(4)電気通信の安全・信頼性の確保 電気通信事業における重要通信確保の在り方に関する研究会を開催 1 重要通信の確保  電気通信分野は著しく変化しており、携帯電話についてはその加入数が固定電話の設置台数を上回り、今後もサービスの高度化・多様化が進展することが見込まれる。また、IP電話についてもネットワーク技術の進展に伴い、今後、通信手段としての重要性がますます高まることが予想される。このような通信サービスの発展や利用形態の多様化等に応じた重要通信確保のための方策を検討する必要性が急速に高まっている。  また、平成14年2月に情報通信審議会が行った「IT革命を推進するための電気通信事業における競争政策の在り方についての第二次答申」において、電気通信事業に多数の外資系企業を含む1万社を超える電気通信事業者が参入し、競争が激しさを増している状況の中で、従来のようにNTTグループを中心にして、その役割を期待するのではなく、国、電気通信事業者及び産業界が連携して災害等の非常時に備えて重要通信を確保するための効果的な仕組みを、我が国全体として整備することについて検討を行うことが必要である旨の提言がなされた。  総務省では、こうした事情を踏まえて、平成14年4月から「電気通信事業における重要通信確保の在り方に関する研究会」を開催しており、平成15年6月を目途に報告書が取りまとめられる予定である。 2 電気通信の安全・信頼性の確保  情報通信ネットワークが高度化し、国民生活や社会経済活動の情報通信ネットワークへの依存が一層高まる中、情報通信ネットワークの安全・信頼性の確保が重要になってきている。  平成14年度には、台風に伴う大雨等の自然災害が発生し、その影響による商用電源の停止、伝送ケーブル切断等により固定電話や携帯電話等のサービスが停止した。また、サッカーワールドカップ開催に伴うチケット予約のための通話が集中したことで輻輳が発生した。その他、通信設備の更改に伴う交換機やルータ等の故障、鉄道脱線事故による伝送路の断線等により、長時間に及ぶ障害も発生している(図表)。  総務省では、電気通信設備の事故の発生状況や発生要因、対応策等を確認するため、必要に応じて実地調査を行い、電気通信事業者に対し再発防止に必要な指導を行うとともに、「情報通信ネットワーク安全・信頼性基準」に基づく対策の実施を求める等、今後も利用者が安心して電気通信サービスを利用できるよう電気通信の安全・信頼性確保に努めていくこととしている。 図表 平成14年度の電気通信分野における主要事故事例