4 グローバルアライアンス 加速する業態の垣根を超えた再編  2000年の動きとして、ドイツテレコム(DT)、フランステレコム(FT)、スプリントにより設立された国際通信アライアンス「グローバルワン」は、DTとFTのパートナーシップの解消が表面化した。グローバルワンについてスプリントとDTが所有する全ての株式の買取りについてFTが合意し、2000年1月「グローバルワン」はFTの完全子会社となり、国際電気通信事業を提供している。  その他、国内の電気通信事業者の動きとしては、NTTドコモが、KPNモバイル、ハチソン3G UK、AT&Tワイヤレス、KGテレコムへの出資によりオランダ、イギリス、米国、台湾におけるIMT-2000及びモバイルマルチメディアサービスの早期展開を図ろうとしている。また、AOLとの提携により新たなインターネットサービスの共同開発を行っている。また、NTTコミュニケーションズが、米国・ヨーロッパ等のグローバル市場において、IP事業を展開するため、2000年9月、米国インターネット接続事業者のVerio(ヴェリオ)社を買収した(図表1))。  一方、メディア業界においては、2000年には合併により、AOLタイムワーナーやヴィヴェンディ・ユニバーサル(仏ヴィヴェンディと加シーグラムが合併)といった世界最大規模のメディア企業が設立される等、大規模な再編が続いている。欧州においては、英ピアソン、独ベルテルスマン、ベルギーGBLにより欧州最大規模の放送事業者RTLグループが登場し、米国においてはMTVやパラマウント映画等を保有するメディアグループ、バイアコムがテレビネットワークCBS、UPNを買収したほか、米最大のケーブルテレビ事業者でもあるAT&Tがケーブルテレビ事業者メディアワンを買収している。また、BskyB等の衛星放送事業者を傘下に有する豪ニューズ・コープは米DirecTVと合併交渉を進めているところである。  我が国においても、2000年9月にはケーブルテレビ事業者であるジュピターテレコムとタイタス・コミュニケーションズの統合、同年10月には、ディレクTVジャパンの終了にともなうスカイパーフェクト・コミュニケーションズ(スカイパーフェクTV!)との統合等、業界再編が進展している(図表2))。 図表1) グローバルアライアンスの進展(電気通信) 図表2) グローバルアライアンスの進展(放送)