第1節 世界最先端を目指す情報通信ネットワークの現状 要旨 第1節のポイント  IT活用型社会の実現のためには、IT活用の基盤となる情報通信ネットワークの整備が不可欠である。「e-Japan重点計画」では、我が国が5年以内に世界最先端のIT国家になるという目標を実現するため、重点分野の一つとして「世界最高水準の高度情報通信ネットワークの形成」が挙げられている。  第1節では、世界最高水準を目指した情報通信ネットワークの現状について、インターネットの普及状況、特にブロードバンドや携帯インターネットの動向とともに、放送のデジタル化の現状について概観する。 (インターネットの普及状況) ○我が国のインターネットの普及は着実に進展している。平成13年12月現在、インターネット利用者数は5,593万人(対前年比18.8%増)と推計され、1年間で885万人の増加を示した。また、人口普及率は、対前年比6.9ポイント増の44.0%となった。 ○インターネットの世帯普及率も対前年比26.5ポイント増の60.5%と全世帯の6割を超え、各世帯でのインターネット利用が急速に進んでいる。 ○世界におけるインターネット利用者数は、2002年2月現在、約5億4,420万に達し、また、人口普及率を国際比較してみると、スウェーデン、アイスランド、デンマークの上位3か国は60%を超えている。我が国の人口普及率44.0%は、16番目になっている。 (飛躍的に拡大するブロードバンド) ○DSLが牽引役となって、ブロードバンド加入者数が急速に増加している。平成14年3月末現在のブロードバンド加入者数は、387万加入と1年間で4.5倍になり、特に、DSLは238万加入と、この1年間で34倍と爆発的な伸びを示している。また、平成17(2005)年度末には、ブロードバンド加入世帯数は、約2,000万世帯と推計されている。 ○世界的にも諸外国におけるブロードバンド化の動きは本格化しており、特に韓国は著しい進展をみせている。 (第3世代携帯電話のスタート) ○我が国の携帯インターネットは、平成14年3月末現在で5,193万加入に達しており、サービス開始以来わずか3年余りの間に5,000万加入を突破し、世界を大きくリードしている。 ○平成13年10月には、世界に先駆け第3世代移動通信システム(IMT-2000)の本格サービスがNTTドコモグループより開始され、続いて、平成14年4月からはKDDIグループがサービスを開始した。同年12月にはJ-フォンが本格サービスを開始する予定となっている。 (放送のデジタル化) ○平成14年3月に、東経110度CSデジタル放送が開始された。BSデジタル放送と共用の受信機とアンテナで視聴できることから、BS・CS両デジタル放送があいまって普及が促進されるものと期待されている。 ○地上デジタル放送は平成15(2003)年末までに、関東・近畿・中京の三大広域圏で、平成18(2006)年までに、その他の地域で開始される予定である。地上放送のデジタル化は、ほぼ全世帯に普及するテレビを家庭における簡便な高度情報通信端末とするものであり、高度情報通信ネットワーク社会のゲートウェイとしての意義を有している。 @@