(4)住民基本台帳ネットワークシステムの構築 平成15年8月、住民基本台帳カードの交付等を開始  住民基本台帳は、現在、市町村が行う各種行政サービスの基礎として居住関係を公証するものであり、行政の合理化や住民の利便の増進に役立っている。平成11年に住民基本台帳法が改正され、各市町村の住民基本台帳のネットワーク化を図り、4情報(氏名・生年月日・性別・住所)、住民票コードとこれらの変更情報(本人確認情報)により全国共通の本人確認を可能とする住民基本台帳ネットワークシステムが構築された。住民基本台帳ネットワークシステムは、行政手続のオンライン化を支える公的個人認証サービスにも大きな役割を果たし、電子政府・電子自治体の基盤となるものである。  平成14年8月から住民基本台帳ネットワークシステムの基本部分の運用が開始され、行政機関への本人確認情報の提供が可能となり、パスポートの申請の際の住民票の写しの添付や共済年金受給者の現況届が不要となるなど、住民負担の軽減や行政の効率化に貢献している。  平成15年8月からは、住民票の写しの広域交付、転入転出手続の簡素化、住民基本台帳カードの交付等が開始される(図表)。住民基本台帳カードは、市町村長が希望者に対して交付するICカードであり、公的な身分証明書として役立つほか、ICカードの高いセキュリティ機能と各種情報処理機能を利用して、公的個人認証サービスの電子証明書等の格納媒体として活用される。また、市町村独自の住民サービスとして証明書の自動交付、公共施設の利用、保健・福祉等の多様な分野での活用も可能である。 図表 住民基本台帳ネットワークシステム第2次サービス(平成15年8月から)  この住民基本台帳ネットワークシステムでは、個人情報保護が最も重要な課題であり、制度面、技術面、運用面のいずれの面においても、十分な対策を講じている。総務省は、住民基本台帳ネットワークシステム調査委員会の新設や、全地方公共団体を対象としたセキュリティチェックリストによる点検の実施、一部の団体を対象とした監査法人等によるシステム運営監査等、更なる個人情報保護措置を講じているところである。  また、総務省では、都道府県、市町村等との連絡調整を図りつつ、地方公共団体における本システムの円滑かつ着実な構築・運用を支援している。