期待されている。 2)インターネット接続端末の多様化  携帯電話の他にも、インターネットに接続し利用することが可能な新たなインターネット接続端末が登場してきている(図表4)、5))。  テレビ機能を備えたパソコンは、現在パソコンメーカー各社が製品を発表しており、現在およそ3機種に1機種程度がテレビ機能を有している。このほか、インターネットが閲覧可能なワイヤレステレビや、インターホンと組み合わされたインターネットコミュニティ端末等、生活空間における情報端末の新たな在り方を模索するものや、インターネットを介して献立情報を取得する電子レンジ、外出先からインターネットを介して制御できるエアコンなど、ネットワークを活用して生活をより便利にするもの、電子ポットの使用状況を監視し、監視データを常時インターネットで発信することで、独居老人等の安否確認を行うもの等が登場している。これらのいわゆる「情報家電」は、今後生活の中に浸透してくるものと想定される。  このように、オープンで、自由な接続が可能であるインターネットの特徴を活かした端末は、今後ますます多様化することが予想される。しかし、これらの端末はインターネットに常時接続されることにより意味をもつものが多く、今後、常時接続型のアクセス回線環境が広く普及することと、情報家電端末の応用の可能性が広がることは、密接に関連している。 図表1) インターネット接続端末の多様化 図表2) タイピング能力別に見た現在利用しているインターネット接続端末 図表3) 携帯電話のインターネット接続サービスと大手ISPの例における契約数の比較 図表4) 最近登場した主なインターネット接続端末 図表5) 情報家電のイメージ