4 生産性 昭和60年から平成11年における情報通信産業の労働生産性年平均成長率は4.4% 1)産業別労働生産性の比較  平成11年(1999年)における情報通信産業の労働生産性(実質国内生産額÷雇用者数)は2,769万円となっており、昭和60年(1985年)以来順調に伸びており、特に平成7年(1995年)以降は伸びが加速している。昭和60年(1985年)から平成11年(1999年)における労働生産性の年平均成長率を、主な産業について比較すると、情報通信産業は最も高い4.4%となっている(図表1))。   2)情報通信産業における部門別労働生産性の比較  労働生産性を情報通信産業における部門別で比較すると、昭和60年(1985年)から平成11年(1999年)における年平均成長率の伸びが最も高い部門は電気通信(13.1%)であり、平成11年(1999年)には昭和60年(1985年)の約5倍である5,856万円となっている。また、平成11年(1999年)における労働生産性が最も高い部門は情報通信機器賃貸の7,142万円である(図表2))。   3)産業別全要素生産性(TFP:Total Factor Productivity)成長率の比較  全要素生産性成長率(注)とは、労働生産性や資本生産性といった単一の生産性ではなく、中間投入・労働・資本の全てを考慮した生産性の成長率を意味しており、労働生産性、資本生産性、技術革新のほか、法律や規制等の制度的な要因も含まれる。なお、全要素生産性成長率の計測に当たっては、生産量の成長率から全生産要素の成長率を除いた値とする。  平成7年(1995年)から11年(1999年)における全要素生産性成長率を情報通信産業と主な産業について比較してみると、最も高いのは情報通信産業の8.29%、次いで電気機械の3.95%、小売の1.94%となっている。全産業計の全要素生産性成長率0.74%と比較して、情報通信産業の全要素生産性成長率は非常に高いことが分かる(図表3))。 図表1) 産業別労働生産性の比較(昭和60年を100とする) 図表2) 部門別労働生産性の比較(昭和60年を100とする) 図表3) 産業別全要素生産性成長率の比較   (注)全要素生産性成長率の推計について 全要素生産性の成長率は「平成7年産業連関表」(総務庁(現総務省))とこれをRAS法により延長推計した「平成11年郵政産業連関表」(総務省)を用いて計算した。 なお、その算術式は、以下のとおり。 全要素生産性の成長率=実質国内生産額の成長率−α×雇用者数の成長率−β×実質資本 減耗引当の成長率−γ×実質中間投入額の成長率 (ただし、α+β+γ=1)