第2章 情報通信の現況 第1節 情報通信産業等の動向 1 市場規模 平成15年における情報通信産業の市場規模は対前年比6.3%増の126兆円 1 情報通信産業の市場規模(国内生産額)  我が国の情報通信産業の市場規模(国内生産額)(注1)は、平成15年に126兆円(対前年比6.3%増)となり、平成13年と比べても5.7%の増加となった。これは、平成15年後半にかけての景気持ち直しを背景に、企業収益の回復や資本ストック調整の進展等を受けて各産業の設備投資が増加し、特に電子計算機・同付属装置、無線電気通信機器への投資が増加したこと等によるものである。また、全産業の市場規模総額に占める情報通信産業の市場規模の割合も、平成15年には12.7%(対前年比0.5ポイント増)と増加した(図表[1])。 図表[1] 情報通信産業の市場規模(国内生産額)と全産業に占める割合の推移  また、米国の情報通信産業の市場規模についても、我が国と同様の推移を示しており、日米ともに情報通信産業は2002(平成14)年に1995(平成7)年以降で初の減少となった後、2003(平成15)年において再び増加に戻している。また、韓国については、1999(平成11)年以降大幅な伸びを示している(図表[2])。 図表[2] 日米韓における情報通信産業の市場規模(国内生産額)の推移(平成7年を100として指数化) 2 産業別市場規模(国内生産額)  情報通信産業の市場規模を他産業と比較すると、平成9年に建設を上回って以来、情報通信産業は全産業中、最大規模の産業となっている。また、平成7年から15年にかけて年平均成長率が最も高いのは、情報通信産業(6.0%増)である(図表[3])。 図表[3] 産業別市場規模(国内生産額)の推移 3 情報通信産業における部門別市場規模(国内生産額)  情報通信産業の部門別(注2)市場規模において、平成15年に最も大きい部門は情報通信関連製造業(32兆円)であり、対前年成長率も16.6%と大幅に伸びている。また、平成7年から15年にかけて年平均成長率が最も高い部門は情報サービス業(10.5%)、次いで通信業(9.7%)となっている(図表[4])。   図表[4] 情報通信産業における部門別市場規模(国内生産額)の推移 (注1)情報通信産業の市場規模(ここでは産業連関表を基に推計した実質国内生産額(平成7年基準)と同義)は、以下のように推計した [1]平成7年については、「平成7年産業連関表」(総務庁(現総務省))の一部を資料2-1-1の定義・範囲に組替え [2]平成8年から15年のデータについては、平成7年データを、「国民経済計算年報」(現内閣府)、「工業統計表」(現経済産業省)等の産出額、出荷額等により名目国内生産額を推計した上で、これに「卸売物価指数」(日本銀行)等で除して実質化 また、情報通信産業を除く産業の市場規模は、内閣府「国民経済計算年報」の付表「経済活動別の国内総生産・要素所得」の産出額を引用。ただし、平成15年は、平成15年情報通信産業連関表に基づく推計値。なお、卸売、小売の産出額はいわゆる売上額(市場規模)ではなくマージン額(=売上額−仕入額) (注2)情報通信産業の部門は、資料2-1-1の定義・範囲参照