コラム4 「科学万博ポストカプセル2001」の配達  「科学万博ポストカプセル2001」は、1985年(昭和60年)に開催された国際科学技術博覧会を記念し、手紙文化の普及と国民に未来への夢を与えることを目的として実施された施策である。  期間中に引き受けた郵便物は約328万通であったが、引受けから配達まで16年近くが経過し、その間に住所が変わった方々が多数出てくることが想定されたことから、1通でも多くの郵便物を配達するため、平成12年9月1日から同年12月31日までの間、郵政省(現総務省郵政事業庁)では、一般の転居届とは別にポストカプセル郵便物専用の住所・居所変更の申出を特別に受け付けた。  この住所等の変更申出により約7万4千通の郵便物を処理した結果、2001年(平成13年)の1月1日には、引受物数の約92.5%に当たる約303万通の郵便物を専用のデザイン封筒に納入等して配達することができた。  配達した郵便物の中には、当時の中曽根総理大臣から森前総理大臣にあてたもの、当時の左藤郵政大臣から片山郵政大臣(現総務大臣)にあてたものも含まれていた。ポストカプセル郵便物を受け取った方々からは、その喜びの声等が新聞ほか各種メディアで取り上げられ、大きな反響が寄せられたところである。  インターネットや携帯電話が急速に普及している状況にあるが、16年の歳月を経て配達されたポストカプセル郵便物は、電子メール等では得られない「ぬくもり」「あたたかさ」といった、手書きの文字による手紙文化のすばらしさを私たちが再認識するよい機会となったと考えられる。 1)ポストカプセル専用封筒・シールの使用例(イメージ) 2)移送出発式の模様 3)周知用ポスター(各郵便局に掲出) 4)年賀・ポストカプセル郵便物元旦出発式の模様