(7)要介護者の遠隔モニタリングシステム 遠隔モニタリングシステムの潜在利用者数(要介護者)は、66万人  我が国の要介護者数は、平成14年末で335万人であるが、高齢化の進展に伴い、増加しつつある。また、家族と離れて独り暮らしをしている高齢者や施設に入居している要介護者も同様に増えつつある。独り暮らしをしている要介護者・高齢者やその家族からは、遠隔地に住んでいる身内とのコミュニケーションや、安否の確認、緊急時の通報を容易に行いたいというニーズが高まっている。  こうしたニーズに応えるサービスとして、要介護者の遠隔モニタリングシステムが考えられている。これは、情報通信ネットワークを利用して、独り暮らしをしている高齢者や施設に入居している要介護者等と遠隔地の家族・知人等との映像・音声を交えたコミュニケーションを可能とするとともに、安否の確認や緊急時の通報等も行うシステムである(図表1))。 図表1) 要介護者遠隔モニタリングシステムの概要  遠隔モニタリングシステムを導入している例として、山口県宇部市を挙げることができる。宇部市では、要介護者の自宅と、シルバーふれあいセンター、在宅介護支援センター、医療機関等を情報通信ネットワークで結び、動画通信を利用した指導、相談や緊急通報等のシステム開発、実証実験を行っている。  このシステムに対する利用意向を調査したところ、自分が独り暮らしをする要介護者になった場合、あるいは家族に独り暮らしをしている要介護者がいる場合に、自己負担をしても遠隔モニタリングシステムを利用したいとする人は62〜63%であった。また、このシステムの利用意向がある人は、このサービスに月平均約4,391円まで支払うと回答している。この調査結果と現在の要介護者数から推計すると、要介護者総数の19.6%に当たる66万人が、このシステムの潜在利用者として見込まれる(図表2))。 図表2) 要介護者遠隔モニタリングシステムに対する利用意向 (注)推計方法については、資料1-3-6参照