コラム1 ネットワーク・ロボット −ネットワーク・ロボットの世界に向けて  「鉄腕アトム」の誕生日である2003年4月7日を迎え、ロボットへの期待が高まっている。「アトム」のストーリーの中では、ロボット法が制定され、人間と楽しく生活する世界が実現しているが、現状では、その世界の実現にはまだしばらくの時間が必要である。しかしながら、ロボットがネットワークにつながり、我々の生活に飛び出てくる世界は、既に目の前に来ている。  現在、いつでもどこでもあらゆるものが接続可能なユビキタスネットワーク社会の早期実現に向けて、産学官で様々な取組が行われているが、ロボットがユビキタスネットワークとつながることにより、例えば、ロボットが自ら欲しい情報をネットワークから探す「エージェントロボット」、複雑な操作の必要ない簡便なネットワーク・ヒューマン・インターフェースを備えたロボット等が実現すると考えられる。  また、ネットワークの視点からみれば、ヒューマノイド(人間型)だけがロボットではなく、3次元バーチャルなものや情報家電も、部屋や都市空間もロボットになり得る。それが「ネットワーク・ロボット」の世界である(図表)。  その世界の実現に向けて、我が国が今後、「ロボット」分野のトップランナーであり続けられるかどうかは、これからの数年間にかかっている。 図表 「ネットワーク・ロボット」の世界のイメージ 関連ページ:ネットワーク・ロボット技術の将来展望については、3-8-2(2)参照