(3)インターネットによる消費行動 ネットショッピングは着実に浸透、店舗での消費にも影響 1 ネットショッピング  パソコンからネットショッピングを利用している者は、平成14年末においてインターネット利用者のうち19.5%である(図表1))。1年間に利用した金額は1万円以下と答えた利用者が20.0%を占める一方、5万円を超える利用をしている利用者も19.4%いる(図表2))。  ネットショッピングで購入される品目は、書籍・CD、パソコン関連商品、チケット類等、実際に見なくても商品内容を確認しやすいものが上位を占めているが、趣味・雑貨や服飾雑貨や貴金属等も多い(図表3))。 図表1) パソコンからのインターネット利用者におけるネットショッピング・ネットオークション利用率(過去1年間) 図表2) ネットショッピングの利用金額(1年間合計) 図表3) ネットショッピングでの購入内容(複数回答) 2 ネットオークション  パソコンからのインターネット利用者のうちネットオークションを利用している者は、平成14年末において11.5%である(図表1))。ネットオークションで多く購入される品物は、服飾雑貨・貴金属、趣味のもの・雑貨、書籍やCD、パソコン関連商品が上位にあり、ネットショッピングと同様の傾向を示している。ただし、服飾雑貨・貴金属、趣味のもの・雑貨が書籍やCD、パソコン関連商品よりも利用率が高く、一般の店舗では見つけにくいものを購入する場として利用されている可能性がある。他方、ネットオークションで販売している人の比率は購入している人の比率よりも全体的に低いが、各種チケットは購入者と販売者の比率がほぼ同数であり、また食料品は購入者と比べて販売者の比率が非常に少ないといった特色がある(図表4))。 図表4) ネットオークションで購入・販売した品物(ネットオークション経験者対象・複数回答) 3 ネット刺激型消費  インターネットが消費行動に及ぼす影響は、ネットショッピングやネットオークションといったネット上での取引にとどまらず、実在する店舗での消費行動にも及ぶ。すなわち、実在する店舗より購入が便利なオンライン・ショップの存在や、インターネット上にある商品情報や当該商品の評価は、ネット及び実在の店舗での人々の購買意欲を刺激していると考えられる。何かを購入する際にインターネット上で商品情報等を収集して商品を購入することや、自宅に居ながら商品が購入できるなどの便利さゆえにオンライン・ショップを利用することを「ネット刺激型消費」と呼ぶこととする。  商品別にこうした「ネット刺激型消費」の占める割合を尋ねたところ、書籍・雑誌を購入する際、48.1%の人が、CD・DVD・家庭用テレビゲームを購入する際、37.3%の人が「ネット刺激型」の消費を行っている。 図表5) 各品目別消費に占めるネット刺激型消費の割合※(過去1年間) 4 ネットショッピング・ネットオークションの利用阻害要因  ネットショッピングやネットオークションの利用率は、電子メールや情報検索の利用率の3分の1以下にとどまっている(1-3-1(2)図表1)参照)。そこで、ネットショッピングとネットオークションの利用に関して何が障害となっているか、調査を行った。  ネットショッピング未利用者に、ネットショッピングを利用しない理由を尋ねたところ、「商品を見て買いたい」が31.7%、「個人情報の保護に不安がある」が21.6%、「クレジット番号に不安」が20.9%であった(図表6))。また、ネットオークション未利用者に、オークションを利用しない理由を尋ねたところ、「相手を信頼できない」が22.8%、「セキュリティ面で不安」が12.2%であった(図表7))。  このように、ネットショッピング及びネットオークションのいずれにおいても、実際に見えない商品・取引相手に対する不安や、個人情報保護や情報セキュリティ面での不安が利用の障害となっており、これらの不安の解消が利用拡大に向けて重要となっている。 図表6) ネットショッピングの障害(未利用者、複数回答) 図表7) ネットオークションの障害(未利用者)