2 情報リテラシーの向上 (1)情報教育の推進 −初等中等教育における情報リテラシー向上に向けた教育体系が充実 (1)小中高校生のインターネットの利用状況  文部科学省委託研究として(財)コンピュータ教育開発センターが平成12年11月〜13年2月に行ったアンケート調査(「情報化が子供に与える影響」に関する調査報告書)によると、小中高校生ともに、1日当たりのコンピュータの利用時間は、「1時間以内」が最も多く、7〜8割を占めている。しかしながら、「1〜2時間」と回答した小中高校生も約2割に達している(図表1))。今後は、新学習指導要領の実施等により((2)参照)学校でのインターネット利用等が進展するものと考えられる。  インターネットの利用頻度については、高校生では、「ほとんど毎日」利用している割合が34%を占め、「週に3、4回」利用を含めると約5割に達している。「ほとんど毎日」又は「週に3、4回」利用の中学生は4割強、小学生は2割弱と、年代が低くなるに従い利用頻度も低くなっているものの、日常生活において小中学校生におけるインターネットの利用が浸透しつつあることがうかがえる(図表2))。  そこで、小中高校生がコンピュータをどのように利用しているのか、その利用内容をみると、小中高校生のすべての年代で最も多かったのは「ゲーム」の利用であった。また、「ホームページ」の利用が4〜5割、「電子メール」の利用が3割前後とインターネットの利用も高い割合を占めている。そのほか、小学生では「お絵かき」、高校生では「ワープロ」等、世代によって成長に応じた利用がされていることがみてとれる(図表3))。 (2)学校教育での情報リテラシー向上に向けた取組(新学習指導要領の実施)  高度情報通信ネットワーク社会の進展に伴い、児童生徒が日常生活において、インターネット等の情報通信手段を適切に活用し、主体的に情報を選択・処理・発信できる能力を備えるとともに、情報メディアについての理解や、情報モラルの育成、情報に対する責任について考える能力を備える必要が出てきている。  このため、学校教育においては、平成14年度から実施されている新学習指導要領の下で、1)小・中・高等学校を通じて各教科や総合的な学習の時間においてコンピュータやインターネットを積極的に活用する、2)中学校では技術・家庭科で「情報とコンピュータ」、そして高等学校では平成15年度より「情報」を普通教科として新設・必修とするなど、情報教育の充実が図られているところである(図表4))。  なお、情報教育の目標としての「情報活用能力」(情報リテラシー)は、「情報及び情報手段を主体的に選択し活用していくための個人の基礎的な資質」として、図表5)のとおり3つの能力に整理される。 (3)学校教育における英語教育の充実とインターネットの促進  我が国におけるインターネット利用は急速に進んでいるものの、全世界のインターネット利用人口を言語別に見てみると、英語圏人口の利用が40.2%を占め、第2位の中国語圏人口の9.8%、第3位の日本語圏人口の9.2%を大きく上回っている。また、全世界のウェブ上のコンテンツにおける言語別の割合についてみても、利用人口と同様に英語でのコンテンツが最も多く、68.4%を占めており、続く日本語コンテンツの5.9%、ドイツ語コンテンツの5.8%を大きく上回っている。しかしながら、利用人口の言語別及びウェブコンテンツの言語別ともに、インターネットは英語を筆頭に多様な言語により構成されている事実もうかがえる(図表6)、7))。  以上の事実を踏まえると、グローバルメディアであるインターネットを国際交流の手段として活用していく上で、英語能力を筆頭に外国語能力を向上させることが重要であり、今後、初等中等教育の課程を含め、外国語教育の充実が望まれる。 図表1) 小中高校生の1日当たりのコンピュータ利用時間 図表2) 小中高校生の自宅のインターネットの利用頻度 図表3) 小中高校生の自宅のコンピュータ利用内容(複数回答) 図表4) 情報教育の体系化のイメージ図 図表5) 情報教育の目標としての「情報活用能力」 図表6) インターネット利用者の言語別人口の割合(2001年) 図表7) ウェブ上のコンテンツに使用されている言語の割合(2000年)