5 諸外国の動向 −諸外国においても電子自治体の取組が推進  諸外国における電子自治体の実現へ向けた取組について、住民・企業と地方公共団体との間の電子化を中心にみると、主な取組の概要は以下のとおりである。 (1)米国  ワシントン州シアトル市では、1994年12月にPublic Access Network(PAN)と呼ばれる電話による公聴会を開催し、 1995年12月にはIT部門が運営する市のウェブサイト「city of seattle」(http://www.cityofseattle.net)を開設している。ここでは、全職員の電子メールアドレス、氏名、部署名の検索が可能な「cityn directory」を公開しており、市民から 1か月に約10万通の電子メールが寄せられている。また、住所変更等の各種手続や交通違反の罰金支払等のほか、ウェブサイト上で市議会中継が行われており、市民は開会中にリアルタイムで電子メールによって意見を述べることができる。  また、メリーランド州では、企業向けサービスとして、電子調達及び企業間連携に対応できる「eMaryland M@rketplace」(http://www.emarylandmarketplace.com/emm/index.cfm)が開設されている。 (2)オーストラリア  ビクトリア州では26種類の公共サービスが365日 24時間無休かつワンストップで提供されており、既に行政サービス提供件数全体の5%に相当する年間 75万件の手続がオンライン処理されている。また、決済の伴うサービスについては、利用者がオーストラリア郵便公社にユーザー情報を登録し、個人認証のための公開鍵・秘密鍵を購入した上でクレジットカードやキオスク端末からデビットカードによって決済を行うことができる。 (3)韓国  ソウル特別市瑞草区では、入札参加申請から開札まで、すべての手続をホームページ上で行う電子入札システムの導入等が行われている。  また、「事務処理過程公開システム」の導入によって、行政内部の情報化と住民・企業と地方公共団体との間の情報化の連携そのものの公開性・透明性を高めている。 図表1) 米国における主な電子自治体に関する取組(市民向けサービス) 図表2) 韓国における主な電子自治体に関する取組(市民向けサービス)