(2)研究開発環境の整備 競争的研究資金の拡充とテストベッドネットワークの構築  情報通信分野における研究開発を効果的・効率的に推進するためには、柔軟かつ競争的で開かれた研究開発環境の創出が必要である。 1 競争的研究資金による研究開発推進  総務省では、競争的な研究開発環境の形成により、情報通信技術のシーズの創出と研究開発力の向上、研究者のレベルアップ及び世界をリードする知的資産の創出を図るため、戦略的な重点目標に沿った独創性・新規性に富む研究開発を推進する「戦略的情報通信研究開発推進制度(SCOPE:Strategic Information and Communications R&D Promotion Programme)」(競争的研究資金制度(注))を設け、一層の充実を図っている。  SCOPEでは、戦略目標に沿った4つのプログラム([1]特定領域重点型研究開発、[2]研究主体育成型研究開発、[3]地域情報通信技術振興型研究開発、[4]国際技術獲得型研究開発)で研究開発課題を幅広く公募の上、2段階による評価を行い、優れた研究開発課題に対して研究費及び間接経費を配分している。平成17年度には405件の応募があり、43件の新規課題を採択している。 2 最先端の研究開発テストベッドネットワーク(JGNII)の構築  次世代高度ネットワークを国内外の産・学・官・地域連携によって早期実現させ、我が国経済社会の活性化と国際競争力の強化を図るためには、開かれたテストベッド環境が必要である。  独立行政法人情報通信研究機構が運営する最先端の研究開発テストベッドネットワーク(JGNII)は、最先端の光交換機を導入し、光波長レベルでの研究開発に対応するほか、全国の都道府県にアクセスポイントを設け、大学、研究機関、民間企業、地方自治体等、全国規模の産学官連携、地域連携の基盤として利用されている。JGNIIにおける研究開発や実証実験を通じて様々な技術の先導的取組を行うことで、我が国の技術力の向上、産学官連携の強化、新ビジネスや新産業の創出、地域活動の活性化、人材育成効果等、幅広い波及効果をもたらしている(図表)。 図表 研究開発テストベッドネットワーク(JGNII)の概要 (注)広く一般の研究者等を対象に研究開発課題を募り、科学的・技術的な観点を中心とした評価に基づき採択された課題を実施するための研究資金を配分する制度