3 サービス ITを活用したサービス改善が顕著  郵便サービスは、なるべく安い料金で、あまねく公平に提供されている。また、利用者ニーズの変化や多様化にきめ細かく対応するため、毎年各種サービス改善が行われており、特に最近はパソコンの普及等にともなうIT化を反映したサービス改善が顕著になっている。なお、先進主要国の主な郵便事業体においても、IT社会に対応したより多くのサービスを実施している(図表)。  最近のサービス改善の実施状況は次のとおりである。   1)ITを活用した郵便サービス (i)ハイブリットめーるサービス  パソコンで作成した文字・写真・イラストを24時間インターネットにより手軽に郵便として差し出せるサービスを平成12年2月1日から実施している。カラー印刷も可能で、利用開始から平成13年3月までで約36千件、約260千通が利用されている。 (ii)電子内容証明(e内容証明)サービス  差出人がパソコンで作成した内容証明を希望する文書をインターネットにより引き受け、電子的に内容証明の処理を行って作成した内容文書と謄本を封入封かんし、受取人には内容文書を、差出人には謄本を配達するサービスで平成13年2月1日から実施している。 (iii)「ゆうびんホームページ」追跡サービス(郵便追跡システム)の携帯電話対応  「ゆうびんホームページ」で平成9年4月から提供している『郵便追跡システム』を、平成12年3月からNTTドコモグループのiモード対応の携帯電話から、平成12年7月からKDDIのEzweb対応の携帯電話から利用できるようにした。 (iv)インターネットによる「ふるさと小包」申し込みサービス  従来からの郵便局窓口での郵便振替等による方法に加えて、(財)ポスタルサービスセンターが開設したホームページからインターネットによる申込みが可能となっており、平成12年度末現在6,036品の申込みが可能となっている。   2)その他の郵便サービス (i)ISO9001の認証取得  「チルドゆうパック」の取扱いについて、国の機関として初めて品質管理及び品質保証の国際規格であるISO9001の認証を取得した。また、本庁、地方郵政局のほか、チルドゆうパック取扱郵便局全局(4,926局、平成13年3月末現在)を対象として認証を取得し、その規模は国内最大である。 (ii)本人限定受取郵便サービス  書留(簡易書留を除く。)とした郵便物を郵便局の窓口において、名あて人本人又は差出人の指定した代人のみに交付する特殊取扱で、平成13年3月1日から実施している。 (iii)集荷受付フリーダイヤルの導入  フリーダイヤル(0120−950−333)に電話した後、音声ガイダンスにそって操作を行うと、ユーザーの受持郵便局につながるサービスを平成12年7月から開始しており、現在東京都区内など一部の都市で実施している。 (iv)日曜日及び祝日配達の改善  速達、小包、再配達郵便物及び配達時間帯指定郵便物の日曜日及び祝日における午後5時以降の配達を東京都特別区、名古屋市及び大阪市において実施していたが、平成12年10月1日から、これを全国へ拡大した。 (v)21世紀年賀押印サービスの実施(コラム3参照)  平成13年用年賀においては、新世紀の年賀状にふさわしいサービスを提供するため、「2001.1.1年賀」の文字や都道府県ごとの図柄の入った日付印による「21世紀年賀押印サービス」を実施し、約7億通の年賀郵便物に押印を行った。 (vi)郵便料金減額制度等の改善  第三種郵便物、一般小包郵便物及び冊子小包郵便物について、事前区分作業等お客様の負担によって軽減されたコスト分を還元する料金減額制度等の一層の改善を行った。 ア 第三種郵便物、一般小包郵便物及び冊子小包郵便物について、一定数以上の郵便物を事前に区分した上、ロールパレット等の指定容器に納めて差し出した場合の新たな料金減額率を設けた。 イ 一般小包郵便物及び冊子小包郵便物の月間減額率について、差出し月の前6か月間の利用実績に応じた減額率を加算することとした。 ウ 冊子小包郵便物について、形状及び重量が同一のものを同時に1万個以上差し出した場合に、1千個以上の差出しに適用される現在の特別料金よりも更に安い特別料金を設けた。 エ 冊子小包郵便物の月間減額率を大幅に拡充するとともに、最低差出個数の引き下げや差出個数に応じた減額率の段階を細分化した。 (vii)科学万博ポストカプセル2001(コラム4参照)  1985年(昭和60年)に開催された国際科学技術博覧会を記念して差し出されたポストカプセル郵便物を、2001年(平成13年)1月1日に全国へ配達した。 (viii)国際スピード郵便(EMS) ア 平成12年3月から香港及びシンガポールとの間で行っているEMS配達時間保証(タイムサーテン)サービスを、同年5月1日から韓国・ソウル市との間において実施した。 イ 国際スピード郵便(EMS)追跡システム接続国・地域を平成12年6月1日から拡大した(26か国・地域→31か国・地域) ウ 重量30kgまでのEMSを取り扱うことができる国・地域を平成12年7月3日から拡大した(49か国・地域→52か国・地域) 図表 諸外国郵便事業体のIT社会に対応したサービス