3 通信・放送の融合・連携をめぐる最近の動向 1 映像・音声コンテンツのインターネット配信の本格化  電気通信事業者は、運営するインターネット接続サービスの一つとして、あるいはコンテンツ事業者と提携すること等により、パソコンで視聴できるVOD型の映像配信サービス(いわゆる「インターネット放送」)の提供を開始している。また、加入者宅にセットトップボックス(STB)を設置し、自らの通信ネットワークを通じてVOD型映像配信サービスを提供する事例もある(図表1-3-4)。 図表1-3-4 主なブロードバンドネット映像配信事業の動向  放送事業者各社は、保有する豊富な映像コンテンツを活用し、インターネット接続事業者との連携や自社が運営するネット配信用のウェブサイトを活用することで、インターネットを利用したVOD型の映像配信サービスの提供を開始している(図表1-3-5)。例えば、日本テレビでは、2005年10月からインターネットを利用したサービスを開始しており、同社が保有する過去のニュースや人気テレビ番組を提供している。また、民放キー局5社と広告代理店等が共同して動画コンテンツを視聴できるポータルサイトを運営する新会社を設立し、サービス提供に向けて準備を進めている。 図表1-3-5 放送事業者による映像配信サービスの事例  ラジオ放送事業者等は、ストリーミング方式5で、インターネット上で音声コンテンツを配信するサービスを行っている。このようなサービスは一般にインターネットラジオと呼ばれ、ブロードバンドによる常時接続環境の整備に伴い利用が拡大しており、インターネットラジオ専門のウェブサイトも開設されている。  また、ストリーミング方式によらず、通常のインターネット上のコンテンツと同様に、ダウンロード方式の映像・音声コンテンツを配信している事業者もある。インターネット上の映像・音声コンテンツファイルをパソコン経由で携帯プレーヤーにダウンロードし自動録音する仕組みを一般にポッドキャスティングと呼び、専用のソフトウェアに映像・音声コンテンツ配信事業者のアドレスを登録しておくと、最新のコンテンツが公開されるごとに自動受信されるというシステムが構築されている(図表1-3-6)。 図表1-3-6 ポッドキャスティングの事例 5 データを受信しながら同時に再生を行う方式