2 ITを活用した地域経済の活性化 ITビジネスモデル地区構想を推進 1 ITビジネスモデル地区構想  総務省では、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2002」(平成14年6月閣議決定)に基づき、ITビジネスモデル地区構想を推進している。  この構想は、ITビジネスの振興に積極的な地方公共団体を指定し、ITビジネスにとっての魅力的なビジネス環境を先行的に実現することにより、ITビジネスの集積を図り、ITビジネスの地域展開モデルの構築及び当該モデルの他地域への展開を通じた地域経済の活性化を推進するものである(図表1))。 図表1) ITビジネスモデル地区構想のプロセス  指定地区では、1)地域の情報通信基盤の整備、2)アプリケーション開発等の促進、3)IT技術者の育成等の施策に対し、それぞれ1)地域イントラネット基盤施設整備事業等において優先採択を行うとともに、当初から整備主体以外の電気通信事業者等に利用させることを目的とした整備を可能とする、2)先進技術型研究開発助成制度において優先採択を行う、3)情報通信人材研修事業支援制度において優先採択を行うとともに助成限度額を1,000万円とするなどの特例措置が講じられる。  平成15年4月、総務省は以下の全国8地区に対し、ITビジネスモデル地区の指定を行った(図表2))。 図表2) ITビジネスモデル地区の指定状況(平成15年4月) 2 ITによる沖縄振興  沖縄県では、米軍の施設・区域が集中し、住民の生活環境や地域振興に大きな影響を及ぼしており、自立型経済の構築が課題となっている。このような特殊事情を踏まえ、平成8年9月に閣議決定により設置された沖縄政策協議会等において沖縄振興に関する基本施策の検討が行われ、平成14年4月、沖縄の振興を図るための所要の措置を講ずることを目的として、「沖縄振興特別措置法」が施行された。同法においては、情報通信産業の振興は沖縄振興の重要な柱と位置付けられており、情報通信産業特別地区制度の創設、情報通信産業振興計画の策定等が規定されている(図表3))。  平成14年7月、同法に基づいて内閣総理大臣が「沖縄振興計画」を決定し、平成14年9月、内閣総理大臣、総務大臣及び経済産業大臣は、同計画の分野別計画として沖縄県が作成した「情報通信産業振興計画」について同意を行った(図表4))。  総務省では、平成14年度において、「沖縄国際情報特区構想」の推進に関する調査研究、とぅもーるネット整備事業、北部広域ネットワーク整備計画策定事業等を実施した。また、IT産業等集積基盤整備事業や高度なスキルを身につけたIT技術者や指導者の育成を目的とするIT高度人材育成事業を経済産業省と共同して実施するなどにより、情報通信関連産業の集積・振興を図っている(図表5))。なお、これまでの取組等から情報通信関連産業の沖縄への進出が促進され、平成14年11月現在、累計で約80社が沖縄に新たに進出し、約4,200人の雇用が新たに創出された。 図表3) 沖縄における情報通信産業関連税制の概要 図表4) 沖縄振興計画における情報通信関連産業の位置付け(抜粋) 図表5) IT高度人材育成事業の概要