4 米国のIT政策の動向 ブロードバンド政策の見直しを実施 1 ブロードバンド政策  米国のブロードバンド政策推進については、2001年10月に米国電気通信工業会(TIA: Telecommunications Industry Association)がブッシュ大統領に対し国家ブロードバンド政策の策定を要請するなど、ブロードバンド普及の遅れを懸念する民間団体から米国政府への強い要請があった。  これらの民間からの要請も背景として、FCCは、2001年12月から2002年3月にかけてブロードバンド普及促進のため、1)有線系ブロードバンドアクセスサービスを非規制の情報サービスと位置付けるか否か、2)地域競争促進のためベル系地域電話会社に課されているアンバンドル規制(競争事業者へのネットワーク要素ごとの開放を義務付ける規制)をブロードバンドサービスに関しどこまで緩和することが可能かなどについて一連の調査を開始した。このうちアンバンドル規制について、2003年2月、FCCはベル系地域電話会社に対する規制を一部緩和することを発表した。FCCでは、これによりブロードバンドネットワークへの投資インセンティブを付与し、ブロードバンドサービスの競争が進むことを期待している。ただし、マス市場向けの市内交換機等に関しては、引き続きベル系地域電話会社にアンバンドル規制を課すこととした上で、今後ベル系各社のネットワーク開放義務を維持するかどうかの決定において、州政府の決定権の拡大を認めた。  一方、米国議会でも様々な議論を行っているが、2003年3月時点で特段の結論は出ていない。 2 電波政策  FCCは、2002年6月に、周波数政策タスクフォース(Spectrum Policy Task Force)を設置し、新たな周波数需要に対応するための免許制度等について検討を行い、2002年11月に報告書案を公表、2003年1月まで意見募集を行った(図表)。 図表 米国FCCの周波数政策タスクフォースの報告書の主な提言