第2節 国民のICT利用 第2節の要旨  第2節においては、 e-Japan戦略以降の国民のICT利用の進展や国民生活の変化、コミュニケーションツール、ネットショッピング、コンテンツの利用状況について、米国及び韓国との比較も交えつつ、分析を行った。 【ICT利用の進展】 ○ インターネット利用人口は7,948万人、人口普及率は62.3%となり、e-Japan 戦略の始まった前年(平成12年)末に比べ、利用人口は約3,200万人、人口普及率は25.2ポイント増加している。 ○ インターネット利用世帯に占めるブロードバンド利用世帯は62.0%と、平成12年末に比べ、55ポイント増と急速に拡大している。 【国民生活の変化】 ○ インターネットは幅広い分野での情報収集に利用され、また、連絡手段は固定電話から携帯電話、IP電話、電子メールへシフトしている。 ○ インターネット利用に伴い、生活時間・行動頻度では、睡眠時間、テレビを見る時間、雑誌等を読む時間などが減少する一方、家族や友達との連絡頻度は増加している。ただし、家族と友人と対面で話す時間は減少している。 ○ インターネットに対し、「生活上役に立った」などプラスの効用があったとする人が大半である。また、インターネットの社会的影響については、プラス面とマイナス面の両面が認識され、全般的に社会に好影響を与えているとの評価となっている。 【コミュニケーション】 ○ パソコンによる電子メールは日米韓とも利用率が高いが、携帯電話による電子メールは日本が突出している。 ○ ブログが昨年以降急速に普及している。開設理由は「体験や日々の暮らしを書き残したい」が最も高く、これを反映して内容も「自分自身の生活日記」が圧倒的に高い。ブログ開設者の満足度、利用継続意向とも高く、今後社会に普及するとの認識である。 【ネットショッピング】 ○ ネットショッピングが社会に浸透しており、2年前と比べて、ネットショッピングの総額、頻度、満足度ともに上昇している。 ○ パソコンと比べた携帯電話等によるネットショッピングの特徴は、雑誌等との連動販売、類似商品や他店と比較しない購入、移動中での購入である。また、10代〜30代の若い女性が牽引している。 ○ パソコンによるネットショッピングは米韓でも広く普及しているが、携帯電話等によるネットショッピングの利用はまだ低い。 【コンテンツ】 ○ コンテンツ市場全体は頭打ちであるが、通信系ソフト市場は拡大している。 ○ インターネットコンテンツは無料コンテンツの利用が主流であり、有料コンテンツの今後の利用意向は、音楽、ゲーム、動画が高い。また、有料コンテンツの利用は、韓国が圧倒的に高い。 ○ 平成16年以降、多くの企業が音楽配信市場に参入している。米国に比べ、販売楽曲数はまだ少ないが、急速に伸びており、今後、音楽配信が本格普及するきざしがある。 ○ ブロードバンドの普及に伴い、平成15年頃からVODを提供する事業者が増加している。VODの認知率は11%とまだ低いが、利用意向は高く、今後普及が進むものと予想される。