3 デジタル・ディバイドの克服 (1)地理的ディバイドの克服 ブロードバンド、携帯電話、放送分野での取組 1 ブロードバンド・ゼロ地域脱出計画  我が国では、ブロードバンドが急速に普及し、料金・速度の面で世界一のブロードバンド環境を実現している。他方、採算性等の問題から民間事業者の投資が期待しにくい地域は十分に整備が進んでおらず、地理的要因によるデジタル・ディバイドの是正が喫緊の課題となっている。  総務省では、電気通信基盤充実臨時措置法に基づき事業者向けに講じている超低利融資において過疎地域等を優遇するなど、デジタル・ディバイドの解消に努めてきた。  また、平成16年6月から「全国均衡のあるブロードバンド基盤の整備に関する研究会」において検討を進める中で、地域におけるブロードバンド基盤整備において、先進的な取組を行う地方公共団体が、一定の役割を果たす事例が増加していることが改めて認識された。これを踏まえ、地方公共団体向けにブロードバンド基盤整備に取り組む場合の課題や方策につき整理した「地域ブロードバンド基盤整備加速化指針」を主要部分とする中間報告「ブロードバンド・ゼロ地域脱出計画」が平成17年2月に取りまとめられた(図表[1])。 図表[1] 地域におけるブロードバンド基盤整備に関する課題と対応  総務省では、同報告書の内容を地方公共団体に浸透させることに努めるとともに、ブロードバンド基盤の全国的整備に向けた各種課題及び推進方策について、引き続き検討を進めている。 2 加入者系光ファイバ網設備整備事業  総務省では、平成14年度から、過疎地域等の地方公共団体がモデル事業として、地域公共ネットワークを活用しつつ加入者系光ファイバ網を整備する際に国庫補助(補助率3分の1)を行っており、これによって超高速インターネットアクセスが可能な環境を加速・推進している。平成16年度末までに14か所で事業を実施している(図表[2])。 図表[2] 地理的ディバイドの克服に向けた各事業の概要 3 携帯電話サービスエリアの整備の促進  総務省では、携帯電話サービスエリアの地域間格差の是正に向けて、過疎地域等を対象に、平成3年度から、移動通信用鉄塔施設整備事業を行う市町村に対し国庫補助(補助率2分の1)を行っており、平成16年度末までに577か所で事業を実施している。また、高速道路トンネル等における整備について、電波遮へい対策事業を行う公益法人に対し国庫補助(補助率2分の1)を行い、平成16年度末までに390か所で事業を実施している。 4 放送分野における地域間格差の是正  総務省では、放送分野における地域間格差の是正を目的として、民放テレビ・ラジオ放送難視聴等解消施設整備事業及び衛星放送受信設備設置助成制度により、地理的条件等が原因で放送(地上波)の視聴が困難な地域において、良好な受信環境を確保するための事業を実施する地方公共団体等に対し補助を行っている。本事業による難視聴・受信障害解消世帯数は、平成16年度末現在、累計で8.1万世帯となっている。