第3章 情報通信政策の動向 第1節 高度情報通信ネットワーク社会の実現 1 日本発新IT社会の構築 総合的なITの利活用戦略の策定を提言  我が国では、政府において平成13年1月に策定したe-Japan戦略により、我が国を世界最先端のIT国家にするため、「高速3,000万、超高速1,000万世帯が常時インターネットに接続可能な環境を実現する」ことを目標として取り組んできた。その結果、インターネット加入可能世帯数は目標を達成したほか、高速インターネット料金は世界で最も低廉な水準となるなど、戦略の実現に向けて着実な成果が得られている。しかしながら、実際の高速・超高速インターネット加入数は、加入可能数に比べて極めて少なく、その実利用は低迷している状況にある。  このような状況を踏まえ、総務省の情報通信審議会情報通信政策部会インターネット利用高度化委員会(「ブロードバンド情報戦略委員会」)は、IT戦略の方向性について議論を行い、平成15年1月に中間取りまとめを行った。中間取りまとめでは、インフラの整備と利活用の拡大のバランスに配意した「日本発の新IT社会の構築」について提言している。具体的には、今後のIT戦略の方向性として、1)利用の促進、2)利用を支えるインフラの整備、3)国民が不安を払拭できる環境整備、4)共通基盤の整備という4項目を柱にした総合的なITの利活用戦略を策定し、戦略的、集中的に取り組む必要がある旨の提言を行っている(図表)。 図表 情報通信審議会情報通信政策部会インターネット利用高度化委員会中間取りまとめ(概要)