(3)迷惑メール パソコン利用者の8割以上、携帯利用者の7割以上が迷惑メールを受信 1 迷惑メール等の状況  迷惑メールの受信者は、パソコンによるインターネット利用者では86.6%、携帯電話等の利用者では72.6%にも上っている。迷惑メール受信者の受信頻度は、パソコン・携帯電話等とも1日5通以下とするものが7割を超えるが、パソコンでは1日11通以上受信している利用者も1割以上に達している。  米国では、携帯電話等によるメール利用が普及しておらず、携帯電話等の利用者のうち迷惑メールの受信者は8.2%と非常に少ないが、パソコンによるインターネット利用者では97.6%が迷惑メールを受信しており、半数近くが1日11通以上受信している。韓国では、パソコンによるインターネット利用者の94.6%、携帯電話等の利用者の79.0%が迷惑メールを受信しており、おおむね日本と同様の状況となっている(図表[1])。 図表[1] 1日当たりの迷惑メール受信状況  こうした状況の中、迷惑メールに関する情報提供や苦情相談も多数寄せられている。平成16年度に(財)日本データ通信協会の迷惑メール相談センターに寄せられた違法メールに関する情報提供件数は、毎月2〜3万件にも及んでいる(図表[2])。 図表[2] 「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」違反に係る情報提供件数  また、いわゆる架空料金請求トラブル(インターネットの有料アダルトサイト、出会い系サイト等の利用料等をかたって、携帯電話、電子メール、郵便等により料金を請求するもの)も増加している。平成16年度に総務省電気通信消費者相談センターに寄せられた相談件数は5,586件であり、平成14年度(555件)と比べて約10倍に増加した(図表[3])。 図表[3] 電気通信消費者相談センターに寄せられた架空料金請求トラブルに関する相談件数 2 迷惑メール対策の状況  迷惑メール対策を行っている利用者は、パソコンによるインターネット利用者では63.2%、携帯電話等の利用者では62.4%となっている。具体的な対策としては、パソコンによるインターネット利用者では「端末側で迷惑メール対策ツール・メール指定拒否機能・メール指定受信機能を利用している」(31.3%)が、携帯電話等の利用者では「メールアドレスを複雑にしている」(36.5%)が最も多くなっている。  米国では、携帯電話等によるメール利用が普及しておらず、対策もほとんどとられていないが、パソコンによるインターネット利用者では77.6%が何らかの対策をとっている。具体的な対策としては、「プロバイダの迷惑メールを遮断するサービスを利用している」が43.7%と最も多くなっている。また、韓国では、携帯電話等による迷惑メールの受信者が79.0%と高いが、携帯電話等の利用者のうち何らかの対策を行っている者は25.2%と低くなっている(図表[4])。 図表[4] 迷惑メール対策の実施状況(複数回答)  なお、総務省では、迷惑メール対策を強化するため、平成17年2月より、経済産業省と協力して、民間事業者による自主的な迷惑メール対策を促す「迷惑メール追放支援プロジェクト」を開始するとともに、同年3月には、特定電子メールの範囲拡大や直罰規定の導入等を内容とする「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律の一部を改正する法律案」を第162回国会に提出し、同年5月に成立した。 3 フィッシング詐欺  フィッシング詐欺とは、金融機関等のメールを装い、メールの受信者に偽のホームページにアクセスするように仕向け、そのページにおいてクレジットカード番号・ID・パスワード等の個人の金融情報を入力させるなどして、個人情報を不正に入手する行為である。  平成16年5月に発表された米国の民間調査会社の調査によれば、米国では約5,700万人がフィッシングメールを受信し、約1,100万人(受信者の19%)がサイトをクリックし、約178万人(受信者の3%)が個人情報を入力したとされている。フィッシングによる銀行とクレジットカード会社の被害額は約12億ドル(約1,200億円)に達していると推計されている。  我が国においても、平成16年秋頃からフィッシングメールによる被害が発生している。   関連ページ 迷惑メール対策の強化については、3-7-1電気通信事業分野における消費者行政参照