6 日米韓におけるICT利用状況の比較 1 インターネット、ブロードバンドの普及  ITU(国際電気通信連合:International Telecommunication Union)の「The Portable Internet」(2004年9月)によれば、日米韓3か国のインターネット普及率(人口に対するインターネット利用者数の比率)は、韓国が61.0%と最も高く、次いで米国(55.1%)、日本(48.3%)となっている。同じく3か国におけるブロードバンド普及率(人口に対するブロードバンド契約数の比率)は韓国が23.3%と最も高く、次いで日本(11.7%)、米国(9.3%)となっている(図表[1])。 図表[1] インターネット普及率・ブロードバンド普及率(2003年) 2 インターネット利用者の年齢の構成  日米韓のインターネット利用者の年齢の構成を比較すると、韓国では20歳台以下の若い世代の利用者の構成割合が高くなっており、また、米国では60歳以上の高齢者の利用者の割合が高くなっている(図表[3])。 図表[3] インターネット利用者の年齢別構成(注1) 3 携帯電話等によるインターネット利用  携帯電話等利用者のインターネット利用率は、日本が78.8%と最も高く、次いで韓国が66.9%となっている。米国は32.2%と日韓に比べて相当低く、携帯電話等によるインターネット利用が社会にあまり普及していないことがわかる(図表[2])。 図表[2] 携帯インターネット利用率 4 インターネットの利用用途  インターネット利用者の情報収集のためのネット利用は、日米韓とも総じて高い利用率となっているが、「政府・自治体関連情報」、「就職・転職情報」の収集のためのネット利用では、米国が日韓に比べてかなり高くなっている。  インターネット利用者のオンラインゲームの利用率は、韓国が66.7%と圧倒的に高く、次いで、米国(49.0%)、日本(19.9%)となっている。また、通信教育の受講(eラーニング)や政府・自治体への申請・届出におけるインターネット利用率は、米韓に比べて日本がかなり低くなっている(図表[4])(注2)。 図表[4] インターネットの利用用途 5 インターネットの満足度  パソコンによるインターネット利用者のネット利用に関する満足度は、米国の満足度が最も高く、次いで、韓国、日本となっている。日本、韓国ではセキュリティ面での不満が高くなっている(図表[5])。 図表[5] パソコンによるインターネット利用に対する満足度 6 インターネットによる行動の変化  インターネットを利用することによる日常行動の変化については、日米韓とも、他のメディア(本、雑誌、新聞、テレビ)との接触時間、睡眠時間、外出頻度などが減少したとする人が多い。また、日米では家族や友だちとの連絡頻度、旅行の頻度が増加したとする人が減少したとする人を上回っている。  米国はすべての項目で日常行動に「変化がない」とする人が最も高く、他方、韓国はすべての項目で「変化がない」とする人が最も低いとともに、「減少した」とする人が最も高くなっている。これから見ると、インターネットの利用が日常行動に及ぼす影響は韓国で一番大きくなっていることがわかる(図表[6])。 図表[6] インターネットによる行動の変化 (注1)構成割合の算出方法については、資料編1-2-4参照 (注2)ネットショッピング、ネットオークション、ネットバンキング、ネットトレードの利用状況については「第2節4-(1)、(2)」を、コンテンツの利用状況については「第2節5-(2)-3」を参照 また、無線LAN、公衆無線LANの利用状況は「第4節2-(3)」参照