第5節 情報通信ネットワーク 1 高速・超高速ネットワーク (1)加入者系 1)概況 −光ファイバ網の全国整備が進む一方、都市部と地方で整備水準に格差  加入者と電気通信事業者の収容局の間を結ぶ加入者系ネットワークは、かつてメタリックケーブルによる固定電話、ISDN等が中心であったが、近年の高速かつ大容量のデータ通信に対するニーズの高まりなどにより、光ケーブルによる整備が進むなど急速に多様化が進展している(図表1))。なかでも、高速・超高速インターネットアクセス網(注)は高度情報通信ネットワーク社会の実現に不可欠のインフラとして位置付けられており、加入者の増加が著しいものとなっている(1-1-3参照)。  既にサービスが開始されている主な高速・超高速インターネットアクセス網としては、固定系では、高速インターネットアクセス網として、xDSL(デジタル加入者線:Digital Subscriber Line)、ケーブルインターネット、FWA(加入者系無線アクセス:Fixed Wireless Access)が、また、超高速インターネットアクセス網として、FTTH(Fiber to the Home:各家庭まで光ファイバを敷設した超高速回線)が挙げられる。移動系では、IMT-2000のサービスが開始されているほか、2010年頃のサービス開始に向けて第4世代移動通信システムの概念・骨格について国際的な検討がなされている(図表2))。  超高速ネットワークの中核をなす光ファイバ網の整備状況についてみると、平成12年度末における光ファイバ網整備率は、電気通信事業者の集線点ベースで全国平均43%(対前年度比7ポイント増)と着実に整備が進展している。しかし、都市規模別にみると、政令指定都市及び県庁所在地級都市が61%(ビジネスエリアは94%)、人口10万人以上の都市が40%(ビジネスエリアは72%)となっている一方、その他の都市では22%にとどまっており、都市部と地方で整備水準に格差が生じている(図表3))。 図表1) 加入者系ネットワークの種類 図表2) 主な高速・超高速インターネットアクセス網 図表3) 都市規模別光ファイバ網整備状況 (注)本節では、「e-Japan戦略」(平成13年1月IT戦略本部決定)に従い、「高速インターネットアクセス網」を音楽データ等をスムーズにダウンロードできるインターネット網、「超高速インターネットアクセス網」を映画等の大容量映像データをスムーズにダウンロードできるインターネット網としている