2 企業の国際競争力強化に向けた情報化戦略の策定 企業のIT化促進策を提言  情報通信分野においては、急速な技術革新や利用者ニーズの高度化・多様化に対応して、情報通信ネットワークインフラの高度化が進展している。他方、情報通信ネットワークインフラの高度化の進展ほどには、国内企業における企業内情報システムの普及や電子商取引の利用が進展していないため、企業における経営の効率化、高付加価値創造が進まず、競争力強化の上で問題となっている。  総務省では、今後の情報通信ネットワークインフラの整備状況や情報通信分野における新しいビジネスモデルの創出等を踏まえつつ、真に有効な企業情報化の推進方策について検討するため、平成14年7月から「国際競争力回復のための企業のIT化戦略研究会」を開催し、同年12月、報告書が取りまとめられた。  報告書では、情報通信ネットワークインフラ整備が必ずしも企業の競争力強化に結びついていない要因として、1)業務アプリケーションソフトウェアの投資の遅れ、2)企業間コミュニケーションプロトコル(メッセージや各種コード)の標準化の遅れの2点を挙げている。また、我が国が情報通信分野で競争力を強化するためには、1)後発の利を最大限に活用し、既に標準化・モジュール化されたソリューションについては、これを批判的かつ効果的に受け入れることが有効であること、2)我が国の産業が誇る、優れた業務プロセスノウハウの形式知化、ITソリューションの標準化・モジュール化を行い、世界への展開を図る仕組を構築することが重要であること等を提言している(図表)。  総務省では、提言を踏まえ、企業のIT利用を促進し、新たな高付加価値ビジネスの創出等に資するため、我が国企業に適した共通基盤として活用できる「企業IT化支援情報通信プラットフォーム」の構築に関する調査研究を実施している。 図表 我が国企業のIT利用の将来像(イメージ)