コラム 地域におけるネットワーク活用 熊本県八代市「ごろっとやっちろ」  熊本県八代市では、地域ポータルサイト「ごろっとやっちろ」という電子掲示板を立ち上げていたが、利用者が少なかった。そこでSNSに目をつけた。  実際、SNSを構築したところ、それまでの2倍以上のアクセスが集まり、アクティブ・メンバー数も4倍近く増えた。また、実名で発言しにくい、トラブルが生じるという掲示板での問題点も解決された。八代市で使用しているSNSのソースコードは「open―gorotto」として無償公開されており、神奈川県川崎市では「open―gorotto」を利用したSNSの構築を開始している。 千代田区・長岡市の地域SNS実証実験  総務省では、東京都千代田区と新潟県長岡市において、ICTを活用した住民参画を促進するため、地域SNSと公的個人認証サービスに対応した電子アンケートシステムの実証実験を行った。  千代田区では、地域SNSに903名が参加し、125のコミュニティが設置された(2006年2月15日現在)。具体的な取組の事例としては、地域で発生した事件に関する情報を「行政のお知らせ」で報道機関より早く知らせ、それを受けてコミュニティでトピックとして取り上げたこと、公共交通機関の運休や遅延などの情報をいち早く配信したこと、コミュニティで路上喫煙について議論し、議論の内容を受けて公的個人認証サービスを活用した電子アンケートを行ったこと、等が挙げられる。  一方、長岡市では、地域SNSに307名が参加し、64のコミュニティが設置された(2006年2月15日現在)。  具体的な取組の事例としては、実際に発生した大規模な停電に関する情報が「行政からのお知らせ」やコミュニティで配信されたこと、コミュニティで市民から公園の木が倒れかかっているという情報が提供され、市が迅速に対応したこと、雪壁や道路の凍結等報道では取り上げられない身近な情報が市民から配信されたこと等が挙げられる10。 図表 実証実験地域モデル 10 総務省「住民参画システム利用の手引き」(http://www.soumu.go.jp/denshijiti/ict/index.html)参照