(2)中継系 −ケーブル総延長約27万kmのうち89%が光ファイバ化  国内における中継系ネットワークの整備についてみると、昭和60年2月にNTTが旭川から鹿児島までの3,400kmを縦貫する光ファイバケーブル網を完成させており、現在では、KDDI、日本テレコム及び電力系NCCも全国的な中継系ネットワークを整備している。また、平成11年4月にKDD(現KDDI)が日本列島を環状に取り巻く光海底ケーブルJIH(Japan Information Highway)の運用を開始している(図表1))。さらに、高速・超高速インターネットアクセス網の普及等、加入者系ネットワークの発展に伴い、光ファイバの敷設による中継系ネットワークの増強が図られている。既に、各都道府県の間や都道府県内の交換局間を結ぶ中継系ネットワークについては、ほぼ100%の光ファイバ化が完了しており、ケーブル長でみても平成12年度末におけるケーブル総延長約27万kmのうち、89%が光ファイバ化されている。  他方、国際的な中継系ネットワークである国際海底ケーブルについて我が国周辺の状況をみると、高速・大容量の通信が可能な光ケーブルによる国際海底ケーブルが整備の中心となっている。平成13年12月に運用を開始した第2アジア太平洋ケーブル網(APCN2)では、運用当初の回線容量が80Gbps(電話線換算で約96万8千回線)であり、さらに最大2.56Tbps(電話線換算で約3,100万回線)への拡張が可能となっている(図表2))。  また、中継系ネットワークの増強に当たっては、ケーブルの新規敷設のみならず、既存ケーブルの利用効率向上も図られている。光ケーブル内において複数の波長の光信号を多重伝送することにより、伝送容量を現状の数倍から百数十倍へと飛躍的に向上させるWDM(波長分割多重:Wavelength Division Multiplexing)技術は、既にNTTコミュニケーションズ等の長距離系電気通信事業者が国内幹線に導入しているほか、国際海底ケーブルにおいても運用当初からの導入を視野に入れた整備が行われている。 図表1) 国内における主な中継系ネットワーク 図表2) 我が国周辺の主な高容量海底ケーブル網