(3)電子自治体に対する評価 −電子自治体の推進は仕事の質の向上、スピードアップに一定の効果 (1)地方公共団体における現状の電子自治体に対する自己評価  地方公共団体においては、前述のとおり、パソコンや庁内LANの整備、ホームページの開設等、電子化のための取組を推進しているところである。そこで、「電子自治体の動向に関する調査」では、地方公共団体に電子化の現状に対する自己評価について、「行政機関内部の情報化」と「住民・企業と地方公共団体との間のオンライン化」に分類し、各項目についてアンケート調査を行っている。  「行政機関内部の情報化」においては、「庁内ネットワークの整備」では、十分満足な内容が14.0%、ある程度満足な内容が45.1%、「庁内の情報機器の整備」では、十分満足な内容が8.9%、ある程度満足な内容が44.4%、「内部共通事務システム」では、十分満足な内容が4.3%、ある程度満足な内容が43.0%、「個別業務システム」では、十分満足な内容が2.1%、ある程度満足な内容が35.6%となっている。また、「地方公共団体と住民・企業との間のオンライン化」においては、「ホームページからの情報発信」では、十分満足な内容が3.2%、ある程度満足な内容が36.2%、「電子会議室等の住民との情報交流」では、十分満足な内容が0.2%、ある程度満足な内容が 3.9%、「申請・届出等手続の電子化」では、十分満足な内容が0.1%、ある程度満足な内容が2.9%となっている。さらに、これらを踏まえた「総合評価」では、十分満足な内容が0.1%、ある程度満足な内容が20.4%となっている(図表1))。  また、地方公共団体の電子化に当たって行われた、制度や組織、業務プロセスの見直し等の主な取組状況については、「情報公開の推進」(39.8%)、「情報共有の推進」(33.6%)が上位となっている。さらに、これらの取組を行っている地方公共団体毎に「現状の電子自治体に対する自己評価(総合評価)」をみると、全体平均に比較して「十分満足な内容」あるいは「ある程度満足な内容」であると自己評価している割合が総じて高い傾向にある(図表2))。 (2)地方公共団体職員における現状の電子自治体に対する評価  既にみたとおり、地方公共団体の電子化の現状に対する自己評価については、行政機関内部の情報化で「十分満足な内容」あるいは「ある程度満足な内容」と回答している団体が多い傾向がうかがえる。  そこで、地方公共団体の電子化に対する評価として、「行政機関内部の情報化」の主な利用者である地方公共団体の職員に対して、地方公共団体の電子化による仕事の変化を聞いたところ、結果は図表3)のとおりであった。仕事の量・質・スピードのいずれにおいても「非常によい影響」あるいは「良い影響」と回答した職員が4割を上回っており、とりわけ、仕事の質や仕事のスピードでは、6〜8割前後の職員が「非常によい影響」あるいは「良い影響」があったとしている。このことから、電子自治体の推進は、職員の業務遂行に当たって、仕事の質の向上やスピードアップに一定の効果があるものと考えられる。 図表1) 電子自治体の現状に対する地方公共団体の自己評価 図表2) 電子自治体の構築に合わせた業務プロセスの見直し等への取組状況と現状の電子自治体に対する自己評価 図表3) 電子自治体の推進による地方公共団体職員の仕事の変化