5 健全なネットワーク社会形成に向けた制度の整備 −健全なネットワーク社会の実現に向けた政府・電気通信事業者の取組  情報セキュリティを確保するためには、技術等による対策だけではなく、ネットワーク社会における新たな制度/ルールの確立も必要となってきている。このような状況に対応するため、現在政府として、主に次のような制度整備を行っているところである。 (1)電子署名法  電子署名に手書きの署名や押印と同等の法的根拠を与えるなど、電子認証基盤の整備を図るため、平成13年4月に「電子署名及び認証業務に関する法律」が施行された(3-6-1-(4)参照、認証ビジネスの動向については1-2-3-(2)参照)。 (2)プロバイダ責任制限法  特定電気通信による情報の流通により他人の権利が侵害されたときに、関係するプロバイダ等が、これによって生じた損害について賠償の責めに任じない場合の規定と、自己の権利を侵害されたとする者が、関係するプロバイダ等に対し、当該プロバイダ等が保有する発信者の情報の開示を請求できる規定を設けることを目的として、「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」が、平成14年5月より施行された(3-6-1(1)参照)。 (3)個人情報保護法  公的機関及び民間企業等の有する個人情報の保護に関する法案として「個人情報の保護に関する法律案」が国会に提出されているところである(3-6-1(3)参照)。 (4)迷惑メール対策  迷惑メールについては、各電気通信事業者においても対応策が採られているものの、現在のところ根本的な解決には至っていない。そこで、「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律案」が第154回通常国会において成立するなど、対応が進められているところである(3-6-1(2)参照)。 (5)電子政府の情報セキュリティ確保のためのアクションプラン  IT戦略本部の下に設置されている情報セキュリティ対策推進会議においては、平成15(2003)年度までに予定されている電子政府の実現に向けて、国際的な連携や地方自治体との連携にも配意しつつ、政府の情報セキュリティ確保に万全を尽くすための7つの具体的な方策とその施策展開のスケジュールを示した「電子政府の情報セキュリティ確保のためのアクションプラン」を平成13年10月に策定した(図表)。 図表 電子政府の情報セキュリティ確保のためのアクションプラン(日程表) 関連サイト: IT戦略本部・情報セキュリティ対策 (http://www.kantei.go.jp/jp/it/security/index.html)