第3章 情報通信政策の動向 第1節 高度情報通信ネットワーク社会の実現 1 IT国家戦略の推進 −e-Japan戦略に基づき、具体的IT施策を展開  情報通信技術の活用により世界的規模で生じている社会経済構造の変化に適確に対応することは我が国においても喫緊の課題となっているため、高度情報通信ネットワーク社会の形成に関する施策を迅速かつ重点的に推進することは重要施策の一つとなっている。そこで、政府は第150回臨時国会に「高度情報通信ネットワーク社会形成基本法(IT基本法)」を提出、平成12年11月に成立、13年1月より施行され、政府にIT戦略本部が設置された。同本部では、我が国が5年以内に世界最先端のIT国家となることを目指した国家戦略である「e-Japan戦略」を制定、また同年3月には同戦略を具体化する「e-Japan重点計画」が、6月には同重点計画を平成14年度の施策に反映する年次プログラム「e-Japan2002プログラム」が、それぞれ制定された(図表)。  また、平成13年6月に閣議決定された「今後の経済財政運営及び経済社会の構造改革に関する基本方針(いわゆる「骨太の方針」)」に基づき、経済財政諮問会議においては、この基本方針を具体化し、タイムテーブルを明らかにするために、同年9月に「改革工程表」を策定、さらに同年10月には、特に構造改革に直結し、実施の緊急性が高い施策を「改革先行プログラム」としてまとめ、平成13年度第1次補正予算に盛り込んだ。IT戦略本部においても、これらの動きに対応して、重要かつ緊急性の高いIT関連施策について検討し、「e-Japan重点計画、e-Japan2002プログラムの加速・前倒し」を取りまとめ、「改革工程表」及び「改革先行プログラム」に盛り込まれた。  さらに、平成14年3月には、平成17年度までに我が国がIT人的資源大国となることを目指し、(1)将来を担う子どもたちのIT活用能力を高めるための「学校教育の情報化等」、(2)すべての国民が日常生活の中で自然にITを使いこなすための「IT学習機会の提供」、(3)各分野のIT専門家の育成のための「専門的な知識又は技術を有する創造的な人材の育成」、を柱とした、「IT人づくり計画」を策定した。IT戦略本部では、これから2005年という目標年次への中間段階に差し掛かることから、「e-Japan重点計画」を全面的に見直し、300を超える施策を盛り込んだ新たな「e-Japan重点計画−2002」を、平成14年6月に策定することとしている。 図表 IT戦略本部における主な取組事項 関連サイト: IT戦略本部(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/index.html) 経済財政諮問会議(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizai/index.html)