(4)属性別ブロードバンド利用格差の現状 都市規模別の利用格差は拡大 1 ブロードバンド利用格差の現状  平成14年末から16年末にかけてブロードバンド利用率(注1)、自宅のパソコンからのインターネット利用者におけるブロードバンドの利用比率(ブロードバンド化率)(注2)のいずれも、世代、性、都市規模、年収の各属性で増加した。特にブロードバンド化率は各属性すべてにおいて過半数を超えており、ブロードバンドの進展が進んでいる。一方で、依然として属性による格差が見られる。  世代による利用格差は、特に60歳以上の層では平成14年末に比べ平成16年末では格差が拡大した。また、都市規模による利用格差でも、平成16年末には特別区・政令指定都市・県庁所在地と町村における利用率の差は平成14年末の15.4ポイントから平成16年末には25.3ポイントに拡大した(図表[1])。 図表[1] 属性別ブロードバンド利用率、自宅のパソコンからのインターネット利用者におけるブロードバンド化率の推移 2 ブロードバンド利用格差の要因  ブロードバンドの利用には、世代、性、都市規模、年収の各要因により格差が存在している。この4つの要因が、ブロードバンド利用/未利用に与える影響の大きさを比較するために、分析を行った(注3)。  その結果、平成16年末において、ブロードバンドの利用/未利用に最も大きな影響を及ぼしている要因は、世代(注4)である。特に「年齢が20〜29歳」(影響度0.56)、「年齢が30〜39歳」(影響度0.60)という属性はブロードバンド利用に最も大きな影響を及ぼしている。逆に、ブロードバンド利用に最も大きなマイナスの影響を与えているのは、「年齢が60歳以上」(影響度−1.41)という属性である。また、インターネット利用、携帯インターネット利用に比べて、都市規模や年収が及ぼしている影響が大きい。特に都市規模では、「町・村部」がブロードバンド利用に大きなマイナスの影響を与えている(図表[2])。 図表[2] 各属性がブロードバンド利用/未利用に与える影響度 (注1)ここでのブロードバンド利用率は、属性ごとの調査対象(インターネット未利用者も含む)に占めるブロードバンド利用者の比率 (注2)自宅のパソコンからのインターネット利用者におけるブロードバンド利用比率(ブロードバンド化率)とは、属性ごとの自宅のパソコンからのインターネット利用者に占めるブロードバンド利用者の比率 (注3)上記は、ブロードバンド利用/未利用について、要因別の属性を同一基準で分析するため、ブロードバンド利用・未利用を被説明(外的基準)変数とし、「世代別」、「性別」、「都市規模別」及び「世帯年収別」の4要因21属性(各属性450サンプル)を説明変数として、数量化II類で解析した (注4)影響度の最大値と最小値との差が他の要因(性、都市規模、世帯年収)と比較して最も大きい(2.01)ことから説明される