（9）衛星移動通信

衛星移動通信サービス契約数は、平成14年度末で4万件

　衛星を利用した移動通信システムには、静止衛星を利用したシステムと周回衛星を利用したシステムがあり、携帯電話の電波が届かない山間地や海上、航空等における移動通信サービスを提供している。平成14年度末における衛星移動通信サービスの契約数は、41,737件となっている（図表1)）。
　静止衛星は衛星の高度が約36,000kmと高いため、3基の衛星で地球全体のカバーが可能である反面、伝送遅延が大きく、また大出力を要することから、端末機の小型化が困難である。静止衛星を利用した移動通信サービスは、昭和57年にKDD（現KDDI）がインマルサット衛星を通じた船舶向けサービスを開始し、平成2年12月に航空機向けサービス、9年10月に南極及び北極以外の全世界を対象とした陸上移動衛星通信サービスを開始している。また、平成8年3月にNTTドコモグループがN-STARを通じた日本国内及び海上約200海里を対象としたサービスを、13年7月に日本上空を飛行する航空機を対象とした衛星航空機電話サービスを開始している。
　周回衛星は静止衛星に比べて衛星軌道が低いため、伝送遅延が小さく、端末の小型化・携帯化が可能であるという特徴がある。周回衛星を利用した移動通信サービスは、平成11年3月からオーブコムジャパンが双方向のデータ通信及び測位サービスを開始している（図表2)）。

図表1)　衛星移動通信サービス契約数の推移

図表2)　衛星を利用した移動通信システムの概要