5 今後の日本の課題とユビキタスネットワークによる解決策 利用者の視点による将来課題とその解決策の提示  2010(平成22)年のu-Japan実現に向けてICT政策を推進していくに際し、社会から遊離したものにならないようにするためには、目標となる2010年の社会をまず考え、特に大きな課題になりそうなことを予想し、それにICTがどのように解決手段として貢献できるかを利用者の視点で予測することが有益である。  このため、「ユビキタスネット社会の実現に向けた政策懇談会」では、2010年に向けて日本社会が取り組むべき重要テーマに関し6千人規模の生活者アンケートを実施した。その結果によれば、非常に重要と回答した重要テーマとしては、「安全・安心な生活環境の実現」が7割弱と最も多く、次いでエネルギー、医療、環境等が続いている(図表[1])。 図表[1] 2010年に向けた日本社会が取り組むべき重要テーマ(複数回答)  また、これらの個々の重要テーマに関してさらに掘り下げた具体的課題を調査する一方、生活者グループインタビューや企業インタビュー等により、こうした具体的課題に対するユビキタスネットワークによる解決策の例を整理した(図表[2])。ここに掲げられている解決策の例は、構想段階や実証実験段階にとどまるものから、先駆的導入段階レベルのものまで多様であるが、今後、ネットワークのセキュリティ確保、ビジネスモデルの確立等の前提状況をクリアしつつ、社会へ普及させていくことが期待される。 図表[2] 具体的な将来課題とユビキタスネットワークによる課題解決例