(2)携帯電話等への迷惑メール対策 −健全な情報流通のために  利用者の同意を得ずに広告、宣伝、勧誘等を目的とした電子メールが送りつけられる、いわゆる迷惑メールが社会事象として問題になっている。特に、携帯電話端末等でのインターネット接続の増加に伴い、携帯電話等での迷惑メールが大きな社会問題となってきていることから、総務省ではこの問題に対処するため、平成13年4月に携帯電話・PHS事業者に対し、問題の現状及び対策について報告するよう要請し、同年5月に各事業者からの報告結果を取りまとめて公表した。その後、各事業者において、これまでに一定通数までの受信料の無料化、メールアドレスの初期設定の英数字化、メール指定受信・指定拒否機能の設定数の拡大など、様々な対応が行われてきている(図表)。  また、平成13年11月から、学識経験者、関係事業者、消費者団体等の関係者を構成員とした「迷惑メールへの対応の在り方に関する研究会」を開催し、迷惑メールの流通を抑制・防止するために必要な技術的・制度的方策等についての検討を行い、平成14年1月に取りまとめを公表した。この中では、正確な連絡先等の表示義務、拒否の意思表示をした者への送信の禁止(オプトアウト)等の発信者への義務付け等を制度的に導入することが必要であるとしたほか、利用者への情報の提供、電気通信事業者による技術開発・導入の促進、受信者が設定・選択した条件による多様なフィルタリング機能の提供、受信者からの求めに応じたヘッダ情報の開示などの必要性についての提言がなされた。  その後、第154回通常国会に、議員提出法案として「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律案(通称:特定電子メール法)」が提出、可決された。特定電子メール法は、氏名等の表示義務、拒否の意思表示をした者への送信の禁止(オプトアウト)、架空電子メールアドレスによる送信の禁止等の送信者への義務付けとそれらの義務に違反した場合の総務大臣による措置命令や、電気通信事業者による情報の提供・技術の開発の努力義務等について規定しており、公布の日から6か月以内に施行されることとなっている。  また、第154回通常国会では、迷惑メールの問題に関連して、「特定商取引に関する法律の一部を改正する法律案」も提出、可決されている。  今後、特定電子メール法などの円滑かつ適切な施行、それに併せた関係者による必要な技術的対応方策の実施等により、迷惑メール問題に対して適切な対応が講じられ、迷惑メール問題が改善されることが期待される。 図表 携帯電話・PHS事業者における最近の対応状況