(3)固定局 −新たにデジタル方式の同報無線システムを導入  固定局とは、一定の固定地点の間の無線通信業務を行う無線局である。平成13年度末における固定局数は8万6,485局(対前年度比3.9%増)となっており、増加を続けている(図表1))。  固定局は、マイクロ波(3GHz〜30GHz)を利用した固定マイクロ通信として主に利用されており、数km〜50km離れた固定地点間で数Mbps〜200Mbps程度の大容量通信を行う基幹通信網となっている。利用分野についてみると、電気通信業務用、放送事業用、公共・一般業務用と多岐にわたっており、国民生活を支える重要な情報通信インフラとなっている。なお、具体的な用途としては、携帯電話回線の中継、テレビ放送の中継、電力設備の基幹系統の保護、地方公共団体間のネットワーク構築等がある。  また、固定局は、地域の防災を担う防災行政無線システムとしても活用されている。屋外拡声器等、地域において音声で防災行政情報を伝える同報無線システムは、市町村役場等と住民を結ぶ災害情報等の伝達手段として、地域に密着した重要なシステムとなっている。同報無線システムは、昭和53年の導入開始以来、各市町村で整備が着実に進展しており、平成14年3月末現在、2,100以上の市町村で整備されている。また、文字や画像を使用したより的確な防災情報の提供を実現するデータ通信、双方向通信等へのニーズが増加してきたことから、従来のアナログ方式に加え、平成13年4月よりデジタル方式による同報通信システム(市町村デジタル同報通信システム)が導入されている(図表2))。 図表1) 固定局数の推移 図表2) 市町村デジタル同報通信システムのイメージ図