(4)IPネットワークの充実 −IP電話の一層の普及のために  インターネットの普及が進む中、DSL、ケーブルインターネット等のブロードバンドアクセス網の進展や定額料金サービスの普及により、IPネットワークへの常時接続環境の整備が急速に進んでいる。また、IPネットワーク関連機器の高機能化、低価格化などによって、近年、IPネットワーク上に様々なアプリケーションが展開されるようになった。特にIPネットワークによる音声通信技術、いわゆるVoIP(Voice over IP)技術を用いた電話サービス(IP電話サービス)が広く一般的に利用できる状況になってきている(図表)。  総務省では、このような従来の電話網を中心としたネットワークからIPネットワークへと向かう急激な変化を踏まえ、平成13年6月から「IPネットワーク技術に関する研究会」を開催し、平成14年2月に報告書を取りまとめた。本研究会においては、IPネットワークの品質やIP電話の番号(一般加入電話からDSL、CATV等を利用して常時IPネットワークに接続されている端末(IP電話端末)へダイヤルするための電話番号)を中心に検討を行い、今後のIP電話の本格的な普及に向けた取組について提言を行ったところである。具体的には、1)IP電話の品質クラス分類を設け、利用者に品質を適正に示すこと、2)品質評価方法等のIP電話に関する標準化の推進、3)IP電話の番号として、携帯電話と同じ0△0(△は3から5のいずれか)から始まる番号を使用すること、4)番号が公平かつ効率的に使用されるよう、IP電話等の電気通信番号の指定の申請があった場合の審査基準の策定、5)緊急通話・重要通信確保のための研究開発の推進などを提言として取りまとめている。  さらに、平成14年3月から開催されている「電気通信番号に関する研究会」においても、検討内容の一つとしてIP電話の番号計画・管理に関する問題への対応策の在り方を取り上げており、今後、具体的にIP電話サービスを提供する場合に想定される問題点や、我が国において求められる番号管理の方法等について引き続き検討することとしている。本研究会は同年9月を目途に検討結果を取りまとめる予定である。 図表 今後のブロードバンド化に伴うIP電話サービス